大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問1 (公共,倫理(第3問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問1(公共,倫理(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の場面1の会話文を読み、後の問いに答えよ。

場面1  放課後に、生徒Aと生徒Bが次の会話をしている。

A:昨日、「推し」のライブに行ってきたのだけど、「推し」が他のメンバーの誰よりもひときわ輝いて歌っていて。その姿が尊くて、祈るような気持ちで見ていた。
B:「推し」って、応援している対象のことだよね。「神」なんて呼んでしまう人もいるけど、「推し」ってそんなにあがめる対象なの?例えば、「推し」が悪いことをしてもあがめるの?
A:さすがにそこまで妄信しているわけではないけれど…。私の「推し」は、たとえて言えば、(a)ギリシア彫刻のように美しくて、すごいオーラがあるよ。誰が見ても理想的な美しさだと思うはずだけど。
B:でも、どんなものに美しさを感じるのかは、人それぞれなのではないかな?芸術作品にもいろいろな美しさがあるよね。芸術の受け止め方も、時代や民族、(b)宗教によって異なっているでしょう?
A:そうだね。美しいというのも、姿かたちのことだけではなく、振る舞いや精神の美しさもある。美しいとはどういうことかという問題は、奥が深そうだね。
B:そういえば、キリスト教では、(c)神と美との関係について思索している人もいるらしいよ。

下線部(a)に関連して、古代ギリシアの思想における美についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • ヘシオドスは、『神統記』で神々の誕生と系譜を整理し、神々の思惑に翻弄されながらも懸命に生きる人間の姿を、美しいものとして描いた。
  • デモクリトスは、無数の原子を想定し、それを超えた根源に万物の秩序として数的比例の美があると考えた。
  • ソクラテスは、善や美に関する無知の自覚を重視し、人々に相対主義的な考え方を浸透させようとして弁論術を駆使した。
  • プラトンは、様々な美しいものへの欲求をエロースと呼び、それは究極的には絶対的な美そのものに向かうとした。

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この過去問の解説 (2件)

01

古代ギリシャの思想家に関する問題です。

選択肢1. ヘシオドスは、『神統記』で神々の誕生と系譜を整理し、神々の思惑に翻弄されながらも懸命に生きる人間の姿を、美しいものとして描いた。

誤文です。
ヘシオドスは、「神々の思惑に翻弄されながらも懸命に生きる人間の姿を、美しいものとして描いた」わけではありません。

これはホメロスの叙事詩の内容を意図した文章と考えられます。


「『神統記』で神々の誕生と系譜を整理」したというのは正文です。

選択肢2. デモクリトスは、無数の原子を想定し、それを超えた根源に万物の秩序として数的比例の美があると考えた。

誤文です。
デモクリトスは「万物の秩序として数的比例の美があると考えた」わけではありません。
これはピタゴラスの思想です。


「無数の原子を想定し」というのは正文です。
彼はあらゆる物質が原子(アトム)と空虚からできていると論じました。

選択肢3. ソクラテスは、善や美に関する無知の自覚を重視し、人々に相対主義的な考え方を浸透させようとして弁論術を駆使した。

誤文です。
ソクラテスは「人々に相対主義的な考え方を浸透させようとして弁論術を駆使した」わけではありません。
これはむしろソクラテスと対立したソフィストたちのことです。
彼らは相対主義的思考から物事を都合よく解釈し、弁論術という名の詭弁を弄していました
また、これが英語"sophistry"の語源にもなっています。

選択肢4. プラトンは、様々な美しいものへの欲求をエロースと呼び、それは究極的には絶対的な美そのものに向かうとした。

正文です。

 

「絶対的な美そのもの」はつまり美のイデアです。
エロースよってイデアを想起(アナムネーシス)するのです。

まとめ

古代ギリシャの人物は名前が似た雰囲気であることも多く覚えづらいかもしれませんが、演習と間違えた人物の復習を繰り返すことで次第に名前とその人のイメージを結びつけることができるようになります。

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02

古代ギリシアの思想における美についての問題です。
古代ギリシアの人物は多く、思想も様々で覚えるのが大変な分野ですね。

 

分からなかったものはしっかりと復習をして、覚えていきましょう。

選択肢1. ヘシオドスは、『神統記』で神々の誕生と系譜を整理し、神々の思惑に翻弄されながらも懸命に生きる人間の姿を、美しいものとして描いた。

誤った内容です。


ヘシオドスは、紀元前700年頃の古代ギリシアで、詩を作っていた人です。
神話や伝説上の人物ではなく、実在している人物です。


『神統記』は、それまでの複雑あるいは乱雑であったギリシアの神々を、系統的な秩序にまとめ上げ、

オリンポスの神々の信仰を確立した詩です。

「神々の思惑に翻弄されながらも懸命に生きる人間の姿を、美しいものとして描いた」ものではありません。


他にも著作として、『労働と日々』があります。

 

 

選択肢2. デモクリトスは、無数の原子を想定し、それを超えた根源に万物の秩序として数的比例の美があると考えた。

誤った内容です。

 

デモクリトスは、紀元前5世紀末頃の古代ギリシアの哲学者です。


原子論とは、物質の根源には、目に見えない、

それ以上分割することのできない、「原子」が存在すると考えたものです。
 

数的比例の美がある」とは考えていません。

選択肢3. ソクラテスは、善や美に関する無知の自覚を重視し、人々に相対主義的な考え方を浸透させようとして弁論術を駆使した。

誤った内容です。

 

ソクラテスは、古代ギリシアを代表する哲学者です。


ソクラテスは、相対主義的な考え方ではなく討論をして、対話法で真理を追究していました。
その方法で、真実について「無知」であることの自覚を説きました。
 

選択肢4. プラトンは、様々な美しいものへの欲求をエロースと呼び、それは究極的には絶対的な美そのものに向かうとした。

正しい内容です。

 

プラトンは、紀元前4世紀頃の古代ギリシアの哲学者です。
ソクラテスの弟子として知られています。

 

エロースとは、ギリシャ神話における愛と美の神です。
また、「愛」を表す言葉でもありました。

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