共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問3 (公共,倫理(第3問) 問3)
問題文
場面1 ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。
下線部cに関連して、次の資料と解説を読み、( ア )・( イ )に入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
資料 プラトン『クリトン』より
ソクラテス:不正を行うことは、すべての場合において、不正を行う者にとって害悪であり恥辱であるというのが、ぼくたちの意見だろうか、どうだろうか。
クリトン:それがぼくたちの考えだ。
ソクラテス:すると、どうあっても不正はなすべきではないのだね。
クリトン:ぜったいに、なすべきではない。
ソクラテス:すると、不正をされた場合でも、……不正をし返してはならないことになる。不正は、どうあってもなすべきでないのだから。
解説
この資料は、ポリスの市民から死刑判決を受けて牢獄にいるソクラテスと友人クリトンとの対話の一部である。クリトンは、ソクラテスに脱獄を勧めていた。ソクラテスが、不正に命を失うことになるからである。しかし、不正の害悪を資料のように考えると、( ア )ことの重要性を説いたソクラテスにとって、脱獄という不正は( イ )ことであった。
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問題
共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問3(公共,倫理(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
場面1 ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。
下線部cに関連して、次の資料と解説を読み、( ア )・( イ )に入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
資料 プラトン『クリトン』より
ソクラテス:不正を行うことは、すべての場合において、不正を行う者にとって害悪であり恥辱であるというのが、ぼくたちの意見だろうか、どうだろうか。
クリトン:それがぼくたちの考えだ。
ソクラテス:すると、どうあっても不正はなすべきではないのだね。
クリトン:ぜったいに、なすべきではない。
ソクラテス:すると、不正をされた場合でも、……不正をし返してはならないことになる。不正は、どうあってもなすべきでないのだから。
解説
この資料は、ポリスの市民から死刑判決を受けて牢獄にいるソクラテスと友人クリトンとの対話の一部である。クリトンは、ソクラテスに脱獄を勧めていた。ソクラテスが、不正に命を失うことになるからである。しかし、不正の害悪を資料のように考えると、( ア )ことの重要性を説いたソクラテスにとって、脱獄という不正は( イ )ことであった。
- ア:世俗を離れ、魂の平安を実現する イ:ポリスの秩序を害する
- ア:世俗を離れ、魂の平安を実現する イ:市民の魂を劣悪にする
- ア:世俗を離れ、魂の平安を実現する イ:自分の魂を劣悪にする
- ア:魂に配慮し、自他のあり方を吟味する イ:ポリスの秩序を害する
- ア:魂に配慮し、自他のあり方を吟味する イ:市民の魂を劣悪にする
- ア:魂に配慮し、自他のあり方を吟味する イ:自分の魂を劣悪にする
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