共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問6 (公共,倫理(第3問) 問6)
問題文
場面1 ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。
場面2 放課後、生徒Gと生徒Hが話し合っている。
G:何を悪とみなすかが人によって違っても、理屈で説明すれば、誰もが納得できるルールができるんじゃないかな。
H:いやいや、理屈の部分での意見の違いと、d感情の部分での意見の違いとがあると思うよ。例えば、幼稚園で遊ぶ子どもの声が気になるって言う人がいるよね。
G:もうちょっと静かにできないのかな、って?
H:大きな声を出して遊ぶのは子どもにとってよいことだという意見に納得はしていても、どうしても自分には我慢できないという人の感情も理解できるんだ。理屈と感情のどっちが大事かという話ではなくて、どっちも大事だから、両方を満足させるルールを作るのは難しいと思う。
G:うーん。それでも、e人によって意見が違うときに、どの部分で一致・不一致が生じているのかを見定めることができれば、違いを見極めた上で、誰もがある程度は合意できる最低限のルールは作れるんじゃないかな。
H:仮にそうしてルールを作ることができたとしても、まだ考えるべきことがあるよ。ルールで禁じられていても、f自分の心の中を見つめると、とんでもなくひどいことをやってしまおうと思っているときがある。
G:確かに、ルールでは心の中までは、規制できないね。でも、心の中で思っているだけで行動に移していないのなら、それでいいんじゃないの。
H:そうかもしれない。だけど、別の問題もあるよ。
G:どんな問題?
H:誰もが自分の行為の結果を完全に把握できるわけではないよね。被害が出ているのに、それがわからないこともあるよ。
G:それはそのとおりだ。
下線部fに関連して、次の文ア~ウは、自己の内面をめぐる思想の説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア アウグスティヌスは、自らの外にではなく、自らの心の内に目を向けることによって、神と出会うことができるとし、神への愛に基づいて生きることの重要性を説いた。
イ モンテーニュは、自己反省の欠如による独断や不寛容が争いを引き起こすと考え、「私は何を知っているのか」と問い、既成の権威や教義にとらわれずに真理を探究し続ける姿勢を示した。
ウ カントは、行為が道徳的であるための条件として、目に見えない内面つまり動機を重視し、たとえ義務に基づくのではなくても、義務にかなっていれば道徳的に善いとした。
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問題
共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問6(公共,倫理(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
場面1 ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。
場面2 放課後、生徒Gと生徒Hが話し合っている。
G:何を悪とみなすかが人によって違っても、理屈で説明すれば、誰もが納得できるルールができるんじゃないかな。
H:いやいや、理屈の部分での意見の違いと、d感情の部分での意見の違いとがあると思うよ。例えば、幼稚園で遊ぶ子どもの声が気になるって言う人がいるよね。
G:もうちょっと静かにできないのかな、って?
H:大きな声を出して遊ぶのは子どもにとってよいことだという意見に納得はしていても、どうしても自分には我慢できないという人の感情も理解できるんだ。理屈と感情のどっちが大事かという話ではなくて、どっちも大事だから、両方を満足させるルールを作るのは難しいと思う。
G:うーん。それでも、e人によって意見が違うときに、どの部分で一致・不一致が生じているのかを見定めることができれば、違いを見極めた上で、誰もがある程度は合意できる最低限のルールは作れるんじゃないかな。
H:仮にそうしてルールを作ることができたとしても、まだ考えるべきことがあるよ。ルールで禁じられていても、f自分の心の中を見つめると、とんでもなくひどいことをやってしまおうと思っているときがある。
G:確かに、ルールでは心の中までは、規制できないね。でも、心の中で思っているだけで行動に移していないのなら、それでいいんじゃないの。
H:そうかもしれない。だけど、別の問題もあるよ。
G:どんな問題?
H:誰もが自分の行為の結果を完全に把握できるわけではないよね。被害が出ているのに、それがわからないこともあるよ。
G:それはそのとおりだ。
下線部fに関連して、次の文ア~ウは、自己の内面をめぐる思想の説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア アウグスティヌスは、自らの外にではなく、自らの心の内に目を向けることによって、神と出会うことができるとし、神への愛に基づいて生きることの重要性を説いた。
イ モンテーニュは、自己反省の欠如による独断や不寛容が争いを引き起こすと考え、「私は何を知っているのか」と問い、既成の権威や教義にとらわれずに真理を探究し続ける姿勢を示した。
ウ カントは、行為が道徳的であるための条件として、目に見えない内面つまり動機を重視し、たとえ義務に基づくのではなくても、義務にかなっていれば道徳的に善いとした。
- ア:正 イ:正 ウ:誤
- ア:正 イ:誤 ウ:正
- ア:正 イ:誤 ウ:誤
- ア:誤 イ:正 ウ:正
- ア:誤 イ:正 ウ:誤
- ア:誤 イ:誤 ウ:正
正解!素晴らしいです
残念...
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