大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問45 (<旧課程>倫理(第2問) 問6)
問題文
次の会話は、秩序について調べてきたCとDが、これまでの検討を振り返って交わしたものである。
D:調べてみてどう感じた?私はやっぱり、人間の営みは面白いと思ったよ!この前に見た雪舟の絵にも、その当時の人々の自然の捉え方がよく表れていたね。
C:たしかに、ここまで一緒に調べてきた中で自然のことがたくさん出てきたけれど、そこには必ず、自然と関わり合ったり自然を表現したりする人間の存在もあったよね。でも実は、私はDさんほど人間のことに興味を持てていないんだよね…。
D:え、そうなの?どうして?
C:うーん、うまく言えないんだけど…。私はね、秩序といえば、物理法則のような自然の秩序やd キリスト教の神が創造した秩序など、人間から離れた完全なものというイメージで、だからこそ美しいって感じるんだ。それで、Dさんの言葉に少し戸惑ってしまって。
D:そうなんだね。私はむしろ、自分たちが秩序を創り出していくという側面を面白く思っているのかな。e 法律とか制度とか、人間が秩序を形成し維持してきたのだと思うと、そういう人間の営みってなんだか尊いことのようにさえ感じるよ。
C:そうなんだ…。たしかに、人間の営みも重要だってことは、なんとなく理解はしているんだ。だけど、私はどうしても、人間による秩序って不完全で不安定だと感じてしまうなあ。
D:なるほどね…。私は、Cさんの考えについても秩序についても、もっとよく理解したいな。もう少し一緒に勉強してくれる?
C:もちろん。私ももっと考えてみたい。
下線部dに関連して、近代日本のキリスト教徒である内村鑑三についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問45(<旧課程>倫理(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、秩序について調べてきたCとDが、これまでの検討を振り返って交わしたものである。
D:調べてみてどう感じた?私はやっぱり、人間の営みは面白いと思ったよ!この前に見た雪舟の絵にも、その当時の人々の自然の捉え方がよく表れていたね。
C:たしかに、ここまで一緒に調べてきた中で自然のことがたくさん出てきたけれど、そこには必ず、自然と関わり合ったり自然を表現したりする人間の存在もあったよね。でも実は、私はDさんほど人間のことに興味を持てていないんだよね…。
D:え、そうなの?どうして?
C:うーん、うまく言えないんだけど…。私はね、秩序といえば、物理法則のような自然の秩序やd キリスト教の神が創造した秩序など、人間から離れた完全なものというイメージで、だからこそ美しいって感じるんだ。それで、Dさんの言葉に少し戸惑ってしまって。
D:そうなんだね。私はむしろ、自分たちが秩序を創り出していくという側面を面白く思っているのかな。e 法律とか制度とか、人間が秩序を形成し維持してきたのだと思うと、そういう人間の営みってなんだか尊いことのようにさえ感じるよ。
C:そうなんだ…。たしかに、人間の営みも重要だってことは、なんとなく理解はしているんだ。だけど、私はどうしても、人間による秩序って不完全で不安定だと感じてしまうなあ。
D:なるほどね…。私は、Cさんの考えについても秩序についても、もっとよく理解したいな。もう少し一緒に勉強してくれる?
C:もちろん。私ももっと考えてみたい。
下線部dに関連して、近代日本のキリスト教徒である内村鑑三についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- キリスト教の神と信者を結び付けるものとして、教会の組織や儀式を重視し、教会を核とした人々の交わりを奨励した。
- 中江藤樹や西郷隆盛らを代表的日本人として評価し、日本では武士道精神を土壌としてキリスト教が根付くと考えた。
- キリスト教徒として、神の義にかなう国づくりを目指し、イエス(Jesus)と正義(Justice)という「二つのJ」に身を捧げた。
- キリスト教徒としての信念から正義を重んじ、日露戦争に際してはこれを正義のための戦いと捉えて、積極的に支持した。
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この過去問の解説 (2件)
01
こちらは内村鑑三に関する知識問題です。
解説の末尾に内村鑑三についてまとめています。
内村鑑三は「教会の組織や儀式を重視し」ていません。
彼はプロテスタントで無教会主義者です。
文章前半が一般的ではないですが、後半が正文かつ他の選択肢が明らかに誤っているため、こちらの選択肢が正答だとわかります。
前半は問題ないですが、後半が「正義(Justice)」ではなく、「日本(Japan)」です。
「キリスト教徒としての信念から正義を重んじ」ているのは適当ですが、「日露戦争に際してはこれを正義のための戦いと捉えて、積極的に支持した」というのは誤りです。
むしろ、非戦論を唱えています。
ただし、「日露戦争」ではなく、「日清戦争」であれば正文です。
内村鑑三は覚える要素が多いですが、彼の思想の根底にあるのはキリスト教の教義を重視することと愛国心です。今回のようにやや細かいことまで出題される可能性があり、日本史が好きな方を除くと難しく感じやすい問題です。
2つのJ:「武士道に接ぎ木されたるキリスト教」
日本人精神である武士道を土台にキリスト教の考えを受容しました。
無教会主義:プロテスタント的考え方で、聖書に忠実な態度です。
宗教改革の時代には教会の外面的な信仰を批判し、本質的な信仰が重視されました。
非戦論:日清戦争では積極的な姿勢を見せましたが、それを反省して日露戦争では戦争反対の意をしめしました。十戒に「殺人をしてはいけない」とあるためです。
不敬事件:キリスト教信者である彼は、天皇を神格化する教育勅語の読み上げを拒否したため処罰されました。
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02
内村鑑三とキリスト教に関する問いです。
適切な選択肢ではありません。内村鑑三は無教会主義です。
適切な選択肢です。
適切な選択肢ではありません。内村鑑三の「2つのJ」はJapan(日本)とJesus(イエス)を指します。
適切な選択肢ではありません。内村鑑三は日露戦争に際して否定的な立場を取りました。
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