大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問50 (公共,政治・経済(第5問) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問50(公共,政治・経済(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、「政治・経済」の授業において、「少子高齢社会における課題と対策」というテーマについて次のように話し合っている。これに関して、後の問いに答えよ。

X:日本では、今後、少子高齢化と(a)人口減少がますます進んでいくね。現役世代の人口が減少すれば労働力不足も生じるんじゃないかな。この問題にどのように対処していけばいいんだろう。
Y:いろいろな対策が考えられるけど、私は、(b)女性の就業を促進することが重要だと思うな。たとえば、男女にかかわらず育児休業の取得を推進するなど、子育てと仕事の両立をもっと支援することが必要じゃないかな。日本は、ヨーロッパの先進国と比べて、(c)社会支出の中で子育て世代に対する支出の割合が小さいといわれているからね。少子化問題の対策にもなるかもしれないよ。
X:その通りだけど、女性の就業の問題は人権の観点からも考える必要があるね。たとえば、社会における(d)ジェンダー平等の実現も、だれもが働きやすい環境を整備する上で重要だと思うな。
Y:少子高齢化が進めば社会保障制度を維持するのも難しくなるね。公的年金の受給額の減額も考える必要があるのかな。
X:ただ、公的年金の受給額や介護保険サービスを抑制すると、安心して老後を過ごせないし、生活に困る人が増えるんじゃないかな。
Y:日本国憲法は(e)生存権を保障して、社会福祉の向上と増進を国に義務づけているから、その理念も踏まえて、多くの人が納得できる制度を構築する必要があるね。そのためにも、さまざまな世代が積極的に(f)政治参加をする必要があると思うな。

下線部(d)に関連して、生徒Xと生徒Yは、婚姻の際の夫婦同氏制を定める民法の規定の合憲性に関する2015年の最高裁判所判決についての次の資料をみながら話をしている。後の会話文中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

〇最高裁判所の多数意見
「氏は、家族の呼称としての意義があるところ、現行の民法の下においても、家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位と捉えられ、その呼称を一つに定めることには合理性が認められる。」
〇岡部喜代子裁判官の個別意見
「本件規定は、昭和22年の民法改正後、社会の変化とともにその合理性は徐々に揺らぎ、少なくとも現時点においては、夫婦が別の氏を称することを認めないものである点において、個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っており、憲法24条に違反するものといわざるを得ない。」
(出所)最高裁判所民事判例集69巻8号

X:この判決には、多数意見とは異なる岡部裁判官の個別意見がついているよ。夫婦同氏制をめぐる争いの背景には、( ア )が増えて、氏の変更に伴う不利益に直面する人々の存在があるね。具体的な不利益は何だろう。
Y:たとえば、婚姻により氏を変更した場合、その婚姻中は( イ )の識別に困難が生じやすくなるね。個別意見もその点に着目しているのかな。
X:この後も繰り返し訴訟が提起されているようだね。もっと調べてみよう。
  • ア:婚姻後も就労する女性   イ:変更前の人物と同一人物であるか
  • ア:婚姻後も就労する女性   イ:自身の婚内子(嫡出子)との親子関係
  • ア:育児休業を取得する男性  イ:変更前の人物と同一人物であるか
  • ア:育児休業を取得する男性  イ:自身の婚内子(嫡出子)との親子関係

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説

まだ、解説がありません。