大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問7 (<旧課程>現代社会(第1問) 問7)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問7(<旧課程>現代社会(第1問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

現代社会の授業で、先生は上のユネスコ憲章の前文を見せて、言いました。
「歴史的に、戦争は国家間で行われてきました。しかし、ユネスコ憲章では、戦争と平和の問題は、私たち個人の問題であるとされています。個人と国家とはどのような関係にあるでしょうか。また、戦争を防止または終結させるために、私たち個人や国家、さらには国際機関は、何をすべきでしょうか。」
翌週、3人の生徒がそれぞれ、発表プリントを用いて発表を行いました。

発表プリント
国際平和が脅かされた場合、国連は、f 安全保障理事会(安保理)の決定に基づき軍事的措置を実施することができる。しかしながら、安保理は、常任理事国の拒否権行使などにより必ずしも軍事的措置を決定するとは限らない。
安保理が軍事的措置を決定しない状況においては、しばしば国連平和維持活動(PKO)が実施されてきた。g PKOは、国連憲章に定められた軍事的措置の性質を帯びないように、PKO三原則を遵守することとされてきた
紛争当事国でない国は、PKOに要員を派遣したり、紛争当事国の難民を受け入れたりすることができる。
私たち個人は、偏狭なナショナリズムにとらわれず、常に世界に目を向け、他人の立場に立って考えることが大切である。

下線部fに関する記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 安保理の決定のうち、拒否権をもつ常任理事国5か国を含む理事国9か国以上の賛成を必要とするのは、手続事項についてである。
  • 安保理においては、「核兵器のない世界」の実現を目指す決議は採択されていない。
  • 湾岸戦争において多国籍軍によって行われたイラクに対する武力行使は、安保理決議に基づくものではない。
  • 安保理が機能を果たせない場合、国連総会が国際の平和と安全に関する問題を審議できることを定めたのは、「平和のための結集」決議である。

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この過去問の解説 (2件)

01

今回はそれぞれの文章を見ていきましょう。

選択肢1. 安保理の決定のうち、拒否権をもつ常任理事国5か国を含む理事国9か国以上の賛成を必要とするのは、手続事項についてである。

間違った文章です。

拒否権を持つ常任理事国5か国を含む理事国9か国以上の賛成を必要とするのは、より重要度の高い議決である実質事項についてです。

 

・実質事項→五大国一致の原則に基づき、常任理事国(五大国)を含む9理事国以上の賛成で可決。

・手続事項→9理事国以上の賛成で可決。

選択肢2. 安保理においては、「核兵器のない世界」の実現を目指す決議は採択されていない。

間違った文章です。

2009年、アメリカのオバマ大統領がプラハでした演説の内容を基に、同年に安全保障理事会は「核兵器のない世界」をめざす決議をしました。

選択肢3. 湾岸戦争において多国籍軍によって行われたイラクに対する武力行使は、安保理決議に基づくものではない。

間違った文章です。

湾岸戦争では、安全保障理事会の決議に基づいて、アメリカやイギリスを中心に多国籍軍が編成されました。

選択肢4. 安保理が機能を果たせない場合、国連総会が国際の平和と安全に関する問題を審議できることを定めたのは、「平和のための結集」決議である。

正しい文章です。

平和のための結集決議は、拒否権のために安保理が機能しない場合、国連総会緊急特別総会を招集して審議することができる制度のことです。

まとめ

解説文の中にある重要語句は覚えておいて欲しいと思います。ぜひ復習して下さい。

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02

国連安保理に関する問題です。

選択肢1. 安保理の決定のうち、拒否権をもつ常任理事国5か国を含む理事国9か国以上の賛成を必要とするのは、手続事項についてである。

安保理の決定には、常任理事国5か国を含む理事国9か国以上の賛成が必要ですが、

これは手続事項ではなく、実質事項についてです。

よって、誤りです。

選択肢2. 安保理においては、「核兵器のない世界」の実現を目指す決議は採択されていない。

安保理では、「核兵器のない世界」の実現を目指す決議が2009年に採択されています。

よって、誤りです。

選択肢3. 湾岸戦争において多国籍軍によって行われたイラクに対する武力行使は、安保理決議に基づくものではない。

湾岸戦争における多国籍軍によるイラクに対する武力行使は、

安保理決議に基づくものです。

よって、誤りです。

選択肢4. 安保理が機能を果たせない場合、国連総会が国際の平和と安全に関する問題を審議できることを定めたのは、「平和のための結集」決議である。

拒否権により安保理が機能を果たせない場合、「平和のための結集」決議に基づき、

緊急特別総会が開催され、国連総会が国際の平和と安全に関する問題を審議します。

よって、正しいです。

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