大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問35 (<旧課程>倫理(第1問) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問35(<旧課程>倫理(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのAとBは各々全て同じ人物である。

次の会話は、ある日の放課後に高校生AとBが交わしたものである。

A:うちの担任、a 比喩やたとえが好きだよね。今日のホームルームで言ってた「人生はエクレア*のようだ」って比喩の意味、どう思う?明日のホームルームで説明するからそれまでに意味を考えてくるよう言われたでしょ。
B:ぼんやり食べてるとクリームが垂れちゃうってことじゃない?チャンスは逃すな、という感じかな。よく言われることだけれど、エクレアのクリームを気にしながら食べるイメージのおかげでb 言いたいことがよく伝わるよ。
A:そうなの?私にとってエクレアはただ甘いものってイメージだから、人生はエクレアのように甘いって意味だと思っていたよ。
B:いや、さすがにそのc 解釈は間違っているんじゃないかな。人生が甘いだなんて、高校の先生がそんなメッセージは生徒に伝えないよ。
A:それもそうか…。あ、もしかしたら先生、堂々とそんなこと学校で教えられないから、比喩でそのメッセージを伝えようとしたのかも!
B:どうだろう、あの先生の口癖「人生をなめちゃだめ」だし。比喩ってなんか怖いな、自分の言いたいことが違う意味で、もしかしたらまったく逆の意味で理解されるかもしれないなんて。
A:でも、それだけ色々な意味が込められるところにこそ、比喩の価値はあるんじゃないかな。もしかしたら比喩を生み出すことのできるd 言葉そのもののすばらしさもそこにあるのかもしれない。
B:そういえば倫理の授業で古代の思想や宗教について勉強したとき、色々な比喩が出てきたよね。一緒に図書館に行って探してみようか。

*エクレア:細長いシュークリームの上にチョコレートをかけた洋菓子

下線部dに関して、次のア〜エは、様々な宗教や思想における言葉の役割についての説明である。ア〜エから適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  老子のいう道は、それ自体を人間の感覚では捉えることができず、言葉で語ったり名付けたりできないという意味で「無」とも呼ばれる。
イ  古代イスラエルでは、イザヤなど神の言葉を伝える預言者が活躍し、バビロン捕囚のような苦難の原因は、民衆が神に背いたことにあると批判した。
ウ  イスラームの信者の義務には信仰(六信)と行為(五行)があり、信仰告白は、その文言を文字通り信じるという意味で「六信」の一つである。
エ  ブッダは苦にも楽にも偏らない中道を教え、詳しくは八正道の実践を説いたが、そのうちの一つが正しい言葉を語る「正語」である。
  • アとイ
  • アとエ
  • イとウ
  • ウとエ
  • アとイとウ
  • アとイとエ
  • アとウとエ
  • イとウとエ
  • アとイとウとエ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

答えは「ア・イ・エ」です。

この問題は、様々な思想の基本的な用語・特徴を押さえる必要があります。

 

では選択肢をそれぞれ見ていきましょう。

 

ア 老子についてです。「道」とは万物を生み成長させる、あらゆるものの根源であり、これは人間の感覚でも言葉でも捉えることが出来ないものであるとしました。このことは「」とも呼ばれます。よってアは適切な文章です。

 

イ これはメシア思想についてです。預言者とは、社会と宗教のあり方を批判し、神の言葉を人々に伝える存在です。預言者たちはメシア(救世主)の到来を予言しました。その中で預言者エレミヤは、「神はバビロン捕囚という形で律法を守らなかった人々(民衆)へ罰を与えた」「神はイスラエル人の不義を許し、メシアをこの世に送る」と予言しました。よってイも適切な文章です。

 

ウ イスラーム教についてです。この問題は、イスラーム教で覚えておくべき「六信(アッラー・天使・聖典・預言者・来世・天命)・五行(信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼)」の文章になります。信仰告白は「行為」にあたります。よってこれは不適切な文章です。

 

エ ブッダに関する文章です。八正道とは理想の境地にいたる正しい道(修行)を表しています。八正道には「正見」「正思」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」があります。「正しい言葉を語る」のはもちろん「正語」になります。よってこの文章は適切です。

参考になった数0

02

正解は「ア・イ・エ」です。

 

この問題は源流思想についての出題です。

 

 

老子は、形式に流されやすい儒家を批判し、争うことなく、道(タオ)に従い、これと一体となって生きることが、人本来の幸福な生き方である説きました。

 

イザヤは、ユダヤ教の預言者の一人であり、形骸化した儀式を悔い改めない民に対して、バビロン捕囚という神の裁きが下ることを預言しました。

 

イスラームとは、ムハンマドが伝えた、唯一神アッラーへの信仰を基本とする宗教です。イスラームには六信・五行という宗教的なつとめがあり、六信はアッラー・天使・聖典・預言者・来世・天命の6つ、五行は信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼の5つから構成されています。

 

ブッダは、解脱には苦にも楽にも偏らない中道に徹することが大切であり、解脱の妨げとなるとなるものを断ち切るために、八正道の実践を説きました。八正道は、正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定の8つから構成されています。

選択肢1. アとイ

不適切

先に述べたように、選択肢ウの信仰告白は六信ではなく五行の一つです。

選択肢2. アとエ

不適切

正解の選択肢イが含まれていません。

選択肢3. イとウ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

選択肢4. ウとエ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

選択肢5. アとイとウ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

選択肢6. アとイとエ

適切

適当な選択肢ア・イ・エがすべて含まれています。

選択肢7. アとウとエ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

選択肢8. イとウとエ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

選択肢9. アとイとウとエ

不適切

先に述べたように、選択肢ウが不適切です。

まとめ

源流思想の範囲は覚えることが多いので、ポイントを押さえて確実に得点できるように頑張りましょう👍

参考になった数0