共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問52 (公共,政治・経済(第6問) 問1)
問題文
生徒Xは、探究を始めるにあたり、下線部(a)の形態について授業ノートを見直して、その内容を次のメモにまとめた。メモ中の空欄( ア )~( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
企業の形態の典型例に株式会社がある。株式会社の所有者は( ア )であり、その最高意思決定機関は( ア )によって構成される。一方で株式会社では、( イ )が進行しており、会社の行為が( ア )の利益と一致しないこともありうる。そして会社の下した判断に対して、( ア )がその判断が正しいかを評価するための十分な情報をもっていないこともある。このような状況は、会社が所有者にとって望ましい意思決定を下しているのかの判断が困難になってしまうことを意味している。
一般に、企業の意思決定の透明性を高め、不正を防ぎ、( ア )の利益を損なわないようにコーポレート・ガバナンスの強化が必要とされている。そのため、たとえば、ディスクロージャー(情報開示)や( ウ )が進められている。ただ、企業の不祥事が引き続き発生していることからもわかるように、コーポレート・ガバナンスの強化には持続的な取組みが必要であろう。
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問題
共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問52(公共,政治・経済(第6問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
生徒Xは、探究を始めるにあたり、下線部(a)の形態について授業ノートを見直して、その内容を次のメモにまとめた。メモ中の空欄( ア )~( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
企業の形態の典型例に株式会社がある。株式会社の所有者は( ア )であり、その最高意思決定機関は( ア )によって構成される。一方で株式会社では、( イ )が進行しており、会社の行為が( ア )の利益と一致しないこともありうる。そして会社の下した判断に対して、( ア )がその判断が正しいかを評価するための十分な情報をもっていないこともある。このような状況は、会社が所有者にとって望ましい意思決定を下しているのかの判断が困難になってしまうことを意味している。
一般に、企業の意思決定の透明性を高め、不正を防ぎ、( ア )の利益を損なわないようにコーポレート・ガバナンスの強化が必要とされている。そのため、たとえば、ディスクロージャー(情報開示)や( ウ )が進められている。ただ、企業の不祥事が引き続き発生していることからもわかるように、コーポレート・ガバナンスの強化には持続的な取組みが必要であろう。
- ア:取締役 イ:所有と経営の分離 ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
- ア:取締役 イ:所有と経営の分離 ウ:メインバンク制度の新設
- ア:取締役 イ:有限会社への転換 ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
- ア:取締役 イ:有限会社への転換 ウ:メインバンク制度の新設
- ア:株主 イ:所有と経営の分離 ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
- ア:株主 イ:所有と経営の分離 ウ:メインバンク制度の新設
- ア:株主 イ:有限会社への転換 ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
- ア:株主 イ:有限会社への転換 ウ:メインバンク制度の新設
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この過去問の解説 (3件)
01
アは株主が当てはまります。
株主による意思決定機関としては株主総会があります。
取締役は会社の経営に携わる人たちのことです。
代表取締役社長などといった肩書きを聞いたことがある人もいるかもしれません。
イは「所有と経営の分離」が当てはまります。
ただ、経営者がその会社の株を所有しているというのは少なくありません。
有限会社は2006年5月に施行された会社法で新設不可となりました。
小規模事業者向けの簡易な会社形態である有限会社は、会社法により株式会社が作りやすくなったことから残す意味が薄れ、有限会社法の廃止へとつながりました。
現在、街で見かける有限会社は2006年以前から存在していた会社であり、特例として残っているのです。
ウは株主代表訴訟の手続の簡素化が当てはまります。
株主代表訴訟とは、会社の役員が会社に損害を与え、それを会社が責任追及しないといった場合に株主が会社に代わり役員を訴える制度です。
損害賠償金を受け取るのは株主ではなく、会社である点には注意が必要です。
メインバンク制度とは、企業が特定の銀行と継続的に取引する日本独特の慣行です。
1990年以降のバブルの崩壊や不良債権問題、そして本問のテーマでもあるガバナンス(企業統治)上の問題からも、メインバンク制度は弱まっています。
不適当です。
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正答です。
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会社とステークホルダーとの関係や企業のガバナンスについては公民科目の学習者だけでなく、昨今は多くの社会人にとっても学ぶべき重要テーマです。
きちんと押さえておくと、試験以外の場面でも役立つことがあるのではないでしょうか。
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02
コーポレート・ガバナンスとは、
企業の意思決定の透明性を高め、不正を防ぎ、
株主の利益を損なわないようにする取り組みのことです。
ア:株主
株式会社の所有者は株主であり、
その最高意思決定機関(株主総会)は株主によって構成されます。
※取締役は経営者であり、
その中でも会社を代表する取締役を代表取締役といいます。
イ:所有と経営の分離
所有と経営の分離とは、
会社の所有者(株主)と経営者(取締役)を分離する仕組みのことです。
所有と経営の分離を行うことで、
潤沢な資金と高い経営能力を両立しやすくなります。
※有限会社は、決算公告義務がなく情報が非公開で済むなど閉鎖性が高く、
外部監視が弱くなるため、むしろコーポレート・ガバナンスは弱体化します。
そもそも、有限会社は会社法施行(2006年)で新設できなくなりました。
ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
株主代表訴訟とは、会社の経営者である取締役の経営責任を、
株主が会社に代わって追及し損害賠償を請求する訴訟のことです。
株主代表訴訟の手続の簡素化は、コーポレート・ガバナンスの強化につながります。
※メインバンク制度とは、
企業が主に取引する金融機関を1行に定め、密接な関係を保つことです。
これは株主というより金融機関の利益を損なわないようにする仕組みです。
また、メインバンク制度は長年にわたり形成されてきた慣行であり、
新設するものではありません。
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03
ア:株主
一般的に株式会社の所有者は株主とされます。
(他にもその企業のステークホルダー全体で会社を構成しているなどの考え方もあるので、一概に株主だけのものとは言えませんが。)
また、その最高意思決定機関は株主によって構成され、そこから取締役が選出されます。
イ:所有と経営の分離
「有限会社への転換」は入りません。
会社法により、有限会社の新設は不可能になっています。
ここは「所有と経営の分離」が適切です。
現在は経営陣が大株主ではなく、経営のエキスパートが担当するケースが増えています。
ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
株主の利益を保護するための施策が入ります。
よって、「株主代表訴訟の手続の簡素化」が入ります。
株主代表訴訟とは、会社に損害を与えた会社役員などの責任を会社に代わって株主が追及する制度です。
一方、「メインバンク制度の新設」は入りません。
メインバンク制度とは、企業が特定の銀行を主要な取引先とし、その銀行と密接な関係を築いていくシステムのことです。
これにより、企業はその銀行に経営相談なども行うことができ、より充実した企業活動が可能になるというメリットがあります。
以上より、
ア:株主 イ:所有と経営の分離 ウ:株主代表訴訟の手続の簡素化
が解答です。
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