共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問19 (公共,倫理(第5問) 問5)
問題文
L:生命倫理という言葉がありますよね。インターネットで調べていたら、幹細胞研究や再生医療にかかわる国際幹細胞学会でも、研究者が守るべき5つの倫理原則が提案されているのを見つけました。
T:再生医療への応用など多くの可能性がある幹細胞研究ですが、ES細胞は受精卵から作られるため、生命の萌芽を壊しているおそれが指摘されています。
M:例えばヒトの場合、受精卵や胚はどのようにみられていますか。
T:ただの物でしかないと考える立場から、人として捉える立場まで捉え方は多様で、だからこそ議論になります。胚は成長して胎児になりますが、a 胎児が人の顔らしきものに注目することを示唆した知見があります。
L:他者に関心を示すというb 人間の特質を生まれる前からもっているんですね。面白い研究だなぁ。さっきの倫理原則の中には「研究の公正性」と「透明性」がありました。誠実かつオープンに研究が行われることが必要ということですね。
M:「患者・研究参加者の福祉の優位性」が強調されているのは、c 患者や研究参加者をリスクにさらすような研究に対する歴史的反省もありますか?
T:はい。ニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言など、過去の反省に立ったこれまでの議論があるので、さらに調べてみるといいかもしれません。「患者と研究対象者の尊重」のためにも、きちんとした説明と情報共有に基づく同意、すなわちd インフォームド・コンセントの取得が必要不可欠です。
L:「e 社会的・分配的正義」も強調されていますが、どういうことでしょうか。
T:臨床応用から得られた利益を公正に分配することに加えて、リスクが立場の弱い人に押し付けられないようにすることです。社会的・分配的正義は幹細胞の研究領域に限らず、科学技術の研究全般でますます強調されています。
(注)カギ括弧内は、国際幹細胞学会指針で言及されている倫理の基本原則の項目である。
下線部eに関して、幹細胞の医療応用について次の立場AとBがある。それぞれの立場に基づく意見の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
立場
A 研究開発のプロセスにおいて、新しい治療法の開発に伴う利益とリスクは、可能な限り広く分配されるべきである。
B より多くの患者を救うという利益のためには、研究開発を早く進展させるべきである。
意見
ア 幹細胞を用いた治療を患者に早く届けるためには、研究参加者の健康被害に対応する以外の制度設計は不要である。
イ 新たな技術がもたらす重大な危害を回避するため、幹細胞を用いた治療のリスクがゼロにならないうちは社会での利用を許容すべきではない。
ウ 途上国の少数民族など幹細胞を用いた治療を受ける可能性が低いグループでも、利用の機会が担保されるようにすべきである。
エ 幹細胞を用いた治療の利益とリスクの分配をめぐるルールは、各国で共通のものを策定する必要はない。
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問題
共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問19(公共,倫理(第5問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
L:生命倫理という言葉がありますよね。インターネットで調べていたら、幹細胞研究や再生医療にかかわる国際幹細胞学会でも、研究者が守るべき5つの倫理原則が提案されているのを見つけました。
T:再生医療への応用など多くの可能性がある幹細胞研究ですが、ES細胞は受精卵から作られるため、生命の萌芽を壊しているおそれが指摘されています。
M:例えばヒトの場合、受精卵や胚はどのようにみられていますか。
T:ただの物でしかないと考える立場から、人として捉える立場まで捉え方は多様で、だからこそ議論になります。胚は成長して胎児になりますが、a 胎児が人の顔らしきものに注目することを示唆した知見があります。
L:他者に関心を示すというb 人間の特質を生まれる前からもっているんですね。面白い研究だなぁ。さっきの倫理原則の中には「研究の公正性」と「透明性」がありました。誠実かつオープンに研究が行われることが必要ということですね。
M:「患者・研究参加者の福祉の優位性」が強調されているのは、c 患者や研究参加者をリスクにさらすような研究に対する歴史的反省もありますか?
T:はい。ニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言など、過去の反省に立ったこれまでの議論があるので、さらに調べてみるといいかもしれません。「患者と研究対象者の尊重」のためにも、きちんとした説明と情報共有に基づく同意、すなわちd インフォームド・コンセントの取得が必要不可欠です。
L:「e 社会的・分配的正義」も強調されていますが、どういうことでしょうか。
T:臨床応用から得られた利益を公正に分配することに加えて、リスクが立場の弱い人に押し付けられないようにすることです。社会的・分配的正義は幹細胞の研究領域に限らず、科学技術の研究全般でますます強調されています。
(注)カギ括弧内は、国際幹細胞学会指針で言及されている倫理の基本原則の項目である。
下線部eに関して、幹細胞の医療応用について次の立場AとBがある。それぞれの立場に基づく意見の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
立場
A 研究開発のプロセスにおいて、新しい治療法の開発に伴う利益とリスクは、可能な限り広く分配されるべきである。
B より多くの患者を救うという利益のためには、研究開発を早く進展させるべきである。
意見
ア 幹細胞を用いた治療を患者に早く届けるためには、研究参加者の健康被害に対応する以外の制度設計は不要である。
イ 新たな技術がもたらす重大な危害を回避するため、幹細胞を用いた治療のリスクがゼロにならないうちは社会での利用を許容すべきではない。
ウ 途上国の少数民族など幹細胞を用いた治療を受ける可能性が低いグループでも、利用の機会が担保されるようにすべきである。
エ 幹細胞を用いた治療の利益とリスクの分配をめぐるルールは、各国で共通のものを策定する必要はない。
- A — ア B — イ
- A — ア B — エ
- A — イ B — ア
- A — イ B — ウ
- A — ウ B — ア
- A — ウ B — エ
- A — エ B — イ
- A — エ B — ウ
正解!素晴らしいです
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