共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問46 (公共,政治・経済(第5問) 問1)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問46(公共,政治・経済(第5問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒X、生徒Y、生徒Zは、「政治・経済」の授業で関心をもった問題について調べることにし、調べる内容について次のように話し合っている。これに関して、後の問いに答えよ。

X:今日の授業では日本における労働や賃金格差の問題について学習したけれど、こういった問題が生じているのは日本だけではなさそうだね。諸外国における労働問題や(a)さまざまな格差と貧困の問題についても知りたいな。
Y:私も(b)日本以外の国の労働問題について調べてみたいと思ったんだ。(c)労働環境と福祉政策との関係についても気になるところだよ。
Z:そうだね。さらにいえば、(d)労働法や労働組合など、働いている人を守る仕組みは国によってどのように違うのかな。
X:私は(e)労働組合の組織率が労働時間や労働生産性とどのように関係しているのかについても、国際比較をしてみたいな。
Y:それでは、労働問題を中心に、本を読んだりデータを集めたりして国際比較をしていく中で、(f)日本における労働や雇用の特徴についてもさらに考えていこうか。

生徒Xは、下線部(a)の事例とそれらへの対策について調べた。現代における格差や貧困に関する記述として正しいものを、次のうちから一つ選べ。
  • 発展途上国の低所得層に向けて製品やサービスを販売して利益を得つつ、低所得層の生活水準の向上に資する企業の活動を、BOPビジネスという。
  • すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度を、ミニマム・アクセスという。
  • 情報通信技術を使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との間に生じる格差を、トレードオフという。
  • ある国における全世帯の年間可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合を、絶対的貧困率という。

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この過去問の解説 (3件)

01

さまざまな格差と貧困の問題についての知識を問われている問題です。

選択肢1. 発展途上国の低所得層に向けて製品やサービスを販売して利益を得つつ、低所得層の生活水準の向上に資する企業の活動を、BOPビジネスという。

正しいです。
 

BOP「Base of the Pyramid」(ピラミッドの下層部)の略です。
世界の人口の過半数を占める低所得消費者のことです。
 

選択肢2. すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度を、ミニマム・アクセスという。

誤りです。
 

これはベーシックインカムについての説明です。
2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による景気の悪化や失業率の上昇をきっかけに、大きな注目を集めました。
 


ミニマム・アクセスとは、「最低限(ミニマム)これだけは輸入(アクセス)する」

と国際的に約束した品目のことです。 

世界貿易機関(WTO)が自由貿易を推進するために定めた仕組みです。
 

選択肢3. 情報通信技術を使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との間に生じる格差を、トレードオフという。

誤りです。
 

これはデジタル・デバイド(情報格差)についての説明です。

 

 

トレードオフとは、何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことです。
例えば、高品質と低価格のバランスなどのことを指します。
 

選択肢4. ある国における全世帯の年間可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合を、絶対的貧困率という。

誤りです。
 

これは相対的貧困率についての説明です。

 

 

絶対的貧困率とは、

生存に必要な最低限の水準を満たせない生活を送る人の割合のことです。
世界銀行の定義によると、世界の4人に1人が絶対的貧困層に該当するとされています。

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02

貧困と格差に関する語句と意味を正確に覚えているかが問われました。

選択肢1. 発展途上国の低所得層に向けて製品やサービスを販売して利益を得つつ、低所得層の生活水準の向上に資する企業の活動を、BOPビジネスという。

正答です。

BOPビジネスBase Of Pyramid、ピラミッドの底といわれ、貧困層の生活改善と企業利益の両立を目指す点が特徴的です。

選択肢2. すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度を、ミニマム・アクセスという。

不適当です。

すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度」はベーシックインカムと呼ばれます。

ミニマム・アクセスとは、一定量の農産物輸入を受け入れる制度で日本のコメ輸入問題でよく出てくる言葉です。

選択肢3. 情報通信技術を使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との間に生じる格差を、トレードオフという。

不適当です。

デジタルデバイドの説明です。

トレードオフとは、資源の総量が決まっているため、一方が多く得ればもう一方の得られる量は減るという経済学の概念です。

 

選択肢4. ある国における全世帯の年間可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合を、絶対的貧困率という。

不適当です。

相対的貧困率の説明になってしまっています。

可処分所得は税金や社会保険料を除いて実際に使える所得のことをいいます。

中央値とは低い順から並べて真ん中に位置する値のことをいい、平均値と異なり「外れ値」のような異様に大きい(小さい)値の影響を受けにくくする特徴があります。

絶対的貧困とは、食べ物もないといった生存に必要な最低限の生活すら困難な状況を指します。

まとめ

BOPビジネスはやや、マイナーな言葉ですが、誤答の選択肢の言葉が頻出なので、消去法などで対処することも可能だったのではないでしょうか。

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03

格差や貧困に関するワードの知識問題です。

選択肢1. 発展途上国の低所得層に向けて製品やサービスを販売して利益を得つつ、低所得層の生活水準の向上に資する企業の活動を、BOPビジネスという。

正答です。


BOPとはBase of the Pyramid(ピラミッドの底)のイニシャリズムです。
日本企業も多くBOPビジネスに参画しており、発展途上国の健康や衛生の維持・向上に貢献しています。

選択肢2. すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度を、ミニマム・アクセスという。

不適です。
「すべての国民に対して個別の事情によらず無条件に現金を定期的に給付する制度」はベーシックインカムです。


ミニマム・アクセス最低輸入量のことです。
ウルグアイ・ラウンドにて農産物の完全な関税化を要求された日本は、米以外の農産物については承諾したものの、米は関税化の代わりとしてミニマム・アクセスを受け入れることで妥協しました。それまでの日本は米の輸入について厳しい制限をかけていましたが、1993年以降は部分的な米の市場開放を行うこととなり、1999年には関税化しました。
 

選択肢3. 情報通信技術を使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との間に生じる格差を、トレードオフという。

不適です。


「情報通信技術を使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との間に生じる格差」をデジタル・デバイドと呼びます。


トレードオフとは、一方を選んだとき、他方を得られないという二者択一のことを指します。

また、そのときに考えられる得られない利益機会費用といいます。

選択肢4. ある国における全世帯の年間可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合を、絶対的貧困率という。

不適です。


「ある国における全世帯の年間可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合」を相対的貧困といいます。


絶対的貧困率とは、人間らしい生活を送るのに最低限必要な食糧などが確保できていない、もしくはそれが困難で生存の危機にあるような貧困状態にある人の割合を指します。

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