大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問44 (<旧課程>倫理(第2問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問44(<旧課程>倫理(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生CとDは、さらに調べていくうちに次の絵画を見付けて、後の会話を交わした。会話中のa・bに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

C  :室町時代に雪舟が描いたものだって。倫理の授業で、この時期の日本の美意識の特徴について、( a )と習ったね。
D  :そうだね。この絵の( b )もそれに当てはまりそうだね。
問題文の画像
  • a ― 質素で落ち着いた枯淡な表現に、言葉を超えた奥深さを感じるもの  b ― 墨の濃淡のみで奥行きを持たせた、深い精神性を感じさせる表現
  • a ― 物の細部に明確な形となって表れ出る、幽玄の美を感じるもの  b ― 自然の事物を細部まで目で見たままに描き取る、写実的な表現
  • a ― 飾り気がなく余白のある様子に、さびの境地を感じるもの  b ― 対象を明瞭な輪郭線で囲い、余白を残した限定的な表現
  • a ― 満開の桜や紅葉のような華やかな自然美に、わびの境地を感じるもの  b ― 山や水のある自然の風景を描いた、壮大さを感じさせる表現

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この過去問の解説 (2件)

01

こちらは室町時代の日本の美意識を問う問題です。
aは知識問題、bは写真をみて知識と照らし合わせる問題になります。

選択肢1. a ― 質素で落ち着いた枯淡な表現に、言葉を超えた奥深さを感じるもの  b ― 墨の濃淡のみで奥行きを持たせた、深い精神性を感じさせる表現

どちらも正文です。

選択肢2. a ― 物の細部に明確な形となって表れ出る、幽玄の美を感じるもの  b ― 自然の事物を細部まで目で見たままに描き取る、写実的な表現

aについて、「物の細部に明確な形となって表れ出る」ことは「幽玄の美」の説明になっていません。幽玄ははっきりせず薄暗いものです。

また、幽玄はたしかにこの時代に世阿弥の思想の中に出てきますが、平安時代の歌人である藤原俊成の頃から日本人精神として広がった概念であり、室町時代の特徴と言い切るのは誤謬を含みます。


bについても、この絵を説明した文章とは全く言えません。
 

選択肢3. a ― 飾り気がなく余白のある様子に、さびの境地を感じるもの  b ― 対象を明瞭な輪郭線で囲い、余白を残した限定的な表現

aについては完全な誤りとは断言できませんが、bが全くこの絵を説明していません。

選択肢4. a ― 満開の桜や紅葉のような華やかな自然美に、わびの境地を感じるもの  b ― 山や水のある自然の風景を描いた、壮大さを感じさせる表現

「満開の桜や紅葉」の華やかさと”わび”が共通するものではありません。
”わび”は飾り気がなく余白のある様子です。

 

bは正文です。

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02

雪舟の水墨画から伝統文化と美意識を問う問題です。

選択肢1. a ― 質素で落ち着いた枯淡な表現に、言葉を超えた奥深さを感じるもの  b ― 墨の濃淡のみで奥行きを持たせた、深い精神性を感じさせる表現

適切な選択肢です。

選択肢2. a ― 物の細部に明確な形となって表れ出る、幽玄の美を感じるもの  b ― 自然の事物を細部まで目で見たままに描き取る、写実的な表現

適切な選択肢ではありません。「幽玄の美」は世阿弥の能に関する記述です。

選択肢3. a ― 飾り気がなく余白のある様子に、さびの境地を感じるもの  b ― 対象を明瞭な輪郭線で囲い、余白を残した限定的な表現

適切な選択肢ではありません。「さび」は無の境地を表します。

選択肢4. a ― 満開の桜や紅葉のような華やかな自然美に、わびの境地を感じるもの  b ― 山や水のある自然の風景を描いた、壮大さを感じさせる表現

適切な選択肢ではありません。「わび」は千利休が大成した茶道で用いられます。

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