大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問25 (<旧課程>現代社会(第4問) 問6)
問題文
会話文Ⅱ
クリタ:先生、姉へのインタビューを通じて、経営者として会社を成長させていく上では、出資者である株主との関係が重要だと気付きました。
先生:そうですね。所有と経営の分離がなされている会社には、次のような問題があることが経済学でも指摘されています。株主が経営者を選んだ後、経営者の行動を完全に監視しきれないため、経営者が企業の人事や利権を支配するといった自分自身の目標を優先するあまり会社の業績が低迷し、株主に不利益をもたらすという問題です。これは、株主と経営者c 双方の利害が一致するインセンティブの仕組みを導入することで解決を図ることができます。これに類似する事例は株主と経営者との関係に限った話ではありません。
クリタ:その他にも、会社には、d 提供する製品やサービスに関する責任や、e 労働者を雇用する上で果たすべき義務や責任があることを知りました。
先生:お姉さんのようにf 社会保障に関わる問題を独自の技術で解決しようと起業することはとても重要なことです。ただし、介護用ロボットの世界では、g 企業は激しい市場競争にさらされています。発表ではこの点についても触れるといいと思いますよ。
下線部eに関して、労働者の権利や使用者の義務についての日本の法制度に関する記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問25(<旧課程>現代社会(第4問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
会話文Ⅱ
クリタ:先生、姉へのインタビューを通じて、経営者として会社を成長させていく上では、出資者である株主との関係が重要だと気付きました。
先生:そうですね。所有と経営の分離がなされている会社には、次のような問題があることが経済学でも指摘されています。株主が経営者を選んだ後、経営者の行動を完全に監視しきれないため、経営者が企業の人事や利権を支配するといった自分自身の目標を優先するあまり会社の業績が低迷し、株主に不利益をもたらすという問題です。これは、株主と経営者c 双方の利害が一致するインセンティブの仕組みを導入することで解決を図ることができます。これに類似する事例は株主と経営者との関係に限った話ではありません。
クリタ:その他にも、会社には、d 提供する製品やサービスに関する責任や、e 労働者を雇用する上で果たすべき義務や責任があることを知りました。
先生:お姉さんのようにf 社会保障に関わる問題を独自の技術で解決しようと起業することはとても重要なことです。ただし、介護用ロボットの世界では、g 企業は激しい市場競争にさらされています。発表ではこの点についても触れるといいと思いますよ。
下線部eに関して、労働者の権利や使用者の義務についての日本の法制度に関する記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 日本国憲法において労働者に認められている、いわゆる労働三権には、団結権、団体交渉権のほか、勤労権が含まれる。
- 労働者の権利を実質的に保障するために定められている、いわゆる労働三法には、労働組合法、労働関係調整法のほか、労働契約法が含まれる。
- 障害者雇用促進法によれば、事業主は、全従業員のうち障害者を一定の割合以上、雇用する義務を負っている。
- 業務上の災害について労働者の損失を補償する労災保険の保険料は、事業主と政府が負担することとされている。
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この過去問の解説 (2件)
01
労働者と使用者の権利や義務について適当な記述を検討していきます。
「勤労権が含まれる」という部分が不適です。
労働三権は団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)です。
これらに勤労権を加えたものが労働基本権になります。
「労働契約法が含まれる」という部分が不適です。
労働三法は労働組合法・労働関係調整法・労働基準法です。
適当な記述です。
障害者の法定雇用率が定められています。
「事業主と政府が負担する」という部分が不適です。
保険料は全額事業主が負担します。
労働三権などの労働についての法律の名前や内容を覚えておきましょう。
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02
労働者の権利や使用者の義務についての日本の法制度の知識を問われている問題です。
不適当
労働三権とは、団結権、団体交渉権、団体行動権のことです。
不適当
労働三法とは、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法のことです。
適当
障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられてきています。
不適当
労災保険の保険料は、事業主が全額負担します。
労働三権、労働三法、障害者雇用促進法など、労働に関する法律の名前やポイントを押さえておきましょう。
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