大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問19 (<旧課程>現代社会(第3問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問19(<旧課程>現代社会(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のタカギさんとナカタさんは、現代社会の授業で近年の科学技術の進展と社会のあり方について学んだ。その後、そこにどのような課題があるのかをより掘り下げて考えたいと思い、夏休みの課題探究のテーマとした。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

会話文
タカギ:再生医療の進展には、目覚ましいものがあるよね。例えば、ヒトの皮膚細胞から( ア )の生成に成功した山中伸弥さんが2012年にノーベル賞を受賞したよね。
ナカタ:うん、知ってるよ。( ア )は、( イ )つくられるんだよね。網膜の治療に使われるなど、実用化に向けた様々な研究が進められているんだって。今まで治療方法のなかった人のなかには希望をもてる人もいるよね。
タカギ:他にも、実用化はされていないけど、例えば、a 女性の卵子と( ア )由来の精子を体外で受精させて、その受精卵を女性の胎内に戻すことで出産が理論上可能なんだって。
ナカタ:体外受精をはじめとする生殖補助医療の利用は、b 子どもが欲しいけれど授からない場合などには確かに様々なメリットがありそうだね。
タカギ:一方で、生殖補助医療をはじめとするc 科学技術の進展によって、今までの法制度を再考することが必要みたいだよ。例えば、夫婦以外の第三者の精子や卵子を使用して出産する場合、その子どもにとっての法的な親が誰になるのかを決める必要があるんだって。
ナカタ:このような背景もあって、d 国会で議論されているらしいよ。

下線部cに関する法制度の記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 日本では、全く同一の遺伝子をもつ個体をつくるクローン技術を、人間にも応用することを可能にする法整備がなされている。
  • 日本では、胎児の疾病や障害の有無を検査する出生前診断は、禁止されている。
  • ヒトの遺伝情報解析の進展を背景に、遺伝的特徴に基づく差別の禁止などを盛り込んだ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択された。
  • 遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するために、「モントリオール議定書」が採択された。

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この過去問の解説 (3件)

01

科学技術の法制度についての問題です。
選択肢をよく読みましょう。
 

選択肢1. 日本では、全く同一の遺伝子をもつ個体をつくるクローン技術を、人間にも応用することを可能にする法整備がなされている。

誤りです。

以下のように法律で禁止されています。

 

ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律 第3条
 何人も、人クローン胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚又はヒト性集合胚を人又は動物の胎内に移植してはならない。
 

選択肢2. 日本では、胎児の疾病や障害の有無を検査する出生前診断は、禁止されている。

誤りです。

 

禁止されていません。

 

選択肢3. ヒトの遺伝情報解析の進展を背景に、遺伝的特徴に基づく差別の禁止などを盛り込んだ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択された。

正しいです。

 

ヒトゲノムと人権に関する世界宣言 第6条
何人も、遺伝的特徴に基づいて、人権、基本的自由及び人間の尊厳を侵害する意図又は効果をもつ差別を受けることがあってはならない。
 

選択肢4. 遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するために、「モントリオール議定書」が採択された。

誤りです。

 

モントリオール議定書は、オゾン層保護を目的とした国際的枠組みを定めたものです。

 

遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するための措置を規定したのは、カルタヘナ議定書です。

 

ちなみに、モントリオールはカナダ、カルタヘナはコロンビアの都市です。

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02

大きくまとめると生命倫理に関する問題です。それぞれの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 日本では、全く同一の遺伝子をもつ個体をつくるクローン技術を、人間にも応用することを可能にする法整備がなされている。

間違った文章です。

日本や欧州諸国では 「クローン人間」の作成は禁止 されています。

→日本では、2000年にクローン技術規制法が制定されました。

選択肢2. 日本では、胎児の疾病や障害の有無を検査する出生前診断は、禁止されている。

間違った文章です。

出生前診断は日本で合法とされています。

これは人工妊娠中絶などの問題とも結び付きます。日本では、妊娠22週未満で身体的・経済的な事情により、母体の健康を著しく害する恐れがある場合、この人工妊娠中絶を行うことが出来ます。これは母体保護法という法律に定められています。

選択肢3. ヒトの遺伝情報解析の進展を背景に、遺伝的特徴に基づく差別の禁止などを盛り込んだ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択された。

正しい文章です。

1997年、ユネスコ総会で 「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」 が採択されています。

選択肢4. 遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するために、「モントリオール議定書」が採択された。

間違った文章です。
モントリオール議定書」は オゾン層破壊物質の削減(フロン規制) に関する条約です。
→ 遺伝子組み換えとは関係ありません。

生物多様性と遺伝子組み換え生物に関するものに、2000年に採択された「カルタヘナ議定書」があります。

まとめ

生命倫理に関する内容では、安楽死尊厳死など、人権と結びつく内容が大きな話題になっています。こういった面を中心に復習してみましょう。

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03

科学技術の進展と法制度に関する問題です。

選択肢1. 日本では、全く同一の遺伝子をもつ個体をつくるクローン技術を、人間にも応用することを可能にする法整備がなされている。

誤りです。

日本では、ヒトをクローン技術で複製することが禁止されています。

選択肢2. 日本では、胎児の疾病や障害の有無を検査する出生前診断は、禁止されている。

誤りです。

日本では、出生前診断は禁止されていません。

ただし、出生前診断の結果に基づいて妊娠中絶を行うことについては、

母体保護法に基づき一定の条件が定められています。

選択肢3. ヒトの遺伝情報解析の進展を背景に、遺伝的特徴に基づく差別の禁止などを盛り込んだ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択された。

正しいです。

1997年、ユネスコ総会において「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択されました。

この宣言では、遺伝的特徴に基づく差別の禁止などが盛り込まれています。

選択肢4. 遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するために、「モントリオール議定書」が採択された。

誤りです。

「モントリオール議定書」は、オゾン層を破壊する物質の規制を目的とした国際条約です。

遺伝子組み換え生物の使用による生物の多様性への悪影響を防止するための国際条約は

「カルタヘナ議定書」です。

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