大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問85 (<旧課程>政治・経済(第3問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問85(<旧課程>政治・経済(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yが通う学校で、大学教員による「経済成長とグローバル化」と題された出張講義が開かれた。次に示したのは、講義中に配布された資料の目次である。これに関して、後の問いに答えよ。

経済成長とグローバル化
1.経済活動と市場
〇経済活動と生み出されるa付加価値
bGDP(国内総生産)の分配
〇市場メカニズムと資源配分の最適化
c市場の失敗
2.経済成長と社会
〇経済成長とd物価
〇高度成長期とe公害問題
f景気循環と暮らし
〇持続的成長のための課題
3.グローバル化する経済
〇国内の生産構造とg貿易
〇貿易によるh国内市場への影響
〇国境をこえた労働力や資本の移動
〇公害問題の対応から環境問題の対応へ
〇持続可能な社会の構築のために

下線部eに関連して、生徒Xは、同一の汚染物質を排出する企業Aと企業Bだけが存在するある地域を想定し、ある年の企業Aと企業Bの汚染水の年間排出量と汚染水に含まれる汚染物質の割合(汚染水の濃度)とを示す次の表を作成した。この地域で、汚染物質を減少させる規制を導入するとする。なお、企業Aと企業Bは後の仮定にしたがうものとする。この地域で年間に排出される汚染水に含まれる汚染物質の総量を、いかなる場合においても規制導入以前より確実に減少させる規制の内容として正しいものを、後のうちから一つ選べ。

仮定
〇規制導入以後は、企業Aも企業Bも、汚染水の年間排出量や汚染水の濃度を増減させる。
〇規制導入以後は、制限がかかったものについて企業Aも企業Bも、制限内の量や濃度で汚染水を排出する。
〇規制に対応するための費用は一切考慮しない。
問題文の画像
  • 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに0.1%までに制限するが、汚染水の年間排出量は制限しない。
  • 汚染水の濃度は制限しないが、汚染水の年間排出量を企業Aは50トンまでに、企業Bは200トンまでに制限する。
  • 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに1.5%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは120トンまでに、企業Bは600トンまでに制限する。
  • 汚染水の濃度を企業Aは1%までに、企業Bは2%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは300トンまでに、企業Bは400トンまでに制限する。

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この過去問の解説 (3件)

01

排出規制に関する計算問題です。

 

まず、規制導入以前の汚染物質の総量を計算します。

 

企業Aの汚染物質の排出量

= 100トン × 0.01

= 1トン

 

企業Bの汚染物質の排出量

= 500トン × 0.02

= 10トン

 

規制導入以前の汚染物質の総量

= 1トン + 10トン

= 11トン

 

よって、規制導入後の汚染物質の総量が11トン未満であれば、確実に減少したことになります。

選択肢1. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに0.1%までに制限するが、汚染水の年間排出量は制限しない。

総排出量は汚染水の濃度と年間排出量の積で求められるため、

年間排出量に制限がない場合は汚染物質の総量を確実に減少させることはできません。

 

例えば、企業Aが20,000トン排出した場合、

企業Aの汚染物質の排出量は20トンとなり、

規制導入以前の11トンを超えてしまいます。

選択肢2. 汚染水の濃度は制限しないが、汚染水の年間排出量を企業Aは50トンまでに、企業Bは200トンまでに制限する。

総排出量は汚染水の濃度と年間排出量の積で求められるため、

汚染水の濃度に制限がない場合は汚染物質の総量を確実に減少させることはできません。

 

例えば、企業Aが汚染水の濃度を50%にした場合、

企業Aの汚染物質の排出量は25トンとなり、

規制導入以前の11トンを超えてしまいます。

選択肢3. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに1.5%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは120トンまでに、企業Bは600トンまでに制限する。

規制上限まで汚染水が排出された場合の汚染物質の総量を計算します。

 

企業Aの汚染物質の排出量

= 120トン × 0.015

= 1.8トン

 

企業Bの汚染物質の排出量

= 600トン × 0.015

= 9トン

 

規制導入後の汚染物質の総量

= 1.8トン + 9トン

= 10.8トン

 

規制導入以前の11トンに対して10.8トンであり、確実に減少しています。

選択肢4. 汚染水の濃度を企業Aは1%までに、企業Bは2%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは300トンまでに、企業Bは400トンまでに制限する。

〇選択肢4


規制上限まで汚染水が排出された場合の汚染物質の総量を計算します。


企業Aの汚染物質の排出量

= 300トン × 0.01

= 3トン

 

企業Bの汚染物質の排出量

= 400トン × 0.02

= 8トン

 

規制導入後の汚染物質の総量

= 3トン + 8トン

= 11トン

 

規制導入以前の11トンに対して11トンであり、確実に減少していません。

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02

問題文で問われている内容をきちんとチェックして下さい。

【この地域で年間に排出される汚染水に含まれる汚染物質の総量を、いかなる場合においても規制導入以前より確実に減少させる規制の内容として正しいもの】

こうありますので、それに該当する選択肢を選んで下さい。

選択肢1. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに0.1%までに制限するが、汚染水の年間排出量は制限しない。

汚染水の濃度を0.1%にしても、排出量が多くなれば、汚染物質の総量は増えてしまう可能性があります。

よってこの選択肢は不適切

選択肢2. 汚染水の濃度は制限しないが、汚染水の年間排出量を企業Aは50トンまでに、企業Bは200トンまでに制限する。

汚染水の濃度の制限がないならば、汚染物質の総量は増えてしまう可能性があります。

よってこの選択肢は不適切

選択肢3. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに1.5%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは120トンまでに、企業Bは600トンまでに制限する。

表から計算できる、企業Aと企業Bの汚染物質の総量を出してみましょう。

【表より】

企業A:100×0.01(1%)=1(トン)

企業B:500×0.02(2%)=10(トン)

 

次に、選択肢の文章を基に、企業Aと企業Bの汚染物質の総量を出してみましょう。

企業A:120×0.015(1.5%)=1.8(トン)

企業B:600×0.015(1.5%)=9(トン)

 

規制導入前:1+10=11(トン)

規制導入後:1.8+9=10.8(トン)

このことから、仮定に従えば、この選択肢では汚染物質の総量が必ず少なくなる。

よってこの選択肢が正解となります。

選択肢4. 汚染水の濃度を企業Aは1%までに、企業Bは2%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは300トンまでに、企業Bは400トンまでに制限する。

汚染水の濃度の制限が企業A、企業Bともに表と変化がありませんが、汚染水の年間排出量は企業Aが増えています。また、企業Bも状況によっては、表よりも汚染物質が増えてしまう可能性があります。

よってこの選択肢は不適切

まとめ

いかがでしょうか。問われている大事な部分をしっかりと押え、その上で選択肢を見る習慣をつけましょう。

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03

汚染物質の総量規制に関する問いです。

選択肢1. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに0.1%までに制限するが、汚染水の年間排出量は制限しない。

適切な選択肢ではありません。「年間排出量」を規制しないのであれば、低濃度であっても大量に汚染水を流すことにもなり、環境に対する悪影響が考えられます。

選択肢2. 汚染水の濃度は制限しないが、汚染水の年間排出量を企業Aは50トンまでに、企業Bは200トンまでに制限する。

適切な選択肢ではありません。「濃度は制限しない」のであれば高濃度の汚染物質を流すことで環境への悪影響が考えられます。

選択肢3. 汚染水の濃度を企業Aと企業Bともに1.5%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは120トンまでに、企業Bは600トンまでに制限する。

適切な選択肢です。

規制前は企業AとBで100×0.01+500×0.02=11トン

規制後は企業AとBで120×0.015+600×0.015=10.8トンとなり、

総量が減少しています。

選択肢4. 汚染水の濃度を企業Aは1%までに、企業Bは2%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは300トンまでに、企業Bは400トンまでに制限する。

適切な選択肢ではありません。

規制前は企業AとBで100×0.01+500×0.02=11トン

規制後は企業AとBで300×0.01+400×0.02=11トンとなり、

総量が同じです。

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