大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問13 (公共,倫理(第4問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問13(公共,倫理(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

ある大学のオープンキャンパスで、高校生Dと日本思想を専攻する大学院生Eが話をしている。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

D:倫理の授業で、日本ではさまざまな思想が交わったり、対決したりしないまま、それぞれ別々に存在していただけで、結局、新たな個性が生まれなかったっていう考えが紹介されたんです。そのとおりだとすると、ちょっと残念かなって。
E:確かにそういう面もあるけど、外来思想と対話し、伝統を踏まえながら、独自の思想を形成した例もあるんだよ。
D:そうなんですか?
E:日本思想の流れを振り返ってみようか。まず、(a)神々への信仰が古くからあったところに、諸外国からあらたに思想や文化が入ってくることで、独自の思想が醸成されていったんだ。
D:(b)仏教も日本で独自の展開を見せたんですよね。
E:江戸時代には、(c)外来思想を独自に展開させた思想家も多く出てきたし、日本古来の伝統を見直そうとする人々もいたよ。
D:そういえば、明治時代には、(d)西洋文明をどのように受け止めるか、いろんな人が試行錯誤したって学んだなぁ。外来思想をひたすら受け入れていただけではない、ってことですね。

下線部(d)に関連して、次の資料は、西村茂樹『日本道徳論』の一部を現代語で要約したものである。この資料を読み、西村が考える日本の道徳の立て方として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料
私は、諸々の教えを採って集成したものを、日本の道徳として立てようと考える。その際、一定の主義がないのに、諸々の教えをむやみに採用すると、雑然としてとりとめがなくなる。しかし、一定の主義を確立した上で、諸教を道徳として採用すれば、それぞれの教えの本来の意義が発揮されることになる。私が立てる一定の主義とは、儒教と西洋哲学の精髄を採って、二教(儒教と西洋哲学)の粗雑な部分を捨てるのである。二教の精神を採って、その外形を捨てるのである。二教が一致するところを採って、一致しないところを捨てるのである。このようにして得られるものは何か。それは天地の真理である。私が日本の道徳の基礎としようとするものは、この真理である。
  • まず、天地の真理を明らかにし、後に、儒教と西洋哲学の精髄が一致するところを基礎とし、その上で、諸々の教えを取捨選択する。
  • 西洋哲学の精髄を主とし、そこに儒教の精髄を補足したものを基礎として、その上で、諸々の教えを取捨選択する。
  • 儒教の精髄を主とし、そこに西洋哲学の精髄を補足したものを基礎として、その上で、諸々の教えを取捨選択する。
  • 儒教と西洋哲学の精髄が一致するところの天地の真理を基礎とし、その上で、諸々の教えを取捨選択する。

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