大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問11 (公共,倫理(第4問) 問2)
問題文
D:倫理の授業で、日本ではさまざまな思想が交わったり、対決したりしないまま、それぞれ別々に存在していただけで、結局、新たな個性が生まれなかったっていう考えが紹介されたんです。そのとおりだとすると、ちょっと残念かなって。
E:確かにそういう面もあるけど、外来思想と対話し、伝統を踏まえながら、独自の思想を形成した例もあるんだよ。
D:そうなんですか?
E:日本思想の流れを振り返ってみようか。まず、(a)神々への信仰が古くからあったところに、諸外国からあらたに思想や文化が入ってくることで、独自の思想が醸成されていったんだ。
D:(b)仏教も日本で独自の展開を見せたんですよね。
E:江戸時代には、(c)外来思想を独自に展開させた思想家も多く出てきたし、日本古来の伝統を見直そうとする人々もいたよ。
D:そういえば、明治時代には、(d)西洋文明をどのように受け止めるか、いろんな人が試行錯誤したって学んだなぁ。外来思想をひたすら受け入れていただけではない、ってことですね。
高校生Dは、倫理の授業で、下線部(b)に関連する内容の発表を行った。次の発表中の空欄( a )に入る記述として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
発表
「これを信じています」と言えるような信仰対象をもたない私は、存在するのかもわからない神仏の教えをなぜ信じられるのか、不思議でした。
いろいろ調べているうちに、親鸞についてのあるエピソードにたどり着きました。弟子が「念仏をすれば誰でも往生できると阿弥陀仏は約束なさったのだから、念仏したときに躍り上がって喜んでもよいはずなのにそうはならず、速やかに浄土に行きたいという心も起きません。これはどういうわけなのでしょう」と質問したとき、親鸞は、「私もあなたと同じで、念仏をしても喜びが生じない。喜ぶべきことを喜べないのは煩悩のしわざであるが、( a )。だからこそ往生は確実だと思えるのだ」というようなことを答えたそうです。
宗教者も自分の信仰に不安や疑問をもつことがあると知って、宗教が少し身近に感じられました。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問11(公共,倫理(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
D:倫理の授業で、日本ではさまざまな思想が交わったり、対決したりしないまま、それぞれ別々に存在していただけで、結局、新たな個性が生まれなかったっていう考えが紹介されたんです。そのとおりだとすると、ちょっと残念かなって。
E:確かにそういう面もあるけど、外来思想と対話し、伝統を踏まえながら、独自の思想を形成した例もあるんだよ。
D:そうなんですか?
E:日本思想の流れを振り返ってみようか。まず、(a)神々への信仰が古くからあったところに、諸外国からあらたに思想や文化が入ってくることで、独自の思想が醸成されていったんだ。
D:(b)仏教も日本で独自の展開を見せたんですよね。
E:江戸時代には、(c)外来思想を独自に展開させた思想家も多く出てきたし、日本古来の伝統を見直そうとする人々もいたよ。
D:そういえば、明治時代には、(d)西洋文明をどのように受け止めるか、いろんな人が試行錯誤したって学んだなぁ。外来思想をひたすら受け入れていただけではない、ってことですね。
高校生Dは、倫理の授業で、下線部(b)に関連する内容の発表を行った。次の発表中の空欄( a )に入る記述として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
発表
「これを信じています」と言えるような信仰対象をもたない私は、存在するのかもわからない神仏の教えをなぜ信じられるのか、不思議でした。
いろいろ調べているうちに、親鸞についてのあるエピソードにたどり着きました。弟子が「念仏をすれば誰でも往生できると阿弥陀仏は約束なさったのだから、念仏したときに躍り上がって喜んでもよいはずなのにそうはならず、速やかに浄土に行きたいという心も起きません。これはどういうわけなのでしょう」と質問したとき、親鸞は、「私もあなたと同じで、念仏をしても喜びが生じない。喜ぶべきことを喜べないのは煩悩のしわざであるが、( a )。だからこそ往生は確実だと思えるのだ」というようなことを答えたそうです。
宗教者も自分の信仰に不安や疑問をもつことがあると知って、宗教が少し身近に感じられました。
- そのような「煩悩具足の凡夫」にも仏性は備わっているのであり、それを開花させるための自力の行として念仏がある
- 仏は人間がそのような「煩悩具足の凡夫」であることをよくご存じで、そういう人間を救おうという願を立てられた
- そのような「煩悩具足の凡夫」でも、他者に救いの手を差し伸べることで自分も往生できる道を、仏は用意してくださっている
- 仏はそのような「煩悩具足の凡夫」の自覚がない人を「悪人」と呼び、それ以外の衆生は全て救うとおっしゃっている
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説
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