大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問5 (<旧課程>現代社会(第1問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問5(<旧課程>現代社会(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のサエキさんとシミズさんは、大学の公開授業に参加した。授業のテーマは「武力紛争から読み解く冷戦後の国際政治」だった。このテーマに関して、次の問いに答えよ。

後日、サエキさんは「武力紛争などで行われた残虐な行為の責任は追及されるのだろうか」と考えた。1週間後に現代社会の授業で研究発表をする課題があったので、そのテーマで調べ、次の発表プリントにまとめた。発表プリント中の(ア)には後の語句A~Cのいずれかが、(イ)には後の記述P~Rのいずれかが入る。その組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

発表プリント
集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪(以下、これらを併せて対象犯罪という)等を行った個人を、国際法に基づいて訴追・処罰するために、2002年に発効した「ローマ規程」に基づいて、オランダのハーグに( ア )が設置された。
この裁判所が事件を審理する権限(管轄権)を有するためには、原則として関係国の同意が必要となる。国家は「ローマ規程」の締約国になることで裁判所の管轄権に同意を与えたとみなされ、対象犯罪が締約国の領域内で行われた場合や、対象犯罪が締約国の国籍を有する者によって行われた場合には、裁判所は管轄権を有する。
しかし、このような関係国の同意規則に基づくと、( イ )場合にも、自国民が裁かれる可能性があることを理由に、非締約国の一部は強く反発している。そのような課題を抱えながらも、「不処罰を許さない」という努力が国際社会で積み重ねられている。

アに入る語句
A  国際司法裁判所
B  常設国際司法裁判所
C  国際刑事裁判所

イに入る記述
P  非締約国の国籍を有する者が、締約国(裁判所の管轄権に同意を与えている国)の領域内で対象犯罪を行った
Q  締約国の国籍を有する者が、締約国(裁判所の管轄権に同意を与えている国)の領域内で対象犯罪を行った
R  非締約国の国籍を有する者が、非締約国(裁判所の管轄権に同意を与えていない国)の領域内で対象犯罪を行った
  • ア ― A  イ ― P
  • ア ― A  イ ― Q
  • ア ― A  イ ― R
  • ア ― B  イ ― P
  • ア ― B  イ ― Q
  • ア ― B  イ ― R
  • ア ― C  イ ― P
  • ア ― C  イ ― Q
  • ア ― C  イ ― R

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この過去問の解説 (3件)

01

アについて、

Aの国際司法裁判所は1945年、

Bの常設国際司法裁判所1921年、

Cの国際刑事裁判所は2003年であるため、

2002年の「ローマ規程」に基づいて設置されたものとして適切なのはCです。

 

イについて、

ある条件で非締約国の国民が裁かれる可能性があるため非締約国の一部が強く反発しているという内容の、

ある条件の部分が入ることが分かります。

発表プリントに「対象犯罪が締約国の領域内で行われた場合や、対象犯罪が締約国の国籍を有する者によって行われた場合には、裁判所は管轄権を有する」とあります。

以上のことから、

Qは締約国のことしか記述されていないので不適です。

Rの場合は裁判所が管轄権を有する条件を満たしていないため不適です。

よってPが適切です。

選択肢1. ア ― A  イ ― P

アが不適です。

選択肢2. ア ― A  イ ― Q

アとイが不適です。

選択肢3. ア ― A  イ ― R

アとイが不適です。

選択肢4. ア ― B  イ ― P

アが不適です。

選択肢5. ア ― B  イ ― Q

アとイが不適です。

選択肢6. ア ― B  イ ― R

アとイが不適です。

選択肢7. ア ― C  イ ― P

適切です。

選択肢8. ア ― C  イ ― Q

イが不適です。

選択肢9. ア ― C  イ ― R

イが不適です。

まとめ

アについてはそれぞれの設置された年数を覚えている必要があります。

イについては発表プリントに書かれた情報のみで正答することができる問題でした。

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02

正解は「ア ― C  イ ― P」です。

以下、解説になります。

選択肢1. ア ― A  イ ― P

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

そのため、アが誤りです。

選択肢2. ア ― A  イ ― Q

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

そのため、すべて誤りです。

選択肢3. ア ― A  イ ― R

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

そのため、すべて誤りです。

選択肢4. ア ― B  イ ― P

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

そのため、アが誤りです。

選択肢5. ア ― B  イ ― Q

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

そのため、すべて誤りです。

選択肢6. ア ― B  イ ― R

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

そのため、すべて誤りです。

選択肢7. ア ― C  イ ― P

正解はこの肢です。

アについて、リード文によると国家間の紛争を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

選択肢8. ア ― C  イ ― Q

イが誤りです。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

選択肢9. ア ― C  イ ― R

イが誤りです。

イについて、自国民への処罰を危惧している内容になっているため、非締約国の国民が締約国でであっても裁かれるという内容が適しています。

まとめ

本文のように対話式の問題は、登場人物の考えを丁寧に整理するとわかることが多いです。そのため、文章の一つ一つを細かく読み込みましょう。

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03

国際刑事裁判所に関する問いです。

選択肢1. ア ― A  イ ― P

適切な選択肢ではありません。

選択肢2. ア ― A  イ ― Q

適切な選択肢ではありません。

選択肢3. ア ― A  イ ― R

適切な選択肢ではありません。

選択肢4. ア ― B  イ ― P

適切な選択肢ではありません。

選択肢5. ア ― B  イ ― Q

適切な選択肢ではありません。

選択肢6. ア ― B  イ ― R

適切な選択肢ではありません。

選択肢7. ア ― C  イ ― P

適切な選択肢です。ア:リード文から国と国に関する問題を解決する国際司法裁判所ではなく、国際刑事裁判所に関する記述です。

イ:次の行に「非締約国の一部」から反発が上がっているとありますので、非締約国であっても裁かれる可能性があると考えます。

選択肢8. ア ― C  イ ― Q

適切な選択肢ではありません。

選択肢9. ア ― C  イ ― R

適切な選択肢ではありません。

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