共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問18 (公共,倫理(第5問) 問4)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問18(公共,倫理(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

先端医療研究と倫理についての出張講義を聞いた生徒L、生徒Mおよび講師Tが会話をしている。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのL、MおよびTは、各々全て同じ人物である。

L:生命倫理という言葉がありますよね。インターネットで調べていたら、幹細胞研究や再生医療にかかわる国際幹細胞学会でも、研究者が守るべき5つの倫理原則が提案されているのを見つけました。
T:再生医療への応用など多くの可能性がある幹細胞研究ですが、ES細胞は受精卵から作られるため、生命の萌芽を壊しているおそれが指摘されています。
M:例えばヒトの場合、受精卵や胚はどのようにみられていますか。
T:ただの物でしかないと考える立場から、人として捉える立場まで捉え方は多様で、だからこそ議論になります。胚は成長して胎児になりますが、a 胎児が人の顔らしきものに注目することを示唆した知見があります。
L:他者に関心を示すというb 人間の特質を生まれる前からもっているんですね。面白い研究だなぁ。さっきの倫理原則の中には「研究の公正性」と「透明性」がありました。誠実かつオープンに研究が行われることが必要ということですね。
M:「患者・研究参加者の福祉の優位性」が強調されているのは、c 患者や研究参加者をリスクにさらすような研究に対する歴史的反省もありますか?
T:はい。ニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言など、過去の反省に立ったこれまでの議論があるので、さらに調べてみるといいかもしれません。「患者と研究対象者の尊重」のためにも、きちんとした説明と情報共有に基づく同意、すなわちd インフォームド・コンセントの取得が必要不可欠です。
L:「e 社会的・分配的正義」も強調されていますが、どういうことでしょうか。
T:臨床応用から得られた利益を公正に分配することに加えて、リスクが立場の弱い人に押し付けられないようにすることです。社会的・分配的正義は幹細胞の研究領域に限らず、科学技術の研究全般でますます強調されています。
(注)カギ括弧内は、国際幹細胞学会指針で言及されている倫理の基本原則の項目である。

下線部dに関して、生徒Lと生徒Mはインフォームド・コンセントについて調べ、講師Tと会話をしている。次の会話文を読み、研究に使用する試料提供の同意に関する記述として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

T:今の科学研究では、細胞や遺伝情報など研究で使用する試料を提供してもらう際には、インフォームド・コンセントが必須です。そのために、研究者側は、研究の目的や内容をきちんと説明する必要があります。その上で研究参加者の自発的意思に基づいた同意がないと、倫理委員会の承認を受けていたとしても研究で試料は使ってはいけません。
L:同意の撤回も随時できることが保証されているんですよね。自律的な意思決定ができない場合はどうなりますか?例えば、乳幼児とか。
M:その場合は、保護者が代わりに研究への参加を承諾することが一般的らしい。また、子どもにもなるべく理解できるように、わかりやすく丁寧に説明することが増えているんですね。
T:そのとおりです。また、新しい研究をする際には、倫理委員会できちんと倫理審査を受け承認を得ることが重要です。倫理審査とは、研究活動に倫理的な問題がないかなどを事前に専門家が検討することです。
  • 提供された試料について、最初にあらゆる研究利用への同意を取得したが、同意撤回の申し入れがあったので、以降の研究利用を停止した。
  • 未成年協力者の試料を対象とする研究のため、わかりやすい説明を行ったうえで、その保護者から代理で同意を取得した。
  • 新しい研究計画が、以前の内容を踏襲したものであったことから、倫理委員会での審査は不要であると判断し、実験を実施した。
  • ある疾患の治療研究について試料の使用に同意を得ていたが、別の手法を試すために、再度倫理委員会の承認を受けてから試料を使用した。

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