大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問25 (公共,倫理(第6問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問25(公共,倫理(第6問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

3人の大学生J~Lが新しくできた学生食堂で話し合っている。次の会話を読み、後の問いに答えよ。

J:この食堂は、(a)多様な文化を背景にもつ学生の要望に応えるために、以前にはなかったメニューをそろえているね。Kさん、Lさんのような留学生の目から見て、新しい食堂はどうですか?
K:私の生まれた国では、宗教的な理由で、ある種の動物の肉は食べてはいけないのです。なので、今度の食堂は、いろいろな選択肢があって助かります。
L:私は仏教学を学びに日本に来たのだけど、ある宗派の考え方にすっかり共鳴して、自宅では精進料理を作っています。今度の食堂は、私も嬉しい。
J:そうなんですね。お二人にとって、その食習慣はとても大切なんですね。
K:私は何年も日本に住んでいて、日本の習慣が身についてきているので、逆に、親の生まれ育った国の伝統をしっかりそのまま受け継ぎたいです。
L:私は、自分の親の宗教ではなく、今修行している宗派を信じたいし、その伝統に合わせた食事がしたいのです。でもKさんは、なぜ親の伝統を受け継がないといけないと思うのですか?
K:それは、(b)自分が自分であるためにです。
L:私としては、自分が選んだ宗派の教えを通して、自分のアイデンティティを作りたいです。(c)外国人には日本の文化はわかるはずないよと、日本人に言われることもあるけど、その考え方には傷つくし、とても納得できません。
J:それはひどい話ですね。一方で、自分の文化を継承させることを当然と思って、(d)子どもに伝統を受け継ぐかどうかの選択をさせない親もいますよね。
K:確かに!私の知り合いのなかに、文化的な理由から、自分の子どもを日本の学校に行かせたくないと考えている親もいます。
L:どういう学校に行きたいか、その子自身が選ばなくていいのでしょうかね?
J:そういえば、Kさんの弟さんは日本の公立中学校に通っているんですよね。(e)給食で苦労してないのですか
K:お弁当を持ってきてよいと言われていて、弟はそんなに苦労はしていないけど、気にしている人もいるかもしれない。

下線部(d)に関連して、親が、一定の宗教的・文化的理由で、自分の子どもを一般の小中学校に通わせず、自分たちなりの教育を受けさせる権利については様々な議論がある。次の資料の立場A・立場Bは、こうした親の要求をどう受け止めるかについての代表的な二つの立場である。しかし、どちらの立場に対しても、それぞれ反論が存在する。後の文章ア~ウは、それぞれどちらかの立場に対する反論である。資料の立場A・立場Bと、それぞれの立場に対する反論の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料
立場A  親の要求を認める立場
たとえ、ある家族が宗教的・文化的に他の立場に対して、排他的だったり不寛容であったりしても、社会に著しい害が及ばない限り、教育においても、家族のもつ価値観とマイノリティ集団の文化的アイデンティティを尊重すべきである。

立場B  親の要求を認めない立場
子どもは、親や家族のみに帰属するものではなく、民主主義社会にも帰属していくべき将来の一人の市民である。そのため、教育を通して多様な文化に触れさせ、寛容さを養うとともに、自分で宗教や文化を選択できる自律的な個人に育てるべきである。

ア  この立場は一見中立的に見えるが、実は、個人を重んじること自体が西洋的な近代文化の産物であり、それを一様に押し付けることは、むしろ宗教的・文化的に不寛容な態度に陥ってしまう。
イ  この立場を強いれば、マジョリティの価値観が押し付けられ、マイノリティ集団を離脱する人々が増えてしまう。それにより、様々な伝統的な共同体を崩壊させ、最終的に社会全体における多様性が減じてしまう。
ウ  この立場の政策を進めれば、マイノリティ集団がマジョリティから離れていくだけでなく、マイノリティ集団が相互に無関心ないし排他的になり、全体として公的社会のまとまりを形成できなくなる。
  • 立場A ― ア  立場B ― イとウ
  • 立場A ― アとイ  立場B ― ウ
  • 立場A ― アとウ  立場B ― イ
  • 立場A ― イ  立場B ― アとウ
  • 立場A ― イとウ  立場B ― ア
  • 立場A ― ウ  立場B ― アとイ

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この過去問の解説 (1件)

01

端的にいうと、立場Aはマイノリティ(少数派)の文化を認める社会が大事だと訴えています。

立場Bは個人を尊重する社会が大事だと訴えています。

立場Aに対しては、ウの考え方が反対意見だといえます。

少数派の文化ばかりが乱立すれば、社会はまとまりがなくなるという趣旨ですね。

立場Bに対する反対意見はアとイといえます。

個人を重んじるというのはまさに西洋近代主義的な考え方でアのような批判が成立します。

イの主張は立場Bに対する反論としてはやや極端ですが、マイノリティ文化が廃れる可能性があるという意味では、立場Aよりはむしろ、立場Bに対して反対しているといえなくもないです。

選択肢1. 立場A ― ア  立場B ― イとウ

不適当です。

選択肢2. 立場A ― アとイ  立場B ― ウ

不適当です。

選択肢3. 立場A ― アとウ  立場B ― イ

不適当です。

選択肢4. 立場A ― イ  立場B ― アとウ

不適当です。

選択肢5. 立場A ― イとウ  立場B ― ア

不適当です。

選択肢6. 立場A ― ウ  立場B ― アとイ

正答です。

まとめ

正答の中にも少し迷わせる選択肢を交えてあり、難問もしくは悪問よりの設問だったのではないでしょうか。

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