共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問8 (公共,倫理(第3問) 問8)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問8(公共,倫理(第3問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

次の場面の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒Gと生徒Hは、各々全て同じ人物である。

場面3  数日後、生徒Gと生徒Hは、次の会話をしている。

G:その後、ケンカした友達とはどう?
H:なんとか関係は修復できそうだよ。昔と全く同じとはいかなくても、新しい付き合い方を探っていけたらと思ってる。
G:それはひとまず良かった。
H:でも、幼なじみと価値観が合わなくなってしまったのはちょっと寂しいなぁ。直接会う機会が減って、スマホでの文字のやり取りばかりになっているのも関係あるのかも。言葉でコミュニケーションするのって難しいね…。
G:そういえば、倫理の授業では、20世紀になってg 言語哲学が発展して、言語でのコミュニケーションについて考えられてきたって習ったね。言葉について考えることも、他者とわかり合うためには重要なのかも。
H:そうだね。でも、私は、他者とのコミュニケーションの目的は、意見を一致させることではないんじゃないかとも思う。価値観を共有することや、同じ意見になることがなくても、h 他者との関係を保つことはできるし、それが重要なんじゃないかなぁ。
G:うーん、私はやっぱり、どんなに困難でも、コミュニケーションの最終的な目的は、意見を一致させることなんじゃないかと思うけれど…。そうじゃないと、「考え方は人それぞれだから」と言って、コミュニケーションを放棄することになってしまいそう。
H:そうか、そういう危険までは考えていなかったな…。でも、相手を説得しようとして、自分の意見を押し付けることにつながってしまう場合もあるよね。無理に同じ考えになることを目指すと、かえって対立が深まってしまうこともあると思う。
G:それはそのとおりだね。同じ意見になることの前に、相手の意見にどんな優れた点があるかをきちんと確かめることも大切だね。

下線部hに関して、次の文ア〜ウは、他者との関係について述べた思想の説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

ア  ホッブズは、自然状態では他者へのあわれみの感情によって自己愛が抑制されて、「万人の万人に対する闘争」が避けられると説いた。
イ  ヘーゲルは、人々は心の内にある道徳的理想を自覚することで、他者からの承認がなくても、自由を実現することができると主張した。
ウ  レヴィナスは、他者は常に私の理解を超え出た異質なものであり、他者を理解し尽くそうとすることは暴力的な支配であると論じた。
  • ア:正  イ:正  ウ:誤
  • ア:正  イ:誤  ウ:正
  • ア:正  イ:誤  ウ:誤
  • ア:誤  イ:正  ウ:正
  • ア:誤  イ:正  ウ:誤
  • ア:誤  イ:誤  ウ:正

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この過去問の解説 (1件)

01

「下線部hに関して」とありますが「下線部h」とは「他者との関係」です。

まず「ア」について検討します。

「ホッブズは、自然状態では他者へのあわれみの感情によって自己愛が抑制されて、「万人の万人に対する闘争」が避けられると説いた」

自然状態とは国家もルールも何もない状態と考えてください。

そうすると無秩序なものとなるのは考えるまでもないでしょう。

じゃあどうするのかということについて考えた見解の一つがホッブスのリヴァイアサンというものです。

ホッブズはこの無秩序なものを「万人の万人に対する闘争」と表現しました。

ルールも国家もない状態では人々は争い奪い合う。

この万人の万人に対する闘争は他者へのあわれみの感情によって自己愛が抑制されることで防げるのでしょうか。

例えば、自然状態(法律もない、国家もない、警察もいない)自分の家に鍵をかけなくても、あわれみの感情や自己愛が抑制されているから泥棒に入られることはないのでしょうか。

そうはならないでしょう。

じゃあどうするんだということでホッブスが考えたのが権力者が統治すること。

よって「自然状態では他者へのあわれみの感情によって自己愛が抑制されて、「万人の万人に対する闘争」が避けられると説いた」は誤です。

次に「イ」について検討します。

「人々は心の内にある道徳的理想を自覚することで、他者からの承認がなくても、自由を実現することができると主張した」

例えば、自分がAという行為をされたとします。

これがうれしかったとします。

じゃあ他人にAをしたとして喜んでくれるとは限りません。

相手が何をすればうれしいか、何をしたら嫌かということはその人にしか分からないというのは考えるまでもありません。

「人々は心の内にある道徳的理想を自覚することで自由を実現することができると主張した」

自分の道徳に従って行動すれば相手に迷惑がかかることはない。

それは違いますよね。

自分の心の内と他人の心の内は違うし、お互いの心の内を知ることは不可能だし、調べるべきことでもない訳です。

でも個々人がそれぞれの道徳的理想に従えば無秩序なものになります。

だから全員が守るべきものとしてルールがあるのです。

よって「人々は心の内にある道徳的理想を自覚することで、他者からの承認がなくても、自由を実現することができると主張した」は誤りです。

「ウ」について検討します。

「レヴィナスは、他者は常に私の理解を超え出た異質なものであり、他者を理解し尽くそうとすることは暴力的な支配であると論じた」

これは簡単に言うと他者の心の中なんて分かる訳ないだろということです。

これは考えるまでもなく正ですよね。

以上から「ア 誤」「イ 誤」「ウ 正」です。

選択肢6. ア:誤  イ:誤  ウ:正

この選択肢が正答です。

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