大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問30 (<旧課程>現代社会(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問30(<旧課程>現代社会(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

現代社会の授業で、格差社会について学習したハヤシさんは、子どもの貧困に関する新聞記事を目にした。そこで「子どもの貧困」というテーマで探究学習を進め、レポートを作成することとした。次の問いに答えよ。

ハヤシさんは、レポート作成のために現代社会の授業で中間発表を行った。次の会話文は、中間発表を終えたハヤシさんとフジタさん、先生とのやり取りである。A・Bに入る記述ア~エの組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

フジタ:ハヤシさんの発表を聞いて、日本は国際的にみても子どもの相対的貧困が深刻であることが分かりました。貧困によって生み出される様々な問題もあるんですね。
先生:子どもの貧困問題には、多様な側面がありますね。では、子どもの貧困問題の解決に向けて、どのようなアプローチが考えられますか。
フジタ:子どもの貧困問題の根本的原因は、やはり世帯ごとの経済的不平等にあると考えています。経済的不平等を是正するためには、政府が所得再分配の機能を果たすことが大事だと思います。また、その際に再分配の方法だけではなく、誰がどのように負担するかということにも配慮すべきですよね。私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、( A )ことが大事だと思います。
ハヤシ:私は、経済的不平等はすぐに解決できる問題ではないと考えるので、貧困をきっかけとして起こっている問題を優先して対応すべきだと思います。それには、行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、( B )ことが大事だと思います。
先生:ハヤシさんの発表で、子どもの貧困問題の解決は単純ではないことが分かりましたね。フジタさんは、社会保障政策に共通する財源問題についても触れていましたが、解決には様々な方法があることを示唆しています。異なる視点に基づく議論も反映させて、レポートを作成してみてくださいね。

ア  所得税の累進性を高める
イ  消費税の逆進性を利用する
ウ  福祉の担い手を公的機関に集中させ、その職員が福祉サービスの提供を一元的に担うことで、子どもの社会参加を促進する
エ  NPOや学生、高齢者などの多様な担い手が、福祉活動に参画することで、子どもの社会参加を促進する
  • A ― ア  B ― ウ
  • A ― ア  B ― エ
  • A ― イ  B ― ウ
  • A ― イ  B ― エ
  • A ― ウ  B ― ア
  • A ― ウ  B ― イ
  • A ― エ  B ― ア
  • A ― エ  B ― イ

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この過去問の解説 (3件)

01

格差や貧困に関する問題です。

 

A:ア
フジタさんが考えているのは「所得再分配」や「低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善」です。
これは垂直的公平の考え方ですから、Aにはアが入ります。


イの選択肢はむしろ逆です。
消費税の逆進性とは消費税はあらゆる人が等しく負担するため、所得の低い人ほどその収支に占める消費税の負担割合が高くなる(収入が低い人ほど実質的に負担が大きい)ことをいいます。
消費税は水平的公平な制度です。


ウ、エはフジタさんの話に無関係です。


B:エ
ハヤシさんが考えているのは貧困に関連した問題の解決や地域の主体的な取り組みです。


まず、ア・イは無関係です。
ウは「福祉の担い手を公的機関に集中させ」とあり、「地域の主体的な取り組み」という要素に反します。
そこでエがちょうどハヤシさんの考えを問題なく反映していますから、Bにはエが入ります。

 

以上より、

 A ― ア  B ― エ

が解答です。

まとめ

水平的公平・垂直的公平や消費税の逆進性の知識があれば、Aは素直に解けたと思います。

 

Bは文章の要素を押さえてそれをぴったり反映したものを探す問題です。

これが苦手な方は国語力を鍛えたり類題で練習したりすることが大切です。

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02

A ― アが入ります。  

 

所得税の累進性を高めると、

高所得者ほどより高い税率で課税されるようになります。

低所得層には低い税率が適用されるため、税負担が軽くなります。


消費税の逆進性を利用すると、

高所得者ほど税負担が軽くなり、低所得者ほど税負担が重くなります。
消費税は所得に関係なく同じ割合で支払うからです。

 

 

B ― エが入ります。
 

公的機関の職員が福祉サービスの提供を担うことは、

地域の人々の取組みとはいえません。

 

NPOや学生、高齢者などの多様な担い手が福祉活動に参画することは、

地域の人々の取組みといえるでしょう。

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03

この問題では文脈を正しく読み取ることと、以下のキーワードを押える必要があります。

 

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

選択肢1. A ― ア  B ― ウ

不適切

 

ア 〇

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

ウ ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢2. A ― ア  B ― エ

適切

 

ア 〇

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

エ 〇

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢3. A ― イ  B ― ウ

不適切

 

イ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

ウ ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢4. A ― イ  B ― エ

不適切

 

イ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

エ 〇

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢5. A ― ウ  B ― ア

不適切

 

ウ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

ア ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢6. A ― ウ  B ― イ

不適切

 

ウ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

イ ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢7. A ― エ  B ― ア

不適切

 

エ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

ア ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

選択肢8. A ― エ  B ― イ

不適切

 

エ ×

直前の文章に『私は、低所得層にとって負担が大きくならない経済的不平等の改善方法が適切だと考えるので、』と記されている為、アが適切になります。

所得税の累進性とは、累進課税制度によって、所得の多い人には多く課税する制度になります。

消費税の逆進性とは、消費税は消費に対しての税負担が所得の代上に関わらないため、所得の低い人の負担割合が多くなることをいいます。

 

イ ×

直前の文章に『行政の取組みも重要ですが、地域の人々が主体的に問題を解決していくことも大事だと考えます。地域の人々の取組みとしては、』とあるため、地域の取り組みであるエが適切になります。

 

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