大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問30 (公共,政治・経済(第1問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問30(公共,政治・経済(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の生徒Aと生徒Bの会話文を読み、後の問いに答えよ。

A:新型コロナウイルス感染症のまん延は、ワクチン接種や副反応、重篤な患者の受入れなど、様々な問題をもたらしたね。医学的な観点からだけではなく、倫理的、法的、社会的な観点からの多面的な検討を要する課題もあった。
B:人工呼吸器を緊急に要する患者が多く運び込まれてきた場合に、限られた呼吸器を誰から先に装着するか、というトリアージの問題があるね。
A:功利主義の立場では、医療措置を加えれば助かる見込みが出てくる人を優先することで、( ア )の救命を目指すやり方が考えられる。
B:装着順を決めざるを得ないときに備えて、基準を定めておく必要はあるから、功利主義の発想は捨てきれないね。うーん、これって、「公共の福祉」という考え方と同じなのだろうか。
A:憲法上の「公共の福祉」は、社会全体の幸福を目的とする功利主義と直結するとは必ずしも言えないかも。それに、各人が平等にもつ(a)人権や( イ )を何よりも尊重しようという義務論の立場からすると、救命に優先順位をつけるのは難しいと感じられるかな。
B:よりよい社会の実現のためには、すぐに答えの出ない問題について、皆で考えていくのが大事だね。(b)地域社会のルール(c)私人どうしのルールも、社会の進展に伴って生じる課題に対応するために形成されてきたんだろうね。

下線部(c)に関して、生徒Aと生徒Bが、先生Tと契約の原則や契約の解除に関する法律上のルールについて学んでいる。次の会話文中の下線部(d)と下線部(e)の発言内容の正誤の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

A:近いうちに買おうと思っている自転車があります。(d)契約が成立すると、原則として、契約を一方的にやめることはできないんですよね。だとすれば、あるお店でいったん自転車を買った後で、同じ型の自転車をもっと安い値段で売っているお店を見つけた場合、そちらのお店で自転車を買い直したくても、もとのお店に自転車を返品して返金してもらうことはできない、ということになりますか?
T:お店側の好意で返品に応じてくれることはあるかもしれませんが、いったん契約が成立した後で、契約を取り消したり解除したりするためには、法律に規定されている取消しや解除の要件を満たす必要がありますね。
B:私は、エステティックサロンに通いたいと思っています。何か特別な法律上のルールがありますか?
T:事業者がエステサービスを一定の期間にわたり提供し、利用者が一定の料金を支払うことを約束する契約で、その期間が1か月を超え、かつ、総額が5万円を超えるものは、特定商取引法が定めるクーリング・オフ制度の対象になります。
B:たしか(e)クーリング・オフは、一定の期間内であれば、事業者の同意を条件に契約を解除することができるという仕組みですね。いずれにせよ、契約を結ぶときには、契約内容をしっかり確認して、熟慮することが大事ですね。
  • d ― 正  e ― 正
  • d ― 正  e ― 誤
  • d ― 誤  e ― 正
  • d ― 誤  e ― 誤

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