大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問15 (<旧課程>現代社会(第3問) 問2)
問題文
ホシノさんは、不況が長期化した原因として講義中に何度も指摘されていた、回収が困難となった金融機関の貸付金などの、いわゆる「不良債権」に対する理解が不十分なままだと感じていた。そこでテレビドラマで見た次の事例が不良債権に該当するか、「平成十年金融再生委員会規則第二号」を基にして講義中に作成した後のメモを読み直して考えてみることにした。次の事例が後のメモにある分類のいずれに当てはまるかを考えたとき、その答えとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
事例:延滞はしていないが今期の業績が赤字に転落し、このままでは今月の返済が遅れるかもしれないため、銀行がリスケジューリング(リスケジュール)を行った会社に対する債権。
メモ
金融機関の有する不良債権の分類(返済可能性の低い順)
I 「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」・・・破産手続や更生手続、再生手続を開始しているなど経営が破綻していると判断される人や会社に対する債権。
Ⅱ 「危険債権」・・・経営破綻の状態とまではいえないが、財政状態や経営成績が悪化し、(延滞が長期にわたるなどして)元金または利息が回収できない見込みが高い人や会社に対する債権。
Ⅲ 「要管理債権」・・・期日を3か月過ぎても元金または利息の返済が滞っているか、経済的困難に陥った借り手への支援や元金及び利息の回収促進などを目的に金利減免や債務返済の繰延べなどの、「救済措置」が与えられた人や会社に対する債権。(I、IIに該当する債権を除く)
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問15(<旧課程>現代社会(第3問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
ホシノさんは、不況が長期化した原因として講義中に何度も指摘されていた、回収が困難となった金融機関の貸付金などの、いわゆる「不良債権」に対する理解が不十分なままだと感じていた。そこでテレビドラマで見た次の事例が不良債権に該当するか、「平成十年金融再生委員会規則第二号」を基にして講義中に作成した後のメモを読み直して考えてみることにした。次の事例が後のメモにある分類のいずれに当てはまるかを考えたとき、その答えとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
事例:延滞はしていないが今期の業績が赤字に転落し、このままでは今月の返済が遅れるかもしれないため、銀行がリスケジューリング(リスケジュール)を行った会社に対する債権。
メモ
金融機関の有する不良債権の分類(返済可能性の低い順)
I 「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」・・・破産手続や更生手続、再生手続を開始しているなど経営が破綻していると判断される人や会社に対する債権。
Ⅱ 「危険債権」・・・経営破綻の状態とまではいえないが、財政状態や経営成績が悪化し、(延滞が長期にわたるなどして)元金または利息が回収できない見込みが高い人や会社に対する債権。
Ⅲ 「要管理債権」・・・期日を3か月過ぎても元金または利息の返済が滞っているか、経済的困難に陥った借り手への支援や元金及び利息の回収促進などを目的に金利減免や債務返済の繰延べなどの、「救済措置」が与えられた人や会社に対する債権。(I、IIに該当する債権を除く)
- 「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」
- 「危険債権」
- 「要管理債権」
- いずれにも当てはまらない(不良債権ではない)
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この過去問の解説 (2件)
01
事例が不良債権のどの分類に当てはまるかを判別する問題です。
特に、リスケジューリング(リスケジュール)が行われているかどうかに注目する必要があります。
正しいです。
問題文では、事例について、「延滞はしていないが今期の業績が赤字に転落し、このままでは今月の返済が遅れるかもしれないため、銀行がリスケジューリング(リスケジュール)を行った会社に対する債権。」と説明されています。
それでは、メモ📝に書かれた不良債権の分類Ⅰ−Ⅲのどれに当てはまるかを順番に見てみましょう。
Ⅰ 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
「破産手続や更生手続、再生手続を開始しているなど経営が破綻していると判断される人や会社に対する債権」とありますが、事例ではまだ「今月の返済が遅れるかも」という段階なので、「破産手続や更生手続、再生手続を開始しているなど経営が破綻している」とは言えません。
よって誤りです。
Ⅱ 危険債権
「(延滞が長期にわたるなどして)元金または利息が回収できない見込みが高い人や会社に対する債権」とありますが、事例の「今月の返済が遅れるかも」という部分に注目すると、「延滞が長期にわたる」とまでは言えないでしょう。よって誤りです。
Ⅲ 要管理債権
「債務返済の繰延べなどの、『救済措置』が与えられた人や会社に対する債権」と書かれています。
今回の事例は、リスケジュール(=「救済措置」)が行われているので、この分類に該当します。
問題文をよく読めば、どの分類に当てはまるかを推論できる問題となっています。
今回の問題では、リスケジューリング(リスケジュール)が行われているかどうかが、判別のポイントとなりました。
また、リスケジュールが救済措置であることに気づけるかどうかも重要です。
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02
事例が不良債権のどれにあてはまるのかを考える問題です。
誤りです。
延滞をしておらず、破産手続きなどもしていないので、「破産手続や更生手続、再生手続を開始しているなど」にあてはまりません。
誤りです。
延滞はしていないので、延滞が長期に続いている場合にあてはまりません。
正しいです。
延滞はしていませんが、銀行のリスケジューリングを受けたことは救済措置に当たります。
よって、要管理債権になります。
誤りです。
銀行からリスケジューリングを受けているので、不良債権となります。
不良債権の定義が提示されているので、定義と突き合わせて丁寧に考えることがポイントです。
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