大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問42 (公共,政治・経済(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問42(公共,政治・経済(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、国際政治経済のあり方にかかわる出来事について次のように話し合い、関連する事柄について調べることとした。これに関して、後の問いに答えよ。

X:新型コロナウイルスの世界的な拡散や、ロシアのウクライナ侵攻などは、これまでの国際的な制度や取決めに基づく国際秩序に見直しを求めるもののようにみえるけど、どうだろう。新型コロナウイルスの感染拡大は、先進主要各国に(a)緊急の歳出拡大を迫ったという以上に、(b)経済のグローバル化に潜むリスクを表面化させたといえるんじゃないかな。
Y:そうかな、2008年の世界金融危機も大きな混乱を世界経済にもたらしたし、新型コロナウイルスによる混乱が特別といえるのかな。
X:新型コロナウイルスの感染拡大の場合には、(c)世界経済の分断が懸念されたところが特殊で、その点が重要だと思うよ。
Y:ロシアのウクライナ侵攻については、どうかな。軍事侵攻をめぐる問題はこれまでにもみられたけど、1990年のイラクのクウェート侵攻では国際連合(国連)の安全保障理事会(安保理)が対応したよね。
X:ロシアのウクライナ侵攻では、領土の違法な併合を試みたのが安保理常任理事国だった点で、ほかの事例とは区別すべきだよ。(d)国際刑事裁判所(ICC)の検察官が早くから捜査に乗り出したのも、この事件の特殊性を示していると思うよ。
Y:今回の軍事侵攻では、国連、とくに安保理が十分に対応できなかったのはやっぱり問題だよね。(e)国連憲章に基づく秩序に対する信頼をどうやって維持していくか、考えていかないといけないね。
X:国連憲章は国際平和とともに、基本的人権の尊重も目的としているね。そのためには、民主主義の世界的な実現と定着が重要だと思うけど、どうかな。
Y:その点を考える上では、2011年頃に始まった(f)「アラブの春」に注目したいね。どのような政治体制を選ぶかは、各国の国民に委(ゆだ)ねられているけれど、民主主義国家間では戦争は起きないという考えもあるし、民主主義が世界的に定着することは、安定した国際秩序を維持するために重要だと思うよ。

生徒Xと生徒Yは、下線部(c)に関する次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

2000年から今日までの世界経済の統合と分断の流れ
〇中国が自由貿易を掲げる( ア )に加盟した。
〇( イ )を背景に、2008年に世界金融危機が始まった。
〇新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの寸断とロシアのウクライナ侵攻によって、世界経済分断への懸念が高まった。
  • ア:OECD(経済協力開発機構)  イ:サブプライムローン問題
  • ア:OECD(経済協力開発機構)  イ:ユーロ危機
  • ア:WTO(世界貿易機関)  イ:サブプライムローン問題
  • ア:WTO(世界貿易機関)  イ:ユーロ危機

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