大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問94 (<旧課程>政治・経済(第4問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問94(<旧課程>政治・経済(第4問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒X、生徒Y、生徒Zは、「国際社会における日本の立場と役割」をテーマとしてグループワークを行った。グループワークでは、テーマから連想される論点をあげ、そこからさらに連想されるキーワードを書き出した。次の図は、連想したことの一部をまとめたものである。これに関して、後の問いに答えよ。

生徒Xと生徒Yは、下線部fの利用とリスクについて議論している。次の会話文中の空欄アには後の語句aかb、空欄イには後の記述cかd、空欄ウには後の記述eかfのいずれかが当てはまる。空欄ア〜ウに当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

X:私たちは地球規模の課題をたくさん抱えているけれど、科学技術がもっと発展すれば、すべて解決できるかもしれないね。たとえば、新しい資源の開発や省資源・省エネルギー、再生可能エネルギーに関する技術の開発などによって、エネルギー問題を解決できるかもしれないよ。発電時の排熱を暖房や給湯などに利用して熱効率を高める( ア )の技術を導入する事例もあるよね。
Y:科学技術の発展に期待はしたいけれど、そんなに楽観的でいいのかな。科学技術は私たちにとって、さまざまなリスクももたらすのではないかな。たとえば、情報通信技術の急速な進展によって、大量の情報を短時間で処理し伝送できるようになったけれど、同時に、個人の私生活に関する情報もインターネット上にあふれ、プライバシーの権利が侵害されるなどのリスクが高まったよ。日本においてプライバシーの権利は、( イ )。
X:たしかにリスクは高まったけれど、あらゆるものにインターネットやAI(人工知能)が活用されることで、エネルギーの効率的な利用もできるようになり、環境問題やエネルギー問題の解決につながると思うよ。
Y:そうだね。ただ、AIなどの先端技術は国際的な競争が激しく、また、自国の民間の技術が他国の軍事などに利用されることもあるよ。そのため日本では、( ウ )。
X:なるほど。科学技術の発展を促進しつつ、そのリスクに備え、ルールを作っていかなければならないということだね。

アに当てはまる語句
a  スマートグリッド
b  コージェネレーション

イに当てはまる記述
c  現在、自らについての情報が勝手に利用されないように、それをコントロールする権利でもあるととらえられているよね
d  憲法制定時から重要だと認識されていたので、憲法第13条は、私生活をみだりに公開されない自由を明文で保障しているよね

ウに当てはまる記述
e  経済安全保障推進法に基づいて、半導体など特定の重要な先端技術の流出を防止するための制度作りが行われているよ
f  1980年代の日米貿易摩擦で対象の品目に含まれていた半導体を、制限なく輸出できるようにするための政策が実施されているよ
問題文の画像
  • ア ― a  イ ― c  ウ ― e
  • ア ― a  イ ― c  ウ ― f
  • ア ― a  イ ― d  ウ ― e
  • ア ― a  イ ― d  ウ ― f
  • ア ― b  イ ― c  ウ ― e
  • ア ― b  イ ― c  ウ ― f
  • ア ― b  イ ― d  ウ ― e
  • ア ― b  イ ― d  ウ ― f

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この過去問の解説 (3件)

01

はbが当てはまります。

発電時の排熱を暖房や給湯などに利用して熱効率を高める技術のことをコージェネレーションといいます。

スマートグリッドはICTを活用して発電効率を高める技術のことです。

はcが当てはまります。

dについて、プライバシー権は憲法制定時は今ほど重要だと認識されていませんでした。

憲法13条「幸福追求権」では明文化されていないものの、実在の政治家の私生活を思い起こさせる三島由紀夫の小説「宴のあと」において、1964年の東京地裁判決がプライバシー権の侵害を認めたことから、プライバシー権の重要性が認識されたという経緯があります。

はeが当てはまります。

経済安全保障推進法軍事ではなく、技術やインフラといった経済が戦略的な武器にされないようにするための法律で成立は2022年と新しく、聞き覚えのない人もいたかもしれません。

fについて、日本政府は半導体の輸出に許可制度を敷いているので、「制限なく輸出」は誤りです。

 

選択肢1. ア ― a  イ ― c  ウ ― e

不適当です。

選択肢2. ア ― a  イ ― c  ウ ― f

不適当です。

選択肢3. ア ― a  イ ― d  ウ ― e

不適当です。

選択肢4. ア ― a  イ ― d  ウ ― f

不適当です。

選択肢5. ア ― b  イ ― c  ウ ― e

正答です。

選択肢6. ア ― b  イ ― c  ウ ― f

不適当です。

選択肢7. ア ― b  イ ― d  ウ ― e

不適当です。

選択肢8. ア ― b  イ ― d  ウ ― f

不適当です。

まとめ

設問で問われていた関連の語句は、「プライバシー権」など一般的にもよく使われる言葉も多く、難易度は低めだったかもしれません。

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02

〇空欄ア:正答「b コージェネレーション」

 

コージェネレーションとは、発電時に発生する排熱を暖房や給湯などに利用して熱効率を高める技術のことです。

スマートグリッドは、IT技術を活用して電力の需給を最適化する次世代の電力網のことです。

空欄アには「コージェネレーション」が入ります。

 

〇空欄イ:正答c

 

プライバシー権は、従来「私生活上の情報をみだりに公開されない権利」と捉えられていました。

現在では、より広く「自己情報コントロール権」を含むと考えられています。

よって、空欄イには選択肢cが入ります。

 

なお、プライバシー権の根拠となるのは憲法13条ですが、

憲法13条は人権を包括的に保障しているものであり、

プライバシー権を明文で保障しているわけではありません。

 

〇空欄ウ:正答e

 

経済安全保障推進法は、重要な先端技術の流出を防止するために、

特許出願の非公開制度の導入などを定めた法律です。

文脈からも、空欄ウには選択肢eが入ります。

 

よって、正答は「ア ― b  イ ― c  ウ ― e」です。

選択肢1. ア ― a  イ ― c  ウ ― e

「ア ― a」が誤りです。

選択肢2. ア ― a  イ ― c  ウ ― f

「ア ― a」「ウ ― f」が誤りです。

選択肢3. ア ― a  イ ― d  ウ ― e

「ア ― a」「イ ― d」が誤りです。

選択肢4. ア ― a  イ ― d  ウ ― f

「ア ― a」「イ ― d」「ウ ― f」が誤りです。

選択肢5. ア ― b  イ ― c  ウ ― e

正答です。

選択肢6. ア ― b  イ ― c  ウ ― f

「ウ ― f」が誤りです。

選択肢7. ア ― b  イ ― d  ウ ― e

「イ ― d」が誤りです。

選択肢8. ア ― b  イ ― d  ウ ― f

「イ ― d」「ウ ― f」が誤りです。

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03

必要事項を確認し、あとは概ね文脈からの判断でも正解を導き出すことができます。

 

【アに関して】

スマートグリッド:IT技術などを活用して電力量をコントロールする供給網

コージェネレーション:発電時の排熱を暖房や給湯などに利用して熱効率を高める技術

→よって、正解はコージェネレーションになります。

 

【イに関して】

プライバシーの権利は「新しい人権」であるので、憲法制定時から重要と認識されてはいません。

「現在、自らについての情報が勝手に利用されないように、それをコントロールする権利でもあるととらえられているよね」が正解となります。

 

【ウに関して】

文脈から選択肢を判断できます。

「自国の民間の技術が他国の軍事などに利用されることもあるよ。そのため日本では、~」とありますので、

「経済安全保障推進法に基づいて、半導体など特定の重要な先端技術の流出を防止するための制度作りが行われているよ」と続きます。

まとめ

今回の問題に関しては、コージェネレーションをしっかりと分かっていれば、他の選択肢は文脈から判断できた人が多かったのではないでしょうか。こういう問題はきちんと得点しておきたいところです。

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