共通テスト(公民) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問1 (公共,倫理(第3問) 問1)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問1(公共,倫理(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒G、生徒Hおよび先生Tは、各々全て同じ人物である。

場面1  ある日の授業の終わりに、先生Tが悪について取り上げた。
T:今日の授業のテーマは善でしたが、最後にちょっと悪についても考えてみましょうか。「悪」が付く言葉にはいろいろありますね。例を挙げてもらえますか。
G:a「悪人」などがすぐに思い付きますが、「悪天候」のように、自然現象に関しても言いますね。
T:そうですね。これについてHさんはどう思いますか。
H:「悪人」の「悪」は道徳的な悪ですが、「悪天候」は自然現象なので道徳とは関係ないと思います。
T:そのとおりですね。しかし、両者は、多くの場合、人に害をもたらすという意味では共通しています。Gさんは両者の違いについて、どう思いますか。
G:道徳的悪については、b法律やルールで悪い行為を規制すれば被害をなくすことができると思います。でも、自然現象それ自体をルールで禁止することなんてできません。
T:面白い論点が出ましたね。
H:確かに。それでも、全ての道徳的悪にルールで対応できるのか疑問が残ります。さらに、c何を悪とみなすかは人によって異なるから、ルールを作っても、何に適用するのか意見が一致しないんじゃないでしょうか。
T:なるほど。次回の授業ではみなさんの意見を聞きますので、道徳的悪にルールで対応できるか、各自で考えておいてください。

下線部aに関連して、善悪と人間の関係をめぐる思想についての説明として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • 荀子は、人間本来の性は悪であるが、聖人たる君主の定めた規範を習得することによって、その傾向は矯正され得ると考えた。
  • エラスムスは、人間は原罪を負った存在であり、自らの自由意志によっては善を志すことができないと考えた。
  • マキァヴェリは、君主は暴力という悪を用いず、慈愛の力によって民衆の支持を得て、統治権を獲得しなければならないと考えた。
  • 王陽明は、人間は善悪を判断する先天的な能力によって、心の中から感情や欲望を除去すべきだと考えた。

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この過去問の解説 (1件)

01

善悪と人間の関係をめぐる思想についての知識を問われている問題です。

選択肢1. 荀子は、人間本来の性は悪であるが、聖人たる君主の定めた規範を習得することによって、その傾向は矯正され得ると考えた。

○
荀子は、古代中国の儒学者です。
「人間の本性は悪である」という「性悪説」を唱え、礼と学びによる人間形成の重要性を説きました。

選択肢2. エラスムスは、人間は原罪を負った存在であり、自らの自由意志によっては善を志すことができないと考えた。

✕
これはドイツの宗教改革者、ルターについての説明です。

エラスムスは、ルネサンス期のオランダの人文学者です。

人間の救いは信仰義認(神への信仰)のみによるといったルターに対し、

エラムレスは人間には自由意志があり、善を選びうると主張しました。

選択肢3. マキァヴェリは、君主は暴力という悪を用いず、慈愛の力によって民衆の支持を得て、統治権を獲得しなければならないと考えた。

✕
マキァヴェリは、16世紀ルネサンス期のイタリアの政治思想家です。
著書「君主論」で、君主は慈愛の力よりも暴力という悪を用いて統治権を獲得すべきだと述べました。

選択肢4. 王陽明は、人間は善悪を判断する先天的な能力によって、心の中から感情や欲望を除去すべきだと考えた。

✕
王陽明は、陽明学を提唱した中国の儒学者です。
人間は善悪を判断する先天的な能力(良知)によって、それを最大限に発揮するべきだ(致良知)と考えました。

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