大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問22 (公共,倫理(第6問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問22(公共,倫理(第6問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Hと生徒Jは、戦争と平和について対話をした。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

H:この前、親戚のおじさんが語っていたよ。「いま日本が平和なのは、戦後に人々が反省し、(a)暴力による問題の解決を放棄したからだ。だが、その記憶は薄れつつある。戦争について語ろうものなら、怪訝(けげん)な顔をされる始末だ。やがて、誰も平和について考えなくなるだろう。社会の趨勢(すうせい)が戦争に傾き始めても、人々は疑問を抱かずに戦争に加担してしまうかもしれない」って。
J:その主張は、( ア )という意見と解釈できて、まさにフーコーによる近代への批判と同じだ。ただ、私はおじさんの主張は少し見方が狭いと思うな。
H:確かに、フーコーに通じるものがあるね。でも、なんでそう思うの?
J:だって、今の世界は全然平和ではないもの。ほかの国に目を向ければ、いろいろなところで戦闘が起きているし、罪のない人々の権利が侵害されている。
H:でも、それって外国の話だと思うけど。
J:いやいや、そうした人たちだって同じ人間だよ。(b)他国で起きている戦争や紛争についても真剣に考えるべきだし、たとえ戦闘が起きていなくても、そこに生きる人々が人間らしい生活を送れているかを気遣うべきじゃないかな。
H:よく考えたら、人々の平和を脅かすものは戦争や紛争だけじゃないよね。(c)一国の中でも、虐殺が行われて、民間人が犠牲になることもある。
J:でも、そうした問題を解決するにはどうしたらいいんだろう。民間人が権力者と戦おうとしたら、かえって悲惨なことが起きるかも知れない。でも、支配されるままでいても、平和は実現されない…。どう思う?
H:そうだなぁ…。正直、そんな風にしっかりと考えたことがなかったよ。でも、たとえ平和のために戦うことが必要だとしても、武力で戦ったり、人を傷つけたりすることだけが全てではないと思う。(d)もっと違う形で、暴力に抵抗することもできるんじゃないかな。
J:そう考えると、どうやって平和を実現するかって、本当に複雑な問題だよね。今度、先生と話してみようかな。

会話文中の空欄( ア )に入る記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • 権力主体への服従を物理的な暴力によって強制されているため、たとえ戦後に多くの人々が反省していても、人々が戦争に加担してしまう
  • 近代西洋の言説を歴史的に分析することで、人間中心主義が直面している限界とその問題を暴露しなければならない
  • ありふれた日常生活の中にも、実は権力構造が潜んでいて、人々はそれに順応し、規格化されている
  • 過去の戦争の記憶を呼び起こし、権力の視線を内在化させることができれば、戦争を始めようとする権力に抵抗できる

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