大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問51 (公共,政治・経済(第5問) 問6)
問題文
X:今日の授業では日本における労働や賃金格差の問題について学習したけれど、こういった問題が生じているのは日本だけではなさそうだね。諸外国における労働問題や(a)さまざまな格差と貧困の問題についても知りたいな。
Y:私も(b)日本以外の国の労働問題について調べてみたいと思ったんだ。(c)労働環境と福祉政策との関係についても気になるところだよ。
Z:そうだね。さらにいえば、(d)労働法や労働組合など、働いている人を守る仕組みは国によってどのように違うのかな。
X:私は(e)労働組合の組織率が労働時間や労働生産性とどのように関係しているのかについても、国際比較をしてみたいな。
Y:それでは、労働問題を中心に、本を読んだりデータを集めたりして国際比較をしていく中で、(f)日本における労働や雇用の特徴についてもさらに考えていこうか。
下線部(f)に関連して、日本における雇用の特徴に関心をもった生徒X、生徒Y、生徒Zは、いろいろな本を読み、本の内容とこれまでの学習から考察できることについて話し合っている。次の会話文中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる記述と空欄( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
X:最近読んだ本に、日本における雇用を他国と比較した際の特徴として、職務が特定されていない労働契約がしばしばみられることがあげられていたよ。
Y:私が読んだ本でも、日本の雇用では、職務が特定されていない労働契約に基づいて使用者がさまざまな職務を労働者に担当させていることが特徴的だと指摘されていたね。
X:そのような雇用形態の場合、担当している職務が廃止されても、ほかの職務を担当できる場合には、使用者がその労働者を解雇することに制約があるという側面も述べられていたよ。これが終身雇用の慣行につながっているといえそうだね。
Z:ということは、そのような雇用形態では、( ア )が重要な要素となっていると推察できるね。
X:さらに、同じ人がさまざまな職務を担当する可能性の高い終身雇用の下では、( イ )が難しいので年功序列型賃金がみられるようになったと推察できるね。
Y:一方で、職務を特定した採用を増やそうとする動きもみられるよ。
Z:労働生産性を高めて経済成長につなげようとするねらいが背景にあるのかな。
X:そうすると、今後、日本では、雇用形態に変化が生じる可能性があるね。
Y:そうした変化の中で、今後、職務に適合した労働者を雇用する傾向が強まると、労働者にとって( ウ )の労働組合の必要性が高まるといえるんじゃないかな。
Z:雇用のあり方のそうした変化を見通した上で、過労死やサービス残業、賃金格差の拡大といった問題について、考えていく必要があるね。
( ア )に当てはまる記述
a 労働者が単一の職務の専門的技能を身につけていること
b 労働者が特定の企業の一員であること
( イ )に当てはまる記述
c 職務の専門的技能の高低や職務の必要度の高低に応じて賃金を定めること
d 入社後の期間や年齢といった客観的な基準に応じて賃金を定めること
( ウ )に当てはまる語句
e 企業別
f 産業別や職業別
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問51(公共,政治・経済(第5問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
X:今日の授業では日本における労働や賃金格差の問題について学習したけれど、こういった問題が生じているのは日本だけではなさそうだね。諸外国における労働問題や(a)さまざまな格差と貧困の問題についても知りたいな。
Y:私も(b)日本以外の国の労働問題について調べてみたいと思ったんだ。(c)労働環境と福祉政策との関係についても気になるところだよ。
Z:そうだね。さらにいえば、(d)労働法や労働組合など、働いている人を守る仕組みは国によってどのように違うのかな。
X:私は(e)労働組合の組織率が労働時間や労働生産性とどのように関係しているのかについても、国際比較をしてみたいな。
Y:それでは、労働問題を中心に、本を読んだりデータを集めたりして国際比較をしていく中で、(f)日本における労働や雇用の特徴についてもさらに考えていこうか。
下線部(f)に関連して、日本における雇用の特徴に関心をもった生徒X、生徒Y、生徒Zは、いろいろな本を読み、本の内容とこれまでの学習から考察できることについて話し合っている。次の会話文中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる記述と空欄( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
X:最近読んだ本に、日本における雇用を他国と比較した際の特徴として、職務が特定されていない労働契約がしばしばみられることがあげられていたよ。
Y:私が読んだ本でも、日本の雇用では、職務が特定されていない労働契約に基づいて使用者がさまざまな職務を労働者に担当させていることが特徴的だと指摘されていたね。
X:そのような雇用形態の場合、担当している職務が廃止されても、ほかの職務を担当できる場合には、使用者がその労働者を解雇することに制約があるという側面も述べられていたよ。これが終身雇用の慣行につながっているといえそうだね。
Z:ということは、そのような雇用形態では、( ア )が重要な要素となっていると推察できるね。
X:さらに、同じ人がさまざまな職務を担当する可能性の高い終身雇用の下では、( イ )が難しいので年功序列型賃金がみられるようになったと推察できるね。
Y:一方で、職務を特定した採用を増やそうとする動きもみられるよ。
Z:労働生産性を高めて経済成長につなげようとするねらいが背景にあるのかな。
X:そうすると、今後、日本では、雇用形態に変化が生じる可能性があるね。
Y:そうした変化の中で、今後、職務に適合した労働者を雇用する傾向が強まると、労働者にとって( ウ )の労働組合の必要性が高まるといえるんじゃないかな。
Z:雇用のあり方のそうした変化を見通した上で、過労死やサービス残業、賃金格差の拡大といった問題について、考えていく必要があるね。
( ア )に当てはまる記述
a 労働者が単一の職務の専門的技能を身につけていること
b 労働者が特定の企業の一員であること
( イ )に当てはまる記述
c 職務の専門的技能の高低や職務の必要度の高低に応じて賃金を定めること
d 入社後の期間や年齢といった客観的な基準に応じて賃金を定めること
( ウ )に当てはまる語句
e 企業別
f 産業別や職業別
- ア ― a イ ― c ウ ― e
- ア ― a イ ― c ウ ― f
- ア ― a イ ― d ウ ― e
- ア ― a イ ― d ウ ― f
- ア ― b イ ― c ウ ― e
- ア ― b イ ― c ウ ― f
- ア ― b イ ― d ウ ― e
- ア ― b イ ― d ウ ― f
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この過去問の解説 (2件)
01
会話文と記述、語句をよく見比べれば解ける問題です。
落ち着いて答えましょう。
ア ― b
「職務が特定されていない労働契約」
という日本における雇用の特徴を話しているので、aは不適当です。
bが重要な要素となっていると推察できます。
イ ― c
同じ人がさまざまな職務を担当する可能性の高い終身雇用の下では、
cのように賃金を定めることが難しいと考えられます。
よって、dのような年功序列型賃金がみられるようになったと推察できます。
ウ ― f
現在はe企業別の労働組合が主流ですが、
今後、職務に適合した労働者を雇用する傾向が強まると、
労働者にとってf産業別や職業別の労働組合の必要性が高まるといえます。
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02
日本における雇用の特徴に関する会話文から考えられる文章を回答する問題です。
ア:b
「日本の雇用では、職務が特定されていない労働契約に基づいて使用者がさまざまな職務を労働者に担当させていることが特徴的だ」
「担当している職務が廃止されても、ほかの職務を担当」
という要素から終身雇用の下では「単一の職務の専門的技能」を習得しているよりも、「特定の企業の一員であること」のほうが大切になってきます。
よって、bが入ります。
イ:c
終身雇用の下で「年功序列型賃金がみられるようになった」理由として適切なものを考えます。
こうした雇用形態の下では、使用者がさまざまな職務を労働者に担当させているため、「職務の専門的技能の高低や職務の必要度の高低に応じて賃金を定めること」が困難です。
よって、cが入ります。
dは全く逆の記述になります。
そうした雇用形態の下では、dのように「入社後の期間や年齢といった客観的な基準に応じて賃金を定めること」しかできないのです。
ウ:f
ここで話題になるのは職務を特定した雇用形態です。
この場合は先程の終身雇用とは対照的な特徴が現れます。
「労働者が単一の職務の専門的技能を身につけていること」が大切になり、「職務の専門的技能の高低や職務の必要度の高低に応じて賃金を定めること」になります。
そこでは特定の職種・業務が重視されるため、必然的にある企業内のつながりよりも同一業種間の連携のほうが大切になってきます。
よって、fの「産業別や職業別」の労働組合の必要性が高まります。
以上より、
ア―b イ―c ウ―f
が解答です。
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