大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問12 (公共,倫理(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問12(公共,倫理(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ある大学のオープンキャンパスで、高校生Dと日本思想を専攻する大学院生Eが話をしている。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

D:倫理の授業で、日本ではさまざまな思想が交わったり、対決したりしないまま、それぞれ別々に存在していただけで、結局、新たな個性が生まれなかったっていう考えが紹介されたんです。そのとおりだとすると、ちょっと残念かなって。
E:確かにそういう面もあるけど、外来思想と対話し、伝統を踏まえながら、独自の思想を形成した例もあるんだよ。
D:そうなんですか?
E:日本思想の流れを振り返ってみようか。まず、(a)神々への信仰が古くからあったところに、諸外国からあらたに思想や文化が入ってくることで、独自の思想が醸成されていったんだ。
D:(b)仏教も日本で独自の展開を見せたんですよね。
E:江戸時代には、(c)外来思想を独自に展開させた思想家も多く出てきたし、日本古来の伝統を見直そうとする人々もいたよ。
D:そういえば、明治時代には、(d)西洋文明をどのように受け止めるか、いろんな人が試行錯誤したって学んだなぁ。外来思想をひたすら受け入れていただけではない、ってことですね。

下線部(c)に関連して、江戸時代の思想家についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • 伊藤仁斎は、後世の注釈を排して直接『論語『』孟子』に学ぶ古文辞学を提唱し、中国古代の先王の道を日本に実現しようとした。
  • 本居宣長は、儒教や仏教を「漢意」であると批判し、生まれながらの「真心」に従うべきだとして、「万人直耕」の「自然世」に立ち返ることを求めた。
  • 富永仲基は、仏教経典を、後世の人々の解釈が付加されて成立したものと考えて、その全てが釈迦自身の言葉とは限らないと主張した。
  • 佐久間象山は、「東洋道徳、西洋芸術」と述べて、西洋の科学技術の優位を認めつつも、道徳は日本の方が優れているとし、鎖国攘夷の立場をとった。

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この過去問の解説 (2件)

01

江戸時代の思想家についての問題です。

分からなかったものはきちんと復習しましょう。

選択肢1. 伊藤仁斎は、後世の注釈を排して直接『論語『』孟子』に学ぶ古文辞学を提唱し、中国古代の先王の道を日本に実現しようとした。

誤りです。

 

古文辞学を確立したのは荻生徂徠です。

古文辞学とは、後世の注釈を抜きに孔子の教えを研究する学問です。


伊藤仁斎は、古義学を提唱しました。

 

選択肢2. 本居宣長は、儒教や仏教を「漢意」であると批判し、生まれながらの「真心」に従うべきだとして、「万人直耕」の「自然世」に立ち返ることを求めた。

誤りです。

 

「万人直耕」の「自然世」に立ち返ることを求めたのは、安藤昌益です。

 

万人直耕とは、自然の循環の中で全ての人が正しく農耕を行い、生活していくことです。

 

自然世とは、全ての人が働いて生活をし、貧富の差も上下の支配関係もない平等な社会のことです。
 

選択肢3. 富永仲基は、仏教経典を、後世の人々の解釈が付加されて成立したものと考えて、その全てが釈迦自身の言葉とは限らないと主張した。

正しいです。

選択肢4. 佐久間象山は、「東洋道徳、西洋芸術」と述べて、西洋の科学技術の優位を認めつつも、道徳は日本の方が優れているとし、鎖国攘夷の立場をとった。

誤りです。

 

佐久間象山は、鎖国攘夷ではなく開国論を主張しました。


東洋道徳、西洋芸術」と述べて、

東洋の道徳を遵守しながら西洋の科学技術を取り入れるべきだと考えました。

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02

江戸時代の思想家に関する知識問題です。
消去法的に選ぶのが楽かと思いますが、勉強が進んでいる方は積極的に正解を選びたいです。

選択肢1. 伊藤仁斎は、後世の注釈を排して直接『論語『』孟子』に学ぶ古文辞学を提唱し、中国古代の先王の道を日本に実現しようとした。

誤文です。
これは荻生徂徠に近い文章ですが、彼は『論語』や『孟子』よりも前の『六経』の研究を進めました。

選択肢2. 本居宣長は、儒教や仏教を「漢意」であると批判し、生まれながらの「真心」に従うべきだとして、「万人直耕」の「自然世」に立ち返ることを求めた。

誤文です。
前半は正文ですが、後半が誤りです。

「『万人直耕』の『自然世』に立ち返ることを求めた」のは安藤昌益です。

選択肢3. 富永仲基は、仏教経典を、後世の人々の解釈が付加されて成立したものと考えて、その全てが釈迦自身の言葉とは限らないと主張した。

正文です。
これを加上説といいます。

選択肢4. 佐久間象山は、「東洋道徳、西洋芸術」と述べて、西洋の科学技術の優位を認めつつも、道徳は日本の方が優れているとし、鎖国攘夷の立場をとった。

誤文です。
「鎖国攘夷の立場をとった」というのが誤りです。
むしろ開国論的立場で、攘夷派の志士に暗殺されました。

まとめ

誤りの要素が明確で非常に解きやすいタイプの問題です。

正解の選択肢もあきらかに正しい文章です。

ですので、勉強が進んでいる人はサクッと解きたい問題になっています。

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