大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問5 (公共,倫理(第3問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問5(公共,倫理(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の場面2の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒AとBは、各々前問と全て同じ人物である。

場面2  数日後、生徒Aと生徒Bが帰り道で一緒になり、次の会話をしている。

A:バスでお年寄りを見かけたので席を譲ったら、逆にその人ににらまれた。よいことをしたはずなのに、感謝されるわけでもなく、報われないんだなってつくづく思ったよ。
B:感謝されるためにではなく、よかれと思って譲ったんでしょう?
A:そうだけど...。譲り方がスマートではなかったのかな。でも、やっぱり釈然としない。(d)よいことをすると幸せになれるっていうのは、間違いだったのかな...。善人が報われるべきだと思うけれど、実際にはそんなこともないでしょう。
B:気持ちはわからないでもないけどね。けれど、(e)幸せになれるかどうかと、よいことをするかどうかは、全く別のことではないかな。自分の気が済むように行動すれば、それで十分だと思うけど。
A:そもそも、よいことをしようと思うのはなぜなのだろう。人の目を気にして、というのなら、必ずしも道徳的な行いとは言えないと思う。でも、幸福になることと無関係というわけでもなさそうだし...。
B:「幸せになる手段としてよいことをしよう」とは考えない点で、私たちの意見は一致しているかな?
A:うーん...。結果のことをあまり考えずに、こうすべきだって思うときはあるよ。でも同時に、よいことをしたらいつかきっと報われるべきだって気がしている。

下線部(e)に関連して、次の資料は道徳と幸福の関係についてカントが述べたものである。資料中の空欄( a )~( c )に入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料
幸福を追い求めるという原理は、なるほど確かに( a )を与えることはできるが、しかし仮に全ての人にとっての幸福が目的とされる場合であったとしても、意志の法則に役立つようなものを与えることはできない。なぜなら、幸福についての認識は、全く経験的データに基づくし、また幸福に関する各人の判断は甚だしく各人の見方に依存し、その上この見方すら大いに変化するから、概括的な規則を与えることはできるが、決して( b )を与えることはできないからである。言いかえれば、( c )を与えることはできるが、いつも変わらずに必然的に妥当しなければならないような規則は与えることができない。
カント『実践理性批判』より
  • a:道徳法則  b:経験的規則  c:科学的規則
  • a:道徳法則  b:経験的規則  c:しばしば的中する規則
  • a:道徳法則  b:普遍的規則  c:しばしば的中する規則
  • a:格率(行動方針)  b:経験的規則  c:科学的規則
  • a:格率(行動方針)  b:普遍的規則  c:しばしば的中する規則
  • a:格率(行動方針)  b:普遍的規則  c:科学的規則

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この過去問の解説 (1件)

01

カントは、近代哲学の基礎を築いたドイツの哲学者です。
 

a:格率(行動方針)  

格率(行動方針)とは、個人の行動方針のことです。

道徳法則とは、必ず守らなければならない義務のことです。


幸福を追い求めるという原理は、格率(行動方針)を与えることはできますが、

意志の法則(道徳法則)に役立つようなものを与えることはできません。

 


b:普遍的規則  
普遍的規則とは、誰にでも適用できる法則のことです。
経験的規則とは、経験から導き出される法則のことです。

 

幸福についての認識は、概括的な規則や経験的規則を与えることはできますが、

普遍的規則を与えることはできません。

 

 

c:しばしば的中する規則
幸福についての認識は、しばしば的中する規則を与えることはできますが、

科学的規則のようにいつも変わらずに必然的に妥当しなければならないような規則は与えることができません。

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