大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問4 (<旧課程>現代社会(第1問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問4(<旧課程>現代社会(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

現代社会の授業で、先生は上のユネスコ憲章の前文を見せて、言いました。
「歴史的に、戦争は国家間で行われてきました。しかし、ユネスコ憲章では、戦争と平和の問題は、私たち個人の問題であるとされています。個人と国家とはどのような関係にあるでしょうか。また、戦争を防止または終結させるために、私たち個人や国家、さらには国際機関は、何をすべきでしょうか。」
翌週、3人の生徒がそれぞれ、発表プリントを用いて発表を行いました。

発表プリント
同じ国籍を有する者どうしでも、b 民族間のc 偏見や差別的思想が原因となって内戦が生じることがある。国家間の戦争だけでなく、内戦においても、d 人道に反するe ジェノサイド(集団殺害犯罪)が発生することがあった。
ジェノサイドを行った個人は、国際法上、刑事責任を負う。ニュルンベルク国際軍事裁判所は、国際法上の犯罪は、国家のような抽象的な実体によってではなく、人間によって行われるものであるから、そのような犯罪をおかした個人を処罰することによってのみ、国際法を実現することができる、との判断を示した。

下線部cに関して、偏見には「ステレオタイプ」が関連するという考えもある。ステレオタイプとは、ある集団やそのメンバーに共通した特徴がある、という考えから生じる固定的なイメージのことを意味する。ステレオタイプを抱いている場合、人は、ある対象に出会った際、そのイメージを対象に当てはめる可能性がある。以下の研究は、ステレオタイプを抱くことと、その対象への印象について検討したものである。次の研究の概要と後の表の内容から読み取れることの記述として正しいものを、後のア〜ウからすべて選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  「写真の人物に対して抱いたステレオタイプの強さ」は、写真の人物について、ステレオタイプを当てはめずに考えるよう、積極的に努力するように指示されたグループの大学生よりも、何も指示を与えられなかったグループの大学生の方が低い。
イ  「写真の人物に対して抱いた肯定的な印象の程度」は、写真の人物について、ステレオタイプを当てはめずに考えるよう、積極的に努力するように指示されたグループの大学生よりも、写真の人物になったつもりで、ある1日の生活を想像するように指示されたグループの大学生の方が高い。
ウ  写真の人物になったつもりで、ある1日の生活を想像するように指示されたグループの大学生は、何も指示を与えられなかったグループの大学生よりも、「写真の人物に対して抱いたステレオタイプの強さ」が低く、「写真の人物に対して抱いた肯定的な印象の程度」が高い。
問題文の画像
  • アとイとウ
  • アとイ
  • アとウ
  • イとウ
  • 正しいものはない

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この過去問の解説 (2件)

01

世論に関する問題です。念のためですが、ステレオタイプとは先入観や固定観念のことです。

研究の結果から、文章が正しいかを判断しましょう。

 

【ポイント】

【何も指示のないA→ステレオタイプを当てはめず考えるB→その人になったつもりC】と移り変わるにつれ、ステレオタイプの強さの平均値は低くなっています。また、肯定的な印象の程度の平均値は高くなっています。

 

これを基に、それぞれの文章を見ていきましょう。

・「写真の人物に対して抱いたステレオタイプの強さ」は、写真の人物について、ステレオタイプを当てはめずに考えるよう、積極的に努力するように指示されたグループの大学生よりも、何も指示を与えられなかったグループの大学生の方が低い

→ステレオタイプの強さは、何も指示を与えられなかったグループの大学生が一番高いです。よってこの文章は不適切となります。

 

それ以外の文章は正しいです。該当する選択肢を選んで下さい。

まとめ

世論に関する内容としては、メディア=リテラシー(メディアが流す情報を批判的に読み解く力)など、割と聞き慣れている語句が多いと思います。もし心配であれば復習しておきましょう。

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02

問題文中の記述をもとに、各記述を検討します。

 

〇記述ア

誤りです。

「写真の人物に対して抱いたステレオタイプの強さ」は、

ステレオタイプを当てはめずに考えるよう指示されたグループの大学生(グループB)で5.4である一方、

何も指示を与えられなかったグループの大学生(グループA)で6.8となっており、

グループBの方が低いことがわかります。

 

〇記述イ

正しいです。

「写真の人物に対して抱いた肯定的な印象の程度」は、

ステレオタイプを当てはめずに考えるよう指示されたグループの大学生(グループB)で5.8である一方、

写真の人物になったつもりで、ある1日の生活を想像するように指示されたグループの大学生(グループC)で6.8となっており、

グループCの方が高いことがわかります。

 

〇記述ウ

正しいです。
 

「写真の人物に対して抱いたステレオタイプの強さ」は、

ある1日の生活を想像するように指示されたグループの大学生(グループC)で4.4である一方、

何も指示を与えられなかったグループの大学生(グループA)で6.8となっており、

グループCの方が低いことがわかります。

よって、この点は記述が正しいことが分かります。

 

また、「写真の人物に対して抱いた肯定的な印象の程度」は、

ある1日の生活を想像するように指示されたグループの大学生(グループC)で6.8である一方、

何も指示を与えられなかったグループの大学生(グループA)で5.2となっており、

グループCの方が高いことがわかります。

よって、この点も記述が正しいことが分かります。

 

したがって、正答は「イ」と「ウ」です。

選択肢1. アとイとウ

誤りです。

誤答「ア」が含まれています。

選択肢2. アとイ

誤りです。

誤答「ア」が含まれており、正答「ウ」が含まれていません。

選択肢3. アとウ

誤りです。

誤答「ア」が含まれており、正答「イ」が含まれていません。

選択肢4. イとウ

正答です。

選択肢5. ア

誤りです。

誤答「ア」が含まれており、正答「イ」と「ウ」が含まれていません。

選択肢6. イ

誤りです。

誤答「イ」のみが含まれており、正答「ウ」が含まれていません。

選択肢7. ウ

誤りです。

誤答「ウ」のみが含まれており、正答「イ」が含まれていません。

選択肢8. 正しいものはない

誤りです。

「イ」と「ウ」は正しいです。

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