大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問5 (公共,倫理(第3問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問5(公共,倫理(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の場面2の会話文を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いの生徒A〜Cは、各々前問と全て同じ人物である。

場面2  数日後、学校からの帰りに、生徒Aと生徒Cが次の会話をしている。

A:『論語』を読んでみたら、孔子のイメージが変わった。音楽を聴いて感動のあまり肉の味がわからなくなったなんて話が出てきて、熱い人だなって。
C:(d)中国思想は礼楽を重んじる。礼の一語で言うことも多いけど、つまりは、礼と音楽だね。また、「仁に里(お)るを美と為(な)す」という有名な言葉もある。
A:それってどういう意味なの?
C:ある解釈では、これは、仁の徳をよりどころとして生きるのが美しいという、道徳的な意味らしいよ。
A:孔子は、音楽や美術に素直に感動する人だった気がしたのだけれど。
C:孔子は音楽を批評するときに、道徳的な価値観を交えて評しているよ。それに対して、老子は、「天下の人々が皆、これこそ美だと心得ているものは、実は醜悪なのだ」と言って、人がこぞって美しいとするものに対して疑いの目を向け、美醜を反転させている。美に対する考え方も様々で、実に面白い。
A:なるほどね。それで言うと、仏教では、人生は苦であるということを強調するから、あまり美を重視しない気がするけど、どうなのだろう?欲望から離れるために、肉体が朽ちていく様をまざまざと見るといった修行もあるとか授業で聞いた。
C:でも、達磨図を見ると、ピアスを付けていたりして、美を重視しているように感じる。(e)仏教は歴史も長く、いろいろな側面があるから、一概に言えない気がするな。
A:確かに、日本美術の多くは仏教に関係しているね。そうそう、いま仏像の展覧会が開催中だから、Bさんも誘って一緒に観(み)に行こうよ。

下線部(e)に関連して、次の文章ア~エのうち、大乗仏教の思想の説明として適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

ア  あらゆる物事は縁起しており、無自性であり、したがって空であることは、大乗仏教に特徴的な思想である。こうした考え方の原型は、ゴータマの教えの中にすでにあり、諸法無我などの思想に含まれている。
イ  悟りを求める衆生は、「菩薩」と呼ばれる。様々な菩薩が活躍するのが、大乗経典の特徴の一つである。代表的な大乗経典として、出家した菩薩が送る生活を理想化して描いた『維摩経』がある。
ウ  無著(アサンガ)や世親(ヴァスバンドゥ)は、あらゆる物事は心が生み出したものであることを、識のみがあるという唯識の考え方を用いて説明した。この教説は玄奘によって中国に伝え直された。
エ  『般若経』では主として、全ての衆生がブッダになる可能性を有しているという仏性の考え方を説いている。竜樹(ナーガールジュナ)が整理したこの考え方は、鑑真によって日本にもたらされた。
  • アとイ
  • アとウ
  • アとエ
  • イとウ
  • イとエ
  • ウとエ

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