大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問26 (公共,倫理(第6問) 問5)
問題文
J:この食堂は、(a)多様な文化を背景にもつ学生の要望に応えるために、以前にはなかったメニューをそろえているね。Kさん、Lさんのような留学生の目から見て、新しい食堂はどうですか?
K:私の生まれた国では、宗教的な理由で、ある種の動物の肉は食べてはいけないのです。なので、今度の食堂は、いろいろな選択肢があって助かります。
L:私は仏教学を学びに日本に来たのだけど、ある宗派の考え方にすっかり共鳴して、自宅では精進料理を作っています。今度の食堂は、私も嬉しい。
J:そうなんですね。お二人にとって、その食習慣はとても大切なんですね。
K:私は何年も日本に住んでいて、日本の習慣が身についてきているので、逆に、親の生まれ育った国の伝統をしっかりそのまま受け継ぎたいです。
L:私は、自分の親の宗教ではなく、今修行している宗派を信じたいし、その伝統に合わせた食事がしたいのです。でもKさんは、なぜ親の伝統を受け継がないといけないと思うのですか?
K:それは、(b)自分が自分であるためにです。
L:私としては、自分が選んだ宗派の教えを通して、自分のアイデンティティを作りたいです。(c)外国人には日本の文化はわかるはずないよと、日本人に言われることもあるけど、その考え方には傷つくし、とても納得できません。
J:それはひどい話ですね。一方で、自分の文化を継承させることを当然と思って、(d)子どもに伝統を受け継ぐかどうかの選択をさせない親もいますよね。
K:確かに!私の知り合いのなかに、文化的な理由から、自分の子どもを日本の学校に行かせたくないと考えている親もいます。
L:どういう学校に行きたいか、その子自身が選ばなくていいのでしょうかね?
J:そういえば、Kさんの弟さんは日本の公立中学校に通っているんですよね。(e)給食で苦労してないのですか?
K:お弁当を持ってきてよいと言われていて、弟はそんなに苦労はしていないけど、気にしている人もいるかもしれない。
下線部(e)に関連して、大学生Kの弟である中学生Mは、学校の授業で、「あらゆる文化の生徒が食べられる給食を決めるには、どうすればいい?」というテーマでディスカッションすることになった。Mは、班で考えた次の解決策について、Kにアドバイスを求めた。後の会話文中の空欄( ア )・( イ )に入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
解決策
最初から食べられるものが限られている生徒に聞き取りをする。それを踏まえて、全ての生徒が食べられるものを洗い出して、そこから複数のメニューの選択肢を作る。その後、生徒全員が投票する。その結果、一番多くの票を取ったメニューを採用する。同じ票数で一位のメニューが複数ある場合は、抽選で採用されるメニューを一つに決定する。
K:よくできていると思うけど、この方法だと、( ア )場合に、メニューを決めること自体ができなくなるよ。
M:言われてみたら確かにそうだ。これだったらみんなが納得できると思ったんだけどな。
K:いやいや、この方法が、一部の生徒の( イ )を無視することになって、不満を持つ生徒が現れるかもしれないよ。
M:なるほど...。こんなことで解決策がわかった気になっていたなんて、考えが浅かったのかな。
K:ま、元気出しなって。難しい問題だからこそ、みんなで議論しないといけないんだよ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問26(公共,倫理(第6問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
J:この食堂は、(a)多様な文化を背景にもつ学生の要望に応えるために、以前にはなかったメニューをそろえているね。Kさん、Lさんのような留学生の目から見て、新しい食堂はどうですか?
K:私の生まれた国では、宗教的な理由で、ある種の動物の肉は食べてはいけないのです。なので、今度の食堂は、いろいろな選択肢があって助かります。
L:私は仏教学を学びに日本に来たのだけど、ある宗派の考え方にすっかり共鳴して、自宅では精進料理を作っています。今度の食堂は、私も嬉しい。
J:そうなんですね。お二人にとって、その食習慣はとても大切なんですね。
K:私は何年も日本に住んでいて、日本の習慣が身についてきているので、逆に、親の生まれ育った国の伝統をしっかりそのまま受け継ぎたいです。
L:私は、自分の親の宗教ではなく、今修行している宗派を信じたいし、その伝統に合わせた食事がしたいのです。でもKさんは、なぜ親の伝統を受け継がないといけないと思うのですか?
K:それは、(b)自分が自分であるためにです。
L:私としては、自分が選んだ宗派の教えを通して、自分のアイデンティティを作りたいです。(c)外国人には日本の文化はわかるはずないよと、日本人に言われることもあるけど、その考え方には傷つくし、とても納得できません。
J:それはひどい話ですね。一方で、自分の文化を継承させることを当然と思って、(d)子どもに伝統を受け継ぐかどうかの選択をさせない親もいますよね。
K:確かに!私の知り合いのなかに、文化的な理由から、自分の子どもを日本の学校に行かせたくないと考えている親もいます。
L:どういう学校に行きたいか、その子自身が選ばなくていいのでしょうかね?
J:そういえば、Kさんの弟さんは日本の公立中学校に通っているんですよね。(e)給食で苦労してないのですか?
K:お弁当を持ってきてよいと言われていて、弟はそんなに苦労はしていないけど、気にしている人もいるかもしれない。
下線部(e)に関連して、大学生Kの弟である中学生Mは、学校の授業で、「あらゆる文化の生徒が食べられる給食を決めるには、どうすればいい?」というテーマでディスカッションすることになった。Mは、班で考えた次の解決策について、Kにアドバイスを求めた。後の会話文中の空欄( ア )・( イ )に入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
解決策
最初から食べられるものが限られている生徒に聞き取りをする。それを踏まえて、全ての生徒が食べられるものを洗い出して、そこから複数のメニューの選択肢を作る。その後、生徒全員が投票する。その結果、一番多くの票を取ったメニューを採用する。同じ票数で一位のメニューが複数ある場合は、抽選で採用されるメニューを一つに決定する。
K:よくできていると思うけど、この方法だと、( ア )場合に、メニューを決めること自体ができなくなるよ。
M:言われてみたら確かにそうだ。これだったらみんなが納得できると思ったんだけどな。
K:いやいや、この方法が、一部の生徒の( イ )を無視することになって、不満を持つ生徒が現れるかもしれないよ。
M:なるほど...。こんなことで解決策がわかった気になっていたなんて、考えが浅かったのかな。
K:ま、元気出しなって。難しい問題だからこそ、みんなで議論しないといけないんだよ。
- ア ― 生徒の票がばらばらに分かれてしまった イ ― 食べたいもの
- ア ― 生徒の票がばらばらに分かれてしまった イ ― 食べられないもの
- ア ― 生徒の食べられるものが重なり合わなかった イ ― 食べたいもの
- ア ― 生徒の食べられるものが重なり合わなかった イ ― 食べられないもの
正解!素晴らしいです
残念...
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