大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問16 (<旧課程>現代社会(第3問) 問3)
問題文
ホシノさんは、講義中で取り上げられていた信用創造について、どのような過程で起こるのか確認するために、教科書に倣い図と説明文を作ってみた。ホシノさんが作成した次の図や説明文にある( ア )~( ウ )に入る数字の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
説明文
これは預金(支払い)準備率が( ア )%で、各銀行が預金(支払い)準備率を満たす必要最低限度の準備金を中央銀行に預け、残りの預金はすべて融資に回すものとした場合の例である。この場合、A銀行は過不足なく準備金を中央銀行に預け、預金増加額のうち残りの700万すべてを資金運用のためE社に融資する。また、E社から預金を受け入れたB銀行はA銀行と同様の行動を取り、F社へは( イ )万貸し出す。このときF社がC銀行に( イ )万すべてを預けた段階で、これら三つの銀行が受け入れた預金の増加額は、D社が最初に預け入れた1000万の倍以上に増えており、社会全体の通貨供給量が増えていることが分かる。
なお、預金(支払い)準備率が40%の場合には、図中のA銀行からE社への融資及びE社からB銀行への預金は600万となり、B銀行からF社への融資及びF社からC銀行への預金の数字も変わる。したがって預金準備率が40%の場合に三つの銀行が受け入れた預金の増加額は( ウ )万となり、準備率が低いほど信用創造の効果は大きくなることが分かる。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問16(<旧課程>現代社会(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
ホシノさんは、講義中で取り上げられていた信用創造について、どのような過程で起こるのか確認するために、教科書に倣い図と説明文を作ってみた。ホシノさんが作成した次の図や説明文にある( ア )~( ウ )に入る数字の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
説明文
これは預金(支払い)準備率が( ア )%で、各銀行が預金(支払い)準備率を満たす必要最低限度の準備金を中央銀行に預け、残りの預金はすべて融資に回すものとした場合の例である。この場合、A銀行は過不足なく準備金を中央銀行に預け、預金増加額のうち残りの700万すべてを資金運用のためE社に融資する。また、E社から預金を受け入れたB銀行はA銀行と同様の行動を取り、F社へは( イ )万貸し出す。このときF社がC銀行に( イ )万すべてを預けた段階で、これら三つの銀行が受け入れた預金の増加額は、D社が最初に預け入れた1000万の倍以上に増えており、社会全体の通貨供給量が増えていることが分かる。
なお、預金(支払い)準備率が40%の場合には、図中のA銀行からE社への融資及びE社からB銀行への預金は600万となり、B銀行からF社への融資及びF社からC銀行への預金の数字も変わる。したがって預金準備率が40%の場合に三つの銀行が受け入れた預金の増加額は( ウ )万となり、準備率が低いほど信用創造の効果は大きくなることが分かる。
- ア:30 イ:490 ウ:1960
- ア:70 イ:490 ウ:2190
- ア:30 イ:420 ウ:2120
- ア:70 イ:490 ウ:1960
- ア:30 イ:490 ウ:2190
- ア:70 イ:420 ウ:1960
- ア:30 イ:420 ウ:1960
- ア:70 イ:420 ウ:2120
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この過去問の解説 (2件)
01
信用創造についての理解が問われる問題です。
信用創造とは、銀行が貸しつけを繰り返すことによって、当初の何倍もの融資通貨を生み出すことです。
実際に計算することで、信用創造の仕組みがどう成り立っているのかを実感することができますので、計算に取り組んでみましょう。
正しいです。
①預金準備率(ア)%の計算方法
説明文冒頭より、「預金(支払い)準備率が(ア)%で、各銀行が預金(支払い)準備率を満たす必要最低限度の準備金を中央銀行に預け、残りの預金はすべて融資に回すものとした場合の例である。」とあるので、まず預金準備率(ア)%を求めていきます。
A銀行の例を見てみましょう。
「A銀行は過不足なく準備金を中央銀行に預け、預金増加額のうち残りの700万すべてを資金運用のためE社に融資する。」とあります。
これより、A銀行は1000万のうち700万は融資に回しており、
その差額である300万を準備金として中央銀行に預けていると読み取れるので、
預金準備率は30%(300÷1000=0.3→30%)(=ア)となります。
②(イ)の計算方法
つぎに、B銀行がF社に融資するときの金額=(イ)万を計算していきましょう。
先ほど、預金準備率は30%だと分かったので、B銀行の準備金は、次の式で求められます。
700×0.3=210
そうすると、B銀行はF社に融資できる額を次の式で計算します。
700-210=490(=イ)
(※一度に計算したい場合は、700×(1-0.3)=490で求めることができます。)
③(ウ)の計算方法
最後に、預金準備率が40%の場合に三つの銀行が受け入れた預金の増加額=(ウ)を計算しましょう。
金額は②と同じ方法で計算していきます。
D社からA社への預金は1000万、E社からB銀行への預金は600万となり、F社からC社への預金は360万(600×(1-0.4))となります。
これらを全て足し合わせると、1000+600+360=1960(=ウ)となります。
→よって正解は1「ア:30 イ:490 ウ:1960」です。
説明文をよく読み、順序立てて、預金準備率や融資額、預金の増加額を計算していけば解ける問題です。
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02
信用創造に関する問題です。
信用創造とは、銀行が預金の一部の貸し出しを行うことで、預金通貨を増やし、経済全体のお金の量を増やしていく仕組みのことです。
ア D社の1000万円がA銀行によってE社に700万円分融資されたので、預金として残っているのは300万円です。よって、預金準備率は300万÷1000万×100で30%です。
イ アと同じことがされるので、預金準備率30%のもとで貸し出されるのは700万×(1-0.3)
=490万円が貸し出されます。
ウ 預金準備率が40%のとき、三つの銀行の預金の受け入れ額は1000万+600万+360万=1960万円となります。
ちなみに、預金準備率が30%のとき、三つの銀行の預金の受け入れ額は1000万+700万+490万=2190万円です。
正しいです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
信用創造は理解するのが難しいところです。
図を用いたり、実際に計算してみたりして、しっかり理解できるようにしましょう。
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