共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問14 (公共,倫理(第4問) 問5)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問14(公共,倫理(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

恋人に別れを告げられた生徒Jが、生徒Kと話している。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

J:恋人に振られてしまった。「一緒にいるのは無理」の一点張りで、理由を説明しようともしないんだ。
K:あなたみたいに、なんでも理詰めで考える人が、「無理」って言われたのかぁ。
J:そもそも、「無理」の「理」って何なの?理性、道理、義理…。「理」がつく言葉はたくさんある。でも、定義を一つに決めようとすると、よくわからない。
K:「理」って、a「情」と対比的に使われることも多いよね。近松門左衛門の作品は男女関係をめぐって義理と人情の葛藤を描いたとも言われるし。そう考えたらわかりやすいんじゃないかな。
J:でも、「義理堅い」って言葉なんかは、「人情に厚い」ことと同じようにも思えるし、「理」と「情」って、必ずしも対立するものではないと思うんだよ。
K:森鷗外の『舞姫』は、ドイツ留学中に好きになった女性と一緒になるか、立身出世を選ぶかで悩んだ人の話だったよね。この主人公は「理」と「情」と、どちらを優先したことになるのか、改めて考えてみると、確かに難しい。倫理の授業では、鷗外は、( ア )と考える( イ )の立場をとったって言ってたね。
J:「理」っていう言葉でb社会規範や秩序を思い浮かべる人もいるだろうなぁ。でも、人間のよりどころとなるc価値基準というイメージをもっている人もいるかも。その場合は、愛を貫き通すことこそが人間としての「理」だとも言えそう。
K:人によって、それに、時代によっても、それぞれの言葉でイメージすることが違っていそうだし、「理」と「情」って意外と複雑な関係にあるのかもね。

下線部cに関連して、次の資料を読み、その内容の説明として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料  坂口安吾『堕落論』より
戦争は終った。特攻隊の勇士はすでに闇屋(注)となり、未亡人はすでに新たな面影によって胸をふくらませているではないか。……
戦争に負けたから堕(お)ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄のごとくではあり得ない。
人間は可憐(かれん)であり脆弱(ぜいじゃく)であり、それゆえ愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。人間は結局……武士道をあみださずにはいられず、天皇を担ぎださずにはいられなくなるであろう。だが……自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすためには、人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。……堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
(注)闇屋:敗戦後の闇市で、非合法な商取引に従事していた人々
  • 日本人は、自分たちが堕ちきっていたからこそ戦争に負け、現在の混乱状況に至ってしまったことを反省し、これまでの価値基準や権威を全面的に見直すことで、新たな国家を作っていかなければならない。
  • 敗戦によって、日本人の精神を支えてきた価値基準や権威が否定され、人々は堕落した。いったん堕ちきった以上、堕落の底に永久にあり続ける心の強さを獲得しなければ、今後の世界を生きていくことはできない。
  • 価値基準や権威に頼りたがるのは、精神が堕落しているからである。私たちはそのことを自覚し、再び価値基準や権威を作ったり、それらに頼ったりすることのない、新しい時代にふさわしい生き方を模索すべきである。
  • 敗戦後、従来の価値基準や権威は崩壊したが、その状態にとどまれるほど人間は強くない。私たちは徹底的に堕ちきり、その堕ちきった自分を出発点に、新たな価値基準や権威を作り上げていかなければならない。

正解!素晴らしいです

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