共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問4 (公共,倫理(第3問) 問4)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問4(公共,倫理(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒G、生徒Hおよび先生Tは、各々全て同じ人物である。

場面1  ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。

場面2  放課後、生徒Gと生徒Hが話し合っている。
G:何を悪とみなすかが人によって違っても、理屈で説明すれば、誰もが納得できるルールができるんじゃないかな。
H:いやいや、理屈の部分での意見の違いと、d感情の部分での意見の違いとがあると思うよ。例えば、幼稚園で遊ぶ子どもの声が気になるって言う人がいるよね。
G:もうちょっと静かにできないのかな、って?
H:大きな声を出して遊ぶのは子どもにとってよいことだという意見に納得はしていても、どうしても自分には我慢できないという人の感情も理解できるんだ。理屈と感情のどっちが大事かという話ではなくて、どっちも大事だから、両方を満足させるルールを作るのは難しいと思う。
G:うーん。それでも、e人によって意見が違うときに、どの部分で一致・不一致が生じているのかを見定めることができれば、違いを見極めた上で、誰もがある程度は合意できる最低限のルールは作れるんじゃないかな。
H:仮にそうしてルールを作ることができたとしても、まだ考えるべきことがあるよ。ルールで禁じられていても、f自分の心の中を見つめると、とんでもなくひどいことをやってしまおうと思っているときがある。
G:確かに、ルールでは心の中までは、規制できないね。でも、心の中で思っているだけで行動に移していないのなら、それでいいんじゃないの。
H:そうかもしれない。だけど、別の問題もあるよ。
G:どんな問題?
H:誰もが自分の行為の結果を完全に把握できるわけではないよね。被害が出ているのに、それがわからないこともあるよ。
G:それはそのとおりだ。

下線部dに関連して、次の文ア~ウは、西洋思想における感情と道徳の関係についての説明であるが、それぞれ誰によるものか。その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

ア  同情や平等こそ善であるといった既成の道徳は、強者に対する恨みに基づくものであり、自らの生の肯定を困難にしている。
イ  理性は快・不快などの情念に対して支配的ではなく、善悪などの評価もまた、理性によって導かれるわけではない。
ウ  社会規範を内在化した人間は、罪責感などを通じて原始的な衝動を抑圧し、行動を制御している。
  • ア:ベルクソン  イ:ライプニッツ  ウ:フロイト
  • ア:ベルクソン  イ:ライプニッツ  ウ:ジェームズ
  • ア:ベルクソン  イ:ヒューム    ウ:フロイト
  • ア:ベルクソン  イ:ヒューム    ウ:ジェームズ
  • ア:ニーチェ   イ:ライプニッツ  ウ:フロイト
  • ア:ニーチェ   イ:ライプニッツ  ウ:ジェームズ
  • ア:ニーチェ   イ:ヒューム    ウ:フロイト
  • ア:ニーチェ   イ:ヒューム    ウ:ジェームズ

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この過去問の解説 (1件)

01

西洋思想における感情と道徳の関係について考えた思想家についての知識を問われている問題です。

 

ア:ニーチェ
これはドイツの哲学者、ニーチェの「奴隷道徳」についての説明です。
弱者から強者への恨みから作り上げられた同情や平等=「奴隷道徳」を、ニーチェは批判しています。

 

✕ベルクソン
ベルクソンは「生の根源」について述べたフランスの哲学者です。
感情と道徳の関係について考えた思想家ではありません。

 

イ:ヒューム
これはイギリスの哲学者、ヒュームの「理性は情念の奴隷である」についての説明です。
人間は情念に基づいて行動しますが、理性はその手段に過ぎないとヒュームは主張しています。

 

✕ライプニッツ
ドイツの哲学者、ライプニッツは、理性を重視する合理主義者です。

 

ウ:フロイト
これはオーストリアの心理学者、フロイトの「超自我」についての説明です。
親のしつけや教育、社会のルールから得た道徳心で、本能による衝動的な行動を抑えているとフロイトは述べています。

 

✕ジェームズ
ジェームズは、「笑うから楽しい」といった「ジェ=ムズ=ランゲ説」で知られるアメリカの哲学者です。

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