共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問4 (公共,倫理(第3問) 問4)
問題文
次の場面の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒Gと生徒Hは、各々全て同じ人物である。
場面2 生徒Gと生徒Hは、倫理の授業後、次の会話をしている。
G:倫理の授業では、様々な「他者」の説明があったね。なかでも自立的な個人を強調する西洋近代のd 人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれるということに、なるほどと思ったよ。
H:そうだったね。もちろん「私」にとっての他者ということもあるけれど、「私たち」にとっての他者という話も興味深かった。
G:「私たち」の社会や共同体という視点から他者を見るってことだよね。
H:そうそう。例えば、古代ギリシアのe ポリスを構成する市民にとっては、他のポリスから来た人たちや奴隷が他者になるわけだし。
G:文化の異なる人も他者だと考えられるね。
H:うーむ。ポリス内部の他者同士でさえも、コミュニケーションが難しそうなのに、言葉や文化が違う他者って、わかり合うのがもっと難しそう。やはり他者と理解し合うのは、根本的に無理だと思うけどな。
G:まあ、そんなに悲観的にならなくてもいいんじゃない?私はペットの犬や猫ともわかり合えると思っているよ!
H:そうかなぁ…。わかり合えるかどうかはともかく、人間を「私たち」とすると、f 人間以外の動物も他者ということになるかな。
G:そうなるね。面白いなぁ。
下線部dに関連して、次の文章ア〜エのうち、西洋思想における人間観の説明として適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア ピコ・デラ・ミランドラは、自由意志に着目して、人間がもつ尊厳について論じた。人間は、自分のあり方を選ぶ自由意志をもつので、神的なものにも獣のようにもなることができる存在であるとした。
イ ロックは、自然状態において平和と自由が保たれていると考えた。人間は、自然状態において労働を通じて得たものに対する所有権をもつが、その権利をより確実なものとするために社会契約が要請されると説いた。
ウ コントは、人間が神学的段階、形而上学的段階、実証的段階の順に知識を発展させると論じた。形而上学的段階は人間についての探求、実証的段階は自然についての探求に対応するとされた。
エ マルクスは、労働において自然に働きかけつつ他者と関わる点に、人間の本来の姿を見いだし、それを類的存在と名付けた。資本主義社会でこうした人間のあり方が失われることを、故郷喪失と呼んだ。
場面2 生徒Gと生徒Hは、倫理の授業後、次の会話をしている。
G:倫理の授業では、様々な「他者」の説明があったね。なかでも自立的な個人を強調する西洋近代のd 人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれるということに、なるほどと思ったよ。
H:そうだったね。もちろん「私」にとっての他者ということもあるけれど、「私たち」にとっての他者という話も興味深かった。
G:「私たち」の社会や共同体という視点から他者を見るってことだよね。
H:そうそう。例えば、古代ギリシアのe ポリスを構成する市民にとっては、他のポリスから来た人たちや奴隷が他者になるわけだし。
G:文化の異なる人も他者だと考えられるね。
H:うーむ。ポリス内部の他者同士でさえも、コミュニケーションが難しそうなのに、言葉や文化が違う他者って、わかり合うのがもっと難しそう。やはり他者と理解し合うのは、根本的に無理だと思うけどな。
G:まあ、そんなに悲観的にならなくてもいいんじゃない?私はペットの犬や猫ともわかり合えると思っているよ!
H:そうかなぁ…。わかり合えるかどうかはともかく、人間を「私たち」とすると、f 人間以外の動物も他者ということになるかな。
G:そうなるね。面白いなぁ。
下線部dに関連して、次の文章ア〜エのうち、西洋思想における人間観の説明として適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア ピコ・デラ・ミランドラは、自由意志に着目して、人間がもつ尊厳について論じた。人間は、自分のあり方を選ぶ自由意志をもつので、神的なものにも獣のようにもなることができる存在であるとした。
イ ロックは、自然状態において平和と自由が保たれていると考えた。人間は、自然状態において労働を通じて得たものに対する所有権をもつが、その権利をより確実なものとするために社会契約が要請されると説いた。
ウ コントは、人間が神学的段階、形而上学的段階、実証的段階の順に知識を発展させると論じた。形而上学的段階は人間についての探求、実証的段階は自然についての探求に対応するとされた。
エ マルクスは、労働において自然に働きかけつつ他者と関わる点に、人間の本来の姿を見いだし、それを類的存在と名付けた。資本主義社会でこうした人間のあり方が失われることを、故郷喪失と呼んだ。
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問題
反映中…
共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問4(公共,倫理(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
次の場面の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒Gと生徒Hは、各々全て同じ人物である。
場面2 生徒Gと生徒Hは、倫理の授業後、次の会話をしている。
G:倫理の授業では、様々な「他者」の説明があったね。なかでも自立的な個人を強調する西洋近代のd 人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれるということに、なるほどと思ったよ。
H:そうだったね。もちろん「私」にとっての他者ということもあるけれど、「私たち」にとっての他者という話も興味深かった。
G:「私たち」の社会や共同体という視点から他者を見るってことだよね。
H:そうそう。例えば、古代ギリシアのe ポリスを構成する市民にとっては、他のポリスから来た人たちや奴隷が他者になるわけだし。
G:文化の異なる人も他者だと考えられるね。
H:うーむ。ポリス内部の他者同士でさえも、コミュニケーションが難しそうなのに、言葉や文化が違う他者って、わかり合うのがもっと難しそう。やはり他者と理解し合うのは、根本的に無理だと思うけどな。
G:まあ、そんなに悲観的にならなくてもいいんじゃない?私はペットの犬や猫ともわかり合えると思っているよ!
H:そうかなぁ…。わかり合えるかどうかはともかく、人間を「私たち」とすると、f 人間以外の動物も他者ということになるかな。
G:そうなるね。面白いなぁ。
下線部dに関連して、次の文章ア〜エのうち、西洋思想における人間観の説明として適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア ピコ・デラ・ミランドラは、自由意志に着目して、人間がもつ尊厳について論じた。人間は、自分のあり方を選ぶ自由意志をもつので、神的なものにも獣のようにもなることができる存在であるとした。
イ ロックは、自然状態において平和と自由が保たれていると考えた。人間は、自然状態において労働を通じて得たものに対する所有権をもつが、その権利をより確実なものとするために社会契約が要請されると説いた。
ウ コントは、人間が神学的段階、形而上学的段階、実証的段階の順に知識を発展させると論じた。形而上学的段階は人間についての探求、実証的段階は自然についての探求に対応するとされた。
エ マルクスは、労働において自然に働きかけつつ他者と関わる点に、人間の本来の姿を見いだし、それを類的存在と名付けた。資本主義社会でこうした人間のあり方が失われることを、故郷喪失と呼んだ。
場面2 生徒Gと生徒Hは、倫理の授業後、次の会話をしている。
G:倫理の授業では、様々な「他者」の説明があったね。なかでも自立的な個人を強調する西洋近代のd 人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれるということに、なるほどと思ったよ。
H:そうだったね。もちろん「私」にとっての他者ということもあるけれど、「私たち」にとっての他者という話も興味深かった。
G:「私たち」の社会や共同体という視点から他者を見るってことだよね。
H:そうそう。例えば、古代ギリシアのe ポリスを構成する市民にとっては、他のポリスから来た人たちや奴隷が他者になるわけだし。
G:文化の異なる人も他者だと考えられるね。
H:うーむ。ポリス内部の他者同士でさえも、コミュニケーションが難しそうなのに、言葉や文化が違う他者って、わかり合うのがもっと難しそう。やはり他者と理解し合うのは、根本的に無理だと思うけどな。
G:まあ、そんなに悲観的にならなくてもいいんじゃない?私はペットの犬や猫ともわかり合えると思っているよ!
H:そうかなぁ…。わかり合えるかどうかはともかく、人間を「私たち」とすると、f 人間以外の動物も他者ということになるかな。
G:そうなるね。面白いなぁ。
下線部dに関連して、次の文章ア〜エのうち、西洋思想における人間観の説明として適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア ピコ・デラ・ミランドラは、自由意志に着目して、人間がもつ尊厳について論じた。人間は、自分のあり方を選ぶ自由意志をもつので、神的なものにも獣のようにもなることができる存在であるとした。
イ ロックは、自然状態において平和と自由が保たれていると考えた。人間は、自然状態において労働を通じて得たものに対する所有権をもつが、その権利をより確実なものとするために社会契約が要請されると説いた。
ウ コントは、人間が神学的段階、形而上学的段階、実証的段階の順に知識を発展させると論じた。形而上学的段階は人間についての探求、実証的段階は自然についての探求に対応するとされた。
エ マルクスは、労働において自然に働きかけつつ他者と関わる点に、人間の本来の姿を見いだし、それを類的存在と名付けた。資本主義社会でこうした人間のあり方が失われることを、故郷喪失と呼んだ。
- ア
- イ
- ウ
- エ
- アとイ
- イとウ
- ウとエ
- アとエ
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この過去問の解説 (1件)
01
「下線部dに関連して」とあり、下線部bとは「人間観」です。
まずGさんの「倫理の授業では、様々な「他者」の説明があったね。なかでも自立的な個人を強調する西洋近代の人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれるということに、なるほどと思ったよ」とする部分を解説していきます。
「自立的な個人を強調する」について、そもそも人は何をするか完全に自由です。
今日何を食べるか、何を着るか等
誰かに指示されているわけでもなく、自由に決められます。
ピコ・デラ・ミランドラが論じた「人間は、自分のあり方を選ぶ自由意志をもつので」というのはそういうことです。
そうした自由な主体として「私」があります。
そして別の自由な主体として「他者」があります。
他者から見れば自らが自分のあり方を選ぶ自由意志をもつ者なのです。
ロックはこの点について自然状態という観点から説明しました。
例えば、国家がない状態、誰もが何の法律にも縛られず自由にできる。
これが自然状態です。
そして自然状態には、明確な法律ではないけど人々が守り共通するルール的なものとして自然法があり、説明するまでもなく人が人であれば国家の有無とかに関係なく保護される権利を自然権という。
そして自然状態では各人が自らの権利を侵害する者を排除することができます。
しかし、現実問題として何の法律もなく好き勝手にできたり、権利を侵害した者を排除しようとすると無秩序なものとなります。
そこで国家が作られ、国家と社会契約を結ぶことによって信託するという。
なにを信託するか。
例えば、権利を侵害されないためにはルールが必要です(法律)
このルールを制定する権利(立法権)を信託しました。
しかし、このルールも守られなければ絵に描いた餅になります。
そこでルールを破った者を制裁したり排除する権利も信託しました。
しかし、これらはあくまでも信託しているのであって、国家が好き勝手していいわけではないというのです(抵抗権)
よって下線部dに関連して、次の文章ア〜エのうち、西洋思想における人間観の説明として適当なものは「ア」と「イ」です。
なお、コントは個人を国の一人の構成員としてみたので「自立的な個人を強調する西洋近代の人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれる」にあてはまらないですし、マルクスは「資本主義社会でこうした人間のあり方が失われる」と批判したように社会主義者であるので「自立的な個人を強調する西洋近代の人間観では、そうした「私」とは区別されるものが「他者」と呼ばれる」とするところにあてはまりません。
「ア」は正解ですが、同じく正解である「イ」が含まれていません。
「イ」は正解ですが、同じく正解である「ア」が含まれていません。
「ウ」は正解ではありません。
「エ」は正解ではありません。
「ア」「イ」いずれも正解です。
正答です。
「イ」は正解ですが「ウ」は正解ではありません。
「ウ」「エ」いずれも正答ではありません。
「ア」は正解ですが「エ」が正解ではありません。
下線部bには「人間観」とあります。
人間観とはいろんな意味があるかと思いますが、ここでいう人間観とは、自立的な個人を強調する西洋近代の思想をいいます。
つまり、人は個人として尊重する、そしてその個人として「私」がある。
別の個人として「他者」がある。
この「私」は何をするか自由
他者も何をするか自由
しかし、こうすると無秩序なものとなります。
そこで思想家はどう説明したかということが問題となっているのです。
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