大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問11 (<旧課程>現代社会(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問11(<旧課程>現代社会(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のモリヤさんは、大学のオープンキャンパスに参加し、模擬授業を受け、国家の役割について学んだ。授業後、モリヤさんは大学の先生と話をした。次の会話文を読んで、後の問いに答えよ。

会話文
先生:資本主義の発展に伴って富の偏在が起こると、社会的・経済的弱者を救済するために、失業対策や社会保障にまで国家の役割が拡大しました。このような役割を国家がきちんと果たすためには、社会・経済の状況変化に合わせて政策を柔軟に対応させる必要があります。
モリヤ:私の家はコメ農家ですが、時代とともにa 農業政策も変わっていったと聞きました。社会状況に合わせて政策を変えるのも大変そうですね。
先生:そのとおりです。また、国家が政策を実施すべき分野は実に様々ですから、b 行政もそれぞれの分野に対応できるように組織されている必要があります。中央政府に多くの省庁があるのはそのためですね。さらに、国家もお金がなければ活動できないので、c 租税による収入が大切だと言えます。
モリヤ:国家が役割をきちんと果たすためには、資金調達の問題まで考えないといけないのですね。

下線部cに関して、日本の租税制度とその機能についての記述として適当でないものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 租税等に関する情報を、個人一人ひとりに個人番号を付して管理する仕組みとして、マイナンバー制度が導入されている。
  • 石油等の化石燃料の使用など、環境に負荷をかける活動を抑制する目的で課される税を、総称して環境税と言う。
  • 所得税の累進課税制度が有する、景気変動を抑制する働きをビルト・イン・スタビライザーと言う。
  • 国は、国会の定める法律によることなく、新たな租税を国民に課すことができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

租税制度に関する問題です。今回は、不適切な文章はどれかを選択します。内容的には簡単かも知れませんが、それぞれ見ていくことにしましょう。

選択肢1. 租税等に関する情報を、個人一人ひとりに個人番号を付して管理する仕組みとして、マイナンバー制度が導入されている。

正しい文章です。

マイナンバー制度は、租税に関することもそうですが、他に社会保障や医療などにも適用されています。

選択肢2. 石油等の化石燃料の使用など、環境に負荷をかける活動を抑制する目的で課される税を、総称して環境税と言う。

正しい文章です。

二酸化炭素など、環境に悪影響を与える物質を排出する化石燃料の使用を抑えるため、環境税は課されています。

選択肢3. 所得税の累進課税制度が有する、景気変動を抑制する働きをビルト・イン・スタビライザーと言う。

正しい文章です。

景気を自動的に安定させる仕組みのことを、自動安定化装置(ビルト・イン・スタビライザー)と言います。

例えば、好景気の時は、所得税などの累進課税制度により増税となり、景気の過熱を抑制します。

選択肢4. 国は、国会の定める法律によることなく、新たな租税を国民に課すことができる。

間違った文章です。

租税法律主義により、国の税金は必ず法律によって定められています。そうでなければ人権侵害になりますね。

まとめ

租税法律主義のことが分かっていれば、容易に選択できた問題だと思います。

間違った場合は復習しましょう。

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02

日本の租税制度とその機能に関する問題です。

選択肢1. 租税等に関する情報を、個人一人ひとりに個人番号を付して管理する仕組みとして、マイナンバー制度が導入されている。

正しいです。

マイナンバー制度は、租税等に関する情報を個人一人ひとりに個人番号を付して管理する仕組みとして導入されています。

選択肢2. 石油等の化石燃料の使用など、環境に負荷をかける活動を抑制する目的で課される税を、総称して環境税と言う。

正しいです。

環境に負荷をかける活動を抑制する目的で課される税を、総称して環境税と言います。

代表例として、炭素税があります。

選択肢3. 所得税の累進課税制度が有する、景気変動を抑制する働きをビルト・イン・スタビライザーと言う。

正しいです。

財政政策に備わっている景気変動を抑制する働きをビルト・イン・スタビライザーと言います。

所得税の累進課税制度もその一つです。

景気の過熱期には税収が増えることで個人消費が抑制され、

さらなる景気の過熱を防ぎます。

選択肢4. 国は、国会の定める法律によることなく、新たな租税を国民に課すことができる。

誤りです。

日本では憲法第84条の租税法律主義により、

新たな租税を課すためには国会の定める法律が必要です。

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