大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問29 (<旧課程>現代社会(第5問) 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問29(<旧課程>現代社会(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

現代社会の授業で、格差社会について学習したハヤシさんは、子どもの貧困に関する新聞記事を目にした。そこで「子どもの貧困」というテーマで探究学習を進め、レポートを作成することとした。次の問いに答えよ。

ハヤシさんは、新聞記事の内容について理解を深めようと思い、子どもを支援している団体の代表、市役所の福祉課の職員、大学の社会福祉学部の先生を訪ね、聞き取り調査を行った。そして、聞き取った内容を次の図にまとめた。
図中の( a )には【問題1】に対応した取組みが、( b )には【問題2】に対応した取組みが入る。( b )に当てはまる取組みを、後のア~エからすべて選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  低所得世帯のなかには、家事や家族の世話、介護に追われ、友達や周囲の人との関係が疎遠になり、誰にも頼ることができない子どもがいる。この問題に対処するため、日常的に家事や家族の世話、介護を行う子ども(ヤングケアラー)を支援する活動として、訪問相談を行う自治体がある。
イ  部活動の練習が忙しいため、放課後に勉強の時間を思うように確保することができず、志望する学校への進学が見込めない子どもがいる。この問題に対処するため、希望する子どもを対象に、休日に有料の補習を行い、学力の向上を支援する学校がある。
ウ  多くの子どもは、生活のなかで旅行や遊園地に行ったことがある。しかし費用を捻出できず、学校行事以外で旅行や遊園地に行ったことがない子どもがいる。この問題に対処するため、NPOが自治体の助成金を活用しキャンプを開催したり、企業が社会貢献として遊園地へ招待したりしている。
エ  十分な学力があるにもかかわらず、経済的理由により自分が住んでいる都道府県外の大学への進学を諦める子どもがいる。この問題に対処するため、ある県では、低所得世帯の子どもを対象に、県外の大学に進学した場合の給付型奨学金制度を設けている。
問題文の画像
  • アとイとウ
  • アとイとエ
  • アとウ
  • イとエ
  • ウとエ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

子どもの貧困と教育に関する問題です。

 

ア:b
アの文章には
「友達や周囲の人との関係が疎遠になり、誰にも頼ることができない」
とあり、「社会的な孤立」「人とのつながりが希薄」という要素と合致します。
また、取組内容もそれを改善する内容で適切です。


イ:どちらでもない
これはaでもbでもありません。
一見aの「教育の機会不均等」についてに見えますが、原因が部活動であることや補習が有料であることから貧困に関連した問題への取り組みとは言えません。


ウ:b
ウの文章には
「費用を捻出できず、学校行事以外で旅行や遊園地に行ったことがない」
とあり、貧困により「生活上の経験が不足」している要素と合致します。
また、取組内容もそれを改善する内容で適切です。


エ:a
エの文章には
「十分な学力があるにもかかわらず、経済的理由により…進学を諦める」
とあり、低所得層の子どもが進学が難しいという点がaに一致します。
よって、これはbには入りません。

 

以上より、

 アとウ

を選んだ選択肢が正解です。

まとめ

「どちらでもない」という選択肢に注意しましょう。

すべてを二分できるというのはまったくの思い込みです。

参考になった数0

02

は、bの社会的な孤立に対する取組みです。


令和6年「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」において、

子ども・若者育成支援推進法が改正され、

国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象に、

ヤングケアラーが明記されました。

 

 

は、aの教育の機会不平等に対する取組みです。


ただし、有料の補習であるため、

低所得世帯の子どもは利用できない可能性があります。
教育格差に対する十分な施策とはいえません。

 

 

は、bの社会的な孤立に対する取組みです。
 

NPOや企業が行っているキャンプ・遊園地体験は、

体験格差の是正を目的とした支援です。

 


は、aの教育の機会不平等に対する取組みです。
 

沖縄県では、平成28年度から低所得世帯の子どもを対象に、

県外の大学に進学した場合の給付型奨学金制度を設けています。

奨学金は返済不要です。

参考になった数0

03

この問題では、図から教育の機会不平等と社会的な孤立の問題を正しく読み取り、適切な分類をする必要があります。

 

ア 社会的孤立

イ 教育の機会均等

ウ 社会的孤立

エ 教育の機会均等

選択肢1. アとイとウ

不適切

 

ア 社会的孤立

イ 教育の機会均等

ウ 社会的孤立

選択肢2. アとイとエ

不適切

 

ア 社会的孤立

イ 教育の機会均等

エ 教育の機会均等

 

 

 

選択肢3. アとウ

適切

 

ア 社会的孤立

ウ 社会的孤立

選択肢4. イとエ

不適切

 

イ 教育の機会均等

エ 教育の機会均等

選択肢5. ウとエ

不適切

 

ウ 社会的孤立

エ 教育の機会均等

選択肢6. ア

不適切

 

ア 社会的孤立

選択肢7. イ

不適切

 

イ 教育の機会均等

選択肢8. ウ

不適切

 

ウ 社会的孤立

選択肢9. エ

不適切

 

エ 教育の機会均等

参考になった数0