大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問22 (<旧課程>現代社会(第4問) 問1)
問題文
会話文
マキタ:先生のお話では、第二次世界大戦が起きた背景に保護主義があったそうですね。その反省から、自由貿易を基本の一つとした国際経済秩序が構築されてきたとのことですが、なぜ自由貿易が必要とされているのですか。
先生:根底に、a 比較生産費説があります。この学説に基づけば、自由貿易が国際分業による世界の豊かさの増大をもたらすと評価できます。
マキタ:自由貿易体制が機能すれば、世界は豊かになり、b 世界平和にも貢献するかもしれないですよね。
先生:確かにそのとおりですが、実際には国際的に大きな格差があります。世界各地に貧困問題の深刻な地域があります。
マキタ:では、c 国際的な格差の克服のためにできることはありますか。
先生:現在、世界で様々な試みが行われています。そのなかには身近でできることもありますよ。
下線部aに関して、次の条件1の下でX国とY国との貿易を考える。後の表1は、貿易開始前のX国とY国において毛織物とぶどう酒のそれぞれ1単位の生産に必要とされる労働者数をまとめたものである。表1についての記述として最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
条件1
・毛織物とぶどう酒は労働のみを用いて生産され、すべての労働者は生産に投入されるものとする。
・生産に投入できる労働者の総数は、X国で90人、Y国で240人とする。
・それぞれの国内で労働者は産業間を自由に移動できるが、国境を越えて移動することはできないものとする。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問22(<旧課程>現代社会(第4問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
会話文
マキタ:先生のお話では、第二次世界大戦が起きた背景に保護主義があったそうですね。その反省から、自由貿易を基本の一つとした国際経済秩序が構築されてきたとのことですが、なぜ自由貿易が必要とされているのですか。
先生:根底に、a 比較生産費説があります。この学説に基づけば、自由貿易が国際分業による世界の豊かさの増大をもたらすと評価できます。
マキタ:自由貿易体制が機能すれば、世界は豊かになり、b 世界平和にも貢献するかもしれないですよね。
先生:確かにそのとおりですが、実際には国際的に大きな格差があります。世界各地に貧困問題の深刻な地域があります。
マキタ:では、c 国際的な格差の克服のためにできることはありますか。
先生:現在、世界で様々な試みが行われています。そのなかには身近でできることもありますよ。
下線部aに関して、次の条件1の下でX国とY国との貿易を考える。後の表1は、貿易開始前のX国とY国において毛織物とぶどう酒のそれぞれ1単位の生産に必要とされる労働者数をまとめたものである。表1についての記述として最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
条件1
・毛織物とぶどう酒は労働のみを用いて生産され、すべての労働者は生産に投入されるものとする。
・生産に投入できる労働者の総数は、X国で90人、Y国で240人とする。
・それぞれの国内で労働者は産業間を自由に移動できるが、国境を越えて移動することはできないものとする。
- 貿易開始前において、毛織物1単位の生産を取りやめたとき、その代わりに増産できるぶどう酒の生産量は、X国がY国よりも大きい。
- 貿易開始前において、ぶどう酒1単位の生産を取りやめたとき、その代わりに増産できる毛織物の生産量は、Y国がX国よりも小さい。
- 貿易開始前の労働者一人当たりの生産量について、いずれの財においてもX国はY国よりも小さい。
- X国が毛織物のみを、Y国がぶどう酒のみを生産し貿易すると、各財の両国全体での生産量は、いずれの財においても貿易開始前より大きくなる。
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この過去問の解説 (1件)
01
比較優位と機会費用に関する問題です。
正しいです。
毛織物の機会費用に関する問題です。
貿易開始前において、
(X国の毛織物1単位の機会費用)
= 50人 ÷ 40人
= 1.25単位のぶどう酒
(Y国の毛織物1単位の機会費用)
= 80人 ÷ 160人
= 0.5単位のぶどう酒
よって、X国がY国よりも大きいため、正しいです。
誤りです。
ぶどう酒の機会費用に関する問題です。
貿易開始前において、
(X国のぶどう酒1単位の機会費用)
= 40人 ÷ 50人
= 0.8単位の毛織物
(Y国のぶどう酒1単位の機会費用)
= 160人 ÷ 80人
= 2単位の毛織物
よって、Y国がX国よりも大きいため、誤りです。
誤りです。
貿易開始前の労働者一人当たりの生産量は以下の通りです。
よって、いずれの財においてもX国はY国よりも大きいため、誤りです。
誤りです。
選択肢1, 2の内容から、X国はぶどう酒、Y国は毛織物に比較優位があることが分かります。
よって、X国がぶどう酒のみを、Y国が毛織物のみを生産し貿易する方がより効率的な生産が可能となります。
また、比較優位論に基づいて効率的な生産を行っても、
必ずしも「いずれの財においても貿易開始前より大きくなる」とは限りません。
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