大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問12 (<旧課程>現代社会(第2問) 問4)
問題文
会話文
モリヤ:国の資金調達と言えば、国債の問題がありますね。深刻な財政赤字への対処が必要だと思いますが、財政規律にはどんな手段がありますか。
先生:まず、財政法の定めが挙げられます。この法律は、公共事業などの財源とするためにのみ国債発行を認めており、それ以外の一般的な経費に充てるための国債発行は認めない、という原則を採用しています。
モリヤ:グラフ1を見ると、1995年度以降は( ア )と言えます。
先生:そうですね。政府の累積債務の増加を抑えることは簡単でないと言えます。他には、d 市中消化の原則もあります。また、憲法は国会に( イ )権限を認めており、これも財政運営を国会が規律する手段だと言えるでしょう。
モリヤ:憲法には、慈善事業などへの公金支出を制限する規定もあると聞きました。
先生:よく学習していますね。ただ、その規定の趣旨には、公費濫用の防止のほかに、e 政教分離原則も関係するので注意しましょう。
モリヤ:分かりました。ところで、政府は、f プライマリー・バランス(基礎的財政収支)の均衡達成を目標としていますね。
先生:ええ、それも財政規律の手段です。もっとも、どのような手段をとるにせよ、私たち国民が財政規律について真剣に考える必要があるでしょう。
上の会話文中のアには次のA・Bの記述のいずれかが、イには次のC・Dの記述のいずれかが入る。ア・イに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
アに入る記述
A 財政法上の原則自体は遵守されていますが、毎年国債が発行されている
B 財政法上の原則にもかかわらず、一般的な経費に充てるための国債が毎年発行されている
イに入る記述
C 予算を作成する
D 予算を議決する
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問12(<旧課程>現代社会(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
会話文
モリヤ:国の資金調達と言えば、国債の問題がありますね。深刻な財政赤字への対処が必要だと思いますが、財政規律にはどんな手段がありますか。
先生:まず、財政法の定めが挙げられます。この法律は、公共事業などの財源とするためにのみ国債発行を認めており、それ以外の一般的な経費に充てるための国債発行は認めない、という原則を採用しています。
モリヤ:グラフ1を見ると、1995年度以降は( ア )と言えます。
先生:そうですね。政府の累積債務の増加を抑えることは簡単でないと言えます。他には、d 市中消化の原則もあります。また、憲法は国会に( イ )権限を認めており、これも財政運営を国会が規律する手段だと言えるでしょう。
モリヤ:憲法には、慈善事業などへの公金支出を制限する規定もあると聞きました。
先生:よく学習していますね。ただ、その規定の趣旨には、公費濫用の防止のほかに、e 政教分離原則も関係するので注意しましょう。
モリヤ:分かりました。ところで、政府は、f プライマリー・バランス(基礎的財政収支)の均衡達成を目標としていますね。
先生:ええ、それも財政規律の手段です。もっとも、どのような手段をとるにせよ、私たち国民が財政規律について真剣に考える必要があるでしょう。
上の会話文中のアには次のA・Bの記述のいずれかが、イには次のC・Dの記述のいずれかが入る。ア・イに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
アに入る記述
A 財政法上の原則自体は遵守されていますが、毎年国債が発行されている
B 財政法上の原則にもかかわらず、一般的な経費に充てるための国債が毎年発行されている
イに入る記述
C 予算を作成する
D 予算を議決する
- ア ― A イ ― C
- ア ― A イ ― D
- ア ― B イ ― C
- ア ― B イ ― D
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
【( ア )のポイント】
国債には建設国債と特例国債(赤字国債)の二つがあります。
・建設国債:財政法に認められている、公共事業に使うために発行する国債。
・特例国債(赤字国債):財政法に認められていないが、税収不足を補うため、特例法を制定して例外的に発行している国債。社会保障費など一般的な歳出を賄っている。
→ グラフ1を見ると、1995年度以降赤字国債が発行されているため、財政法上の原則を遵守できているとは言えない。
→財政法上の原則にもかかわらず、一般的な経費に充てるための国債が毎年発行されているが正解。
【( イ )のポイント】
国会の権限は予算を議決することです。
予算を作成するのは内閣になります。
財政のことは色々と議論をしなければならないところだと思います。
・財政の硬直化:歳出における国債費の割合が高くなり、財政の弾力的な運用が難しくなること。
・プライマリーバランス(基礎的財政収支):国が借金に頼らずに、税収だけで必要なお金をまかなえているかの指標。
これらは多くの教科書に載っている頻度が高い語句です。押えておきましょう。
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02
財政規律に関する問題です。
〇空欄ア:正答B「財政法上の原則にもかかわらず、
一般的な経費に充てるための国債が毎年発行されている」
国債は、公共事業などの財源とするための建設国債と、
一般的な経費に充てるための特例国債(赤字国債)に分けられます。
財政法は、公共事業などの財源とするためにのみ国債発行を認めており、
それ以外の一般的な経費に充てるための国債発行は認めない、
という原則を採用しています。
しかし、1995年度以降、毎年特例国債が発行されており、
財政法上の原則にもかかわらず、
一般的な経費に充てるための国債が毎年発行されていると言えます。
よって、空欄アにはBが入ります。
〇空欄イ:正答D「予算を議決する」
憲法は国会に予算を議決する権限を認めています。
よって、空欄イにはDが入ります。
なお、予算を作成するのは内閣の権限です。
「ア ― A」、「イ ― C」が誤りです。
「ア ― A」が誤りです。
「イ ― C」が誤りです。
正しいです。
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