共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問13 (公共,倫理(第4問) 問4)
問題文
J:恋人に振られてしまった。「一緒にいるのは無理」の一点張りで、理由を説明しようともしないんだ。
K:あなたみたいに、なんでも理詰めで考える人が、「無理」って言われたのかぁ。
J:そもそも、「無理」の「理」って何なの?理性、道理、義理…。「理」がつく言葉はたくさんある。でも、定義を一つに決めようとすると、よくわからない。
K:「理」って、a「情」と対比的に使われることも多いよね。近松門左衛門の作品は男女関係をめぐって義理と人情の葛藤を描いたとも言われるし。そう考えたらわかりやすいんじゃないかな。
J:でも、「義理堅い」って言葉なんかは、「人情に厚い」ことと同じようにも思えるし、「理」と「情」って、必ずしも対立するものではないと思うんだよ。
K:森鷗外の『舞姫』は、ドイツ留学中に好きになった女性と一緒になるか、立身出世を選ぶかで悩んだ人の話だったよね。この主人公は「理」と「情」と、どちらを優先したことになるのか、改めて考えてみると、確かに難しい。倫理の授業では、鷗外は、( ア )と考える( イ )の立場をとったって言ってたね。
J:「理」っていう言葉でb社会規範や秩序を思い浮かべる人もいるだろうなぁ。でも、人間のよりどころとなるc価値基準というイメージをもっている人もいるかも。その場合は、愛を貫き通すことこそが人間としての「理」だとも言えそう。
K:人によって、それに、時代によっても、それぞれの言葉でイメージすることが違っていそうだし、「理」と「情」って意外と複雑な関係にあるのかもね。
下線部bに関連して、先生Tと生徒Jが、赤穂事件をめぐり、人の守るべき法と義について会話をしている。次の会話文を読み、下線部の内容の説明として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
T:江戸時代には、侍の仇討(あだう)ちは義であり、正しい行為とされていました。赤穂浪士が、主君浅野長矩(あさのながのり)の仇討ちだと称して吉良義央(きらよしひさ)を討ったことは、世間の心情的な共感を集め、「義士」であると賞賛されました。
J:でも、浪士たちは、結局、全員切腹になったのでしょう?
T:それは、人の守るべき「さだめ」には法と義があったことによります。
J:どういうことですか?
T:浪士たちへの幕府の措置は、荻生徂徠の意見書と伝えられる「徂徠擬律書(そらいぎりつしょ)」に沿うものでした。「徂徠擬律書」に書かれている意見は次の通りです。「浪士たちが主君の仇討ちをしたことは、侍として恥を知る行為です。それは、義と言えますが、侍だけに通用する『私(わたくし)の論』です。浅野は禁を犯したために処罰されたのですし、今回、浪士たちが、幕府の許可なく騒動を起こしたことも、法では許されません。そこで、浪士を有罪とした上で、侍の礼に従って切腹に処すれば、浪士たちの忠義を軽んじることにもなりません。これこそ公論です。もし私論で公論を損なうならば、今後、天下の法は立ちゆきません」。
J:義士の切腹を主張したとして、徂徠は世間から憎まれたのですね。
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問題
共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問13(公共,倫理(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
J:恋人に振られてしまった。「一緒にいるのは無理」の一点張りで、理由を説明しようともしないんだ。
K:あなたみたいに、なんでも理詰めで考える人が、「無理」って言われたのかぁ。
J:そもそも、「無理」の「理」って何なの?理性、道理、義理…。「理」がつく言葉はたくさんある。でも、定義を一つに決めようとすると、よくわからない。
K:「理」って、a「情」と対比的に使われることも多いよね。近松門左衛門の作品は男女関係をめぐって義理と人情の葛藤を描いたとも言われるし。そう考えたらわかりやすいんじゃないかな。
J:でも、「義理堅い」って言葉なんかは、「人情に厚い」ことと同じようにも思えるし、「理」と「情」って、必ずしも対立するものではないと思うんだよ。
K:森鷗外の『舞姫』は、ドイツ留学中に好きになった女性と一緒になるか、立身出世を選ぶかで悩んだ人の話だったよね。この主人公は「理」と「情」と、どちらを優先したことになるのか、改めて考えてみると、確かに難しい。倫理の授業では、鷗外は、( ア )と考える( イ )の立場をとったって言ってたね。
J:「理」っていう言葉でb社会規範や秩序を思い浮かべる人もいるだろうなぁ。でも、人間のよりどころとなるc価値基準というイメージをもっている人もいるかも。その場合は、愛を貫き通すことこそが人間としての「理」だとも言えそう。
K:人によって、それに、時代によっても、それぞれの言葉でイメージすることが違っていそうだし、「理」と「情」って意外と複雑な関係にあるのかもね。
下線部bに関連して、先生Tと生徒Jが、赤穂事件をめぐり、人の守るべき法と義について会話をしている。次の会話文を読み、下線部の内容の説明として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
T:江戸時代には、侍の仇討(あだう)ちは義であり、正しい行為とされていました。赤穂浪士が、主君浅野長矩(あさのながのり)の仇討ちだと称して吉良義央(きらよしひさ)を討ったことは、世間の心情的な共感を集め、「義士」であると賞賛されました。
J:でも、浪士たちは、結局、全員切腹になったのでしょう?
T:それは、人の守るべき「さだめ」には法と義があったことによります。
J:どういうことですか?
T:浪士たちへの幕府の措置は、荻生徂徠の意見書と伝えられる「徂徠擬律書(そらいぎりつしょ)」に沿うものでした。「徂徠擬律書」に書かれている意見は次の通りです。「浪士たちが主君の仇討ちをしたことは、侍として恥を知る行為です。それは、義と言えますが、侍だけに通用する『私(わたくし)の論』です。浅野は禁を犯したために処罰されたのですし、今回、浪士たちが、幕府の許可なく騒動を起こしたことも、法では許されません。そこで、浪士を有罪とした上で、侍の礼に従って切腹に処すれば、浪士たちの忠義を軽んじることにもなりません。これこそ公論です。もし私論で公論を損なうならば、今後、天下の法は立ちゆきません」。
J:義士の切腹を主張したとして、徂徠は世間から憎まれたのですね。
- 浪士を侍の礼に従って切腹の罰に処することは、彼らの行為は法に反するにしても侍の義にかなうと認めて、義をより重視する考え方である。
- 浪士を侍の礼に従って切腹の罰に処することは、彼らの行為を侍の義にかなうと認めつつも罰することであり、法をより重視する考え方である。
- 浪士を侍の礼に従って切腹の罰に処することは、侍の義を根本に置いて社会全体を安定的に統治しようとする武士道の考え方である。
- 浪士を侍の礼に従って切腹の罰に処することは、儒教道徳を根本に置いて社会全体を安定的に統治しようとする徳治の考え方である。
正解!素晴らしいです
残念...
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