大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問76 (<旧課程>政治・経済(第2問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問76(<旧課程>政治・経済(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xは、生徒Yと一緒に「政治・経済」の授業を振り返りながら、学習したことを次のようにノートに整理した。これに関して、後の問いに答えよ。

Ⅰ 日本の地域社会と行政サービスの現状と課題
a都市の過密化と地方の過疎化が進行している。
b地方財政は長年にわたって困難に直面している。
〇地域社会の課題を解決し、c地域再生を進めようとしている事例もみられる。
Ⅱ グローバル化と日本の産業構造の変化
〇1990年代以降、グローバル化が進展し、さまざまな分野でd市場における競争が激しくなっている。
〇世界のe外国為替の取引高が増加している。
〇日本において、第次産業の就業人口が拡大している。
〇日本でもf環境保護に向けた取組みが広まっている。
Ⅲ 日本の財政金融政策と国民経済全体に関する疑問
〇日本銀行のg国債保有高が急増しているのはなぜか。
〇家計貯蓄率が低下しているのはなぜか。
h国内総生産が伸びないのはなぜか。
〇労働分配率が低下傾向なのはなぜか。

下線部eに関心をもった生徒Yは、為替介入には「風に逆らう介入」と「風に乗る介入」があることを知った。ここで、「風に逆らう介入」とは為替レートのそれまでの動きを反転させることを目的とした介入であり、「風に乗る介入」とは為替レートのそれまでの動きを促進することを目的とした介入である。次の図ア~エは介入目的が達成されたと仮定した場合について、円・米ドル為替レートを例としてYが考えた模式図である。円売り・米ドル買いによる「風に逆らう介入」を意味する図として正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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  • 図ア
  • 図イ
  • 図ウ
  • 図エ

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この過去問の解説 (3件)

01

為替介入とは、通貨当局が為替相場に影響を与えるために、

外国為替市場で通貨間の売買を行うことです。
 

為替レートは、

外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率です。

 

円売り・米ドル買いによる介入が行われると、為替レートは円安ドル高に進みます。
(図でいうと、(1米ドルにつき円)の値が上昇します。)

 

円買い・米ドル売りによる介入が行われると、為替レートは円高ドル安に進みます。
(図でいうと、(1米ドルにつき円)の値が下降します。)
 

選択肢1. 図ア

誤りです。

円買い・米ドル売りによる「風に逆らう介入」を意味する図です。

選択肢2. 図イ

正しいです。
円売り・米ドル買いによる「風に逆らう介入」を意味する図です。

選択肢3. 図ウ

誤りです。
円買い・米ドル売りによる「風に乗る介入」を意味する図です。

選択肢4. 図エ

誤りです。
円売り・米ドル買いによる「風に乗る介入」を意味する図です。

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02

正解は、「図イ」です。

「風に逆らう介入」とは、急激な為替介入によって流れを一変させることを意味します。

以下、解説になります。

選択肢1. 図ア

図アでは、為替レートへの介入時点から円安ドル高に向かっていません。

 

 

選択肢2. 図イ

正解は、この肢です。

図イでは、為替レートが円高へと向かっており、介入時点から円安ドル高に向かっています。

 

選択肢3. 図ウ

図ウでは、為替レートへの介入時点から円安ドル高に向かっていません。

また、風に逆らう介入に伴う現象も生じていません。

選択肢4. 図エ

図エは、円安ドル高現象は生じていますが、右肩下がりのために風に逆らう現象が生じていません。

まとめ

経済事情の問題は、非常に苦手意識をもつ方が多いです。

この機会に、問題に親しむとよいでしょう。

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03

介入とは自国の通貨を買って、他国の通貨を売るのか、またはその逆をするのかです。そのことによってどのようになるのかを考えましょう。

選択肢1. 図ア

適切な選択肢ではありません。

選択肢2. 図イ

適切な選択肢です。縦軸は(1米ドルにつき円)とありますが、上に行くほど円安になります。「円売り・米ドル買い」による「風に逆らう介入」とは、今までの政策とは反対の政策をとることで、円を売るつまり、円安にすればいいのです。よって、途中までは円高、「風に逆らう介入」で円安になる図を選ぶと正解です。それが図イです。

選択肢3. 図ウ

適切な選択肢ではありません。

選択肢4. 図エ

適切な選択肢ではありません。

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