大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問11 (<旧課程>現代社会(第2問) 問3)
問題文
次の問いに答えよ。
先生は、「『新しい人権』の考え方も生まれてきており、その背景には社会状況や人々の認識の変化があります」と述べた。サトウさんたちの話合いのなかでは、科学・技術の発展、例えば生命科学や遺伝情報の利用によって、様々な問題が生じるということが話題になった。生命工学(バイオテクノロジー)に関する記述として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問11(<旧課程>現代社会(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の問いに答えよ。
先生は、「『新しい人権』の考え方も生まれてきており、その背景には社会状況や人々の認識の変化があります」と述べた。サトウさんたちの話合いのなかでは、科学・技術の発展、例えば生命科学や遺伝情報の利用によって、様々な問題が生じるということが話題になった。生命工学(バイオテクノロジー)に関する記述として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 1997年のユネスコ総会において、遺伝的特徴に基づいた差別の禁止などを盛り込んだ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択されている。
- 日本では、ヒトクローン(クローン人間)の作成を規制する法律は制定されていない。
- 日本では、遺伝子組み換え作物を使った食品について、その表示を義務づける法律上の規定はない。
- iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、ES細胞(胚性幹細胞)に比べ免疫拒絶反応が起きやすいとされる。
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この過去問の解説 (2件)
01
生命工学とは、生命現象の仕組みを理解し、工学の技術を応用して、
医療、食料、環境など私たちの暮らしに役立てることを追求する技術のことです。
適当です。
ユネスコは、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関です。
「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」では、
ヒトゲノム研究の発展に伴う倫理的問題について触れられています。
不適当です。
日本では「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」が、
2001年に制定されています。
これにより、クローン人間の作成は禁止されました。
生まれてくる人を手段、道具と見なすことにつながるなど、
倫理的・社会的問題を防ぐためです。
不適当です。
日本では、遺伝子組み換え作物を使った食品について、
その表示を義務づける法律上の規定があります。
遺伝子組み換え食品の表示は、食品表示法に基づき、
安全性審査済みの遺伝子組換え食品・加工食品に義務付けられています。
消費者が安心して食品を選べるようにするためです。
不適当です。
iPS細胞とは、細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞のことです。
iPS細胞は患者自身の細胞から作成できるため、
ES細胞に比べ免疫拒絶反応が起きにくいとされています。
ES細胞は、
ヒトの発生初期段階である胚の内部細胞塊から取り出して培養される幹細胞です。
ES細胞は他人由来の胚から作られるため、
iPS細胞に比べ免疫拒絶反応が起きやすいとされています。
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02
この問題では、生命工学に関する基本的知識を押さえておく必要があります。
適切
ヒトゲノムと人権に関する世界宣言は、1997年に採択され「何人も、その遺伝的特徴の如何を問わず、その尊厳と人権を尊重される権利を有する」と宣言しています。
不適切
日本では、ヒトクローン(クローン人間)の作成を規制するクローン技術規制法が2000年に公布され、2001年から施行されました。
不適切
遺伝子組み換え作物を使った食品については、食品表示法によって、その表示が義務付けられています。
不適切
iPS細胞はES細胞とは異なり、患者自身の細胞から作成することができるため、移植などをする場合に、拒絶反応が起きにくいとされています。
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