大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問9 (<旧課程>現代社会(第2問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問9(<旧課程>現代社会(第2問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のモリヤさんは、大学のオープンキャンパスに参加し、模擬授業を受け、国家の役割について学んだ。授業後、モリヤさんは大学の先生と話をした。次の会話文を読んで、後の問いに答えよ。

会話文
先生:資本主義の発展に伴って富の偏在が起こると、社会的・経済的弱者を救済するために、失業対策や社会保障にまで国家の役割が拡大しました。このような役割を国家がきちんと果たすためには、社会・経済の状況変化に合わせて政策を柔軟に対応させる必要があります。
モリヤ:私の家はコメ農家ですが、時代とともにa 農業政策も変わっていったと聞きました。社会状況に合わせて政策を変えるのも大変そうですね。
先生:そのとおりです。また、国家が政策を実施すべき分野は実に様々ですから、b 行政もそれぞれの分野に対応できるように組織されている必要があります。中央政府に多くの省庁があるのはそのためですね。さらに、国家もお金がなければ活動できないので、c 租税による収入が大切だと言えます。
モリヤ:国家が役割をきちんと果たすためには、資金調達の問題まで考えないといけないのですね。

下線部aに関して、日本の農業に関わる政策や法制度についての記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 農業基本法が廃止され、食料の安定供給や農村振興等を基本理念とする食料・農業・農村基本法が制定された。
  • コメの過剰生産を抑制するために、生産量を調整する減反政策が現在も行われている。
  • 日本がコメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなった多角的貿易交渉は、東京ラウンドである。
  • 企業等が農業に参入することによる農地の有効利用等を目的として、新食糧法が制定された。

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この過去問の解説 (3件)

01

私たちの主食であるコメに関する法律、政策についての問題です。

 

選択肢1. 農業基本法が廃止され、食料の安定供給や農村振興等を基本理念とする食料・農業・農村基本法が制定された。

食料・農業・農村基本法は1999年(平成11年)に制定されました。
この法は、農政の基本理念や政策の方向性を示すものです。
 

選択肢2. コメの過剰生産を抑制するために、生産量を調整する減反政策が現在も行われている。

1971(昭和46年)、減反政策が開始しました。
開始の目的は、コメの生産を抑制し価格を安定させるためです。

 

2018年(平成30年)、減反政策は廃止されました。
廃止の理由のひとつは、政府による生産調整や管理の下でコメの価格を決める体制が問題視されるようになったからです。
 

選択肢3. 日本がコメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなった多角的貿易交渉は、東京ラウンドである。

コメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなったのは、ウルグアイ・ラウンドです。
交渉期間は1986年~1994年です。
それまで輸入がほとんど行われていなかったコメについて、
最低限の輸入機会を提供することとしました。


東京ラウンドの交渉期間は1973年~1979年で、米国の国際収支悪化、競争力低下に端を発する保護主義の圧力への対処と、補助金やダンピング防止など非関税障壁のルールを追加しました

選択肢4. 企業等が農業に参入することによる農地の有効利用等を目的として、新食糧法が制定された。

新食糧法は、主要な食糧である米穀及び麦が主食としての役割を果たし、米穀の生産者から消費者までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置と、
政府による主要食糧の買入れや、輸入及び売渡しの措置を総合的に講ずることにより、
主要食糧の需給及び価格の安定を図り、国民生活と国民経済の安定に資することを目的としたものです。
 

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02

日本の農業政策に関する問題です。それぞれの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 農業基本法が廃止され、食料の安定供給や農村振興等を基本理念とする食料・農業・農村基本法が制定された。

正しい文章です。

農業基本法は1961年、農家の所得水準の向上などを目的に制定されました。

しかし、1999年、食料の安定供給や農業の持続的な発展、農村の振興を目的に、食料・農業・農村基本法(新農業基本法)が制定され、農業基本法は廃止されています。

選択肢2. コメの過剰生産を抑制するために、生産量を調整する減反政策が現在も行われている。

間違った文章です。

2018年の安倍内閣のもと、減反政策は廃止されています。

選択肢3. 日本がコメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなった多角的貿易交渉は、東京ラウンドである。

間違った文章です。

コメの輸入を受け入れるきっかけとなったのは、東京ラウンドではなくウルグアイ・ラウンドにおいてです。この時、日本はコメについて最低限の輸入義務(ミニマム・アクセス)も受け入れています。

選択肢4. 企業等が農業に参入することによる農地の有効利用等を目的として、新食糧法が制定された。

間違った文章です。

新食糧法は、1995年に主食の米や麦の管理を目的に定められた法律です。これまで国が強く管理していた米の流通を緩め、民間の取引を広く認めました。選択肢の内容とは全く違います。

選択肢の文章は、2009年に改正された農地法についてのものです。

まとめ

いかがでしょうか。

日本は農業保護政策として食糧管理制度をとってきましたが、1999年に米の輸入自由化が始まるなど、食料安全保障が脅かされる状況になっています。

こういった背景や語句も重要ですので、よかったら押えて下さい。

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03

日本の農業政策に関する問題です。

選択肢1. 農業基本法が廃止され、食料の安定供給や農村振興等を基本理念とする食料・農業・農村基本法が制定された。

正しいです。

農業基本法は1999年に廃止され、食料の安定供給や農村振興等を基本理念とする食料・農業・農村基本法が制定されました。

選択肢2. コメの過剰生産を抑制するために、生産量を調整する減反政策が現在も行われている。

誤りです。

コメの過剰生産を抑制するための減反政策は2018年度に廃止されました。

選択肢3. 日本がコメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなった多角的貿易交渉は、東京ラウンドである。

誤りです。

日本がコメの輸入を部分的に受け入れるきっかけとなった多角的貿易交渉は、ウルグアイ・ラウンドです。

選択肢4. 企業等が農業に参入することによる農地の有効利用等を目的として、新食糧法が制定された。

誤りです。

企業等が農業に参入することによる農地の有効利用等を目的として制定されたのは、

新食糧法ではなく、改正農地法です。

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