大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問56 (<旧課程>倫理(第4問) 問2)
問題文
J:うーん、次回の授業で扱うa 未来世代に対する責任ってよく分からないなあ。
K:後の世代のためによいことをしなければいけない、というのは当然じゃない?
J:その人たちに何がよいのかなんて、今の私たちに分かる?私にはb ネットがない生活なんて耐えられないけど、この気持ちは昔の人には分からなかったでしょ。未来の人はまた違うことを望むはずで、それは予想できないよね。
K:変わらないこともあるよ。誰だって衣食住や自由が必要だし、c 子どもは大人に守ってもらわないと。それに安全なd 環境や社会がなければ不安だよ。
J:でも、私個人のe 行動が、未来の人の生活に影響することなんてあるのかな。
K:一人ひとりの廃棄で川や海にプラスチックが溜(た)まり、電気やガスの使い過ぎでf 温暖化も進んだ、と授業で習ったね。個人の行動も未来に影響はするよ。
J:なるほど。だけど、そもそも私たちに未来世代に対する責任があるのかなあ。この責任を負う相手には、遠いg 将来の人だって含まれるかもしれないわけでしょ。そんな赤の他人になぜ何かをしてあげなければいけないのかな?
K:そういう人を思いやるのは難しいけど、それって何もしないことの言い訳になる?遠い未来に生まれるとしても私たちと同じ人間なんだから、h 道徳的に考えると、その人たちの利害も私たちのものと同様に重要なんじゃないの。
J:うーん、まだ存在もしていない人の利害よりも、いま現に生きている人の利害の方が大事な気もする。それに、同世代の人に何かよいことをするならお返しをしてもらえる可能性があるけど、未来世代の人からは何も返してもらえないよ。一方的な自己犠牲をしなきゃいけないの?
K:それは本当に一方的な自己犠牲なのかな。違うと思うよ。私たちが有限な人生を生きることの意味や幸福って、誰かが私たちの遺産を引き継いで幸せに生きていってくれるっていう期待にかかっているんじゃないの。
J:i 後を継ぐ人がいないとしても、自分らしく生きられるのなら、それで十分だと思うけど。まだ納得できないから、明日、授業を受けてからまた話そう。
下線部bに関連して、先生は授業で生徒に情報に関わる現代社会の問題を挙げさせた。デジタル・デバイドの具体例を挙げた生徒の発言として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問56(<旧課程>倫理(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
J:うーん、次回の授業で扱うa 未来世代に対する責任ってよく分からないなあ。
K:後の世代のためによいことをしなければいけない、というのは当然じゃない?
J:その人たちに何がよいのかなんて、今の私たちに分かる?私にはb ネットがない生活なんて耐えられないけど、この気持ちは昔の人には分からなかったでしょ。未来の人はまた違うことを望むはずで、それは予想できないよね。
K:変わらないこともあるよ。誰だって衣食住や自由が必要だし、c 子どもは大人に守ってもらわないと。それに安全なd 環境や社会がなければ不安だよ。
J:でも、私個人のe 行動が、未来の人の生活に影響することなんてあるのかな。
K:一人ひとりの廃棄で川や海にプラスチックが溜(た)まり、電気やガスの使い過ぎでf 温暖化も進んだ、と授業で習ったね。個人の行動も未来に影響はするよ。
J:なるほど。だけど、そもそも私たちに未来世代に対する責任があるのかなあ。この責任を負う相手には、遠いg 将来の人だって含まれるかもしれないわけでしょ。そんな赤の他人になぜ何かをしてあげなければいけないのかな?
K:そういう人を思いやるのは難しいけど、それって何もしないことの言い訳になる?遠い未来に生まれるとしても私たちと同じ人間なんだから、h 道徳的に考えると、その人たちの利害も私たちのものと同様に重要なんじゃないの。
J:うーん、まだ存在もしていない人の利害よりも、いま現に生きている人の利害の方が大事な気もする。それに、同世代の人に何かよいことをするならお返しをしてもらえる可能性があるけど、未来世代の人からは何も返してもらえないよ。一方的な自己犠牲をしなきゃいけないの?
K:それは本当に一方的な自己犠牲なのかな。違うと思うよ。私たちが有限な人生を生きることの意味や幸福って、誰かが私たちの遺産を引き継いで幸せに生きていってくれるっていう期待にかかっているんじゃないの。
J:i 後を継ぐ人がいないとしても、自分らしく生きられるのなら、それで十分だと思うけど。まだ納得できないから、明日、授業を受けてからまた話そう。
下線部bに関連して、先生は授業で生徒に情報に関わる現代社会の問題を挙げさせた。デジタル・デバイドの具体例を挙げた生徒の発言として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- ネット上では、本人の同意なく個人情報が書き込まれ、しかもそれが容易には削除されない、という問題が起こっています。
- インターネットに接続しにくい地域に住んでいるために、教育や就職の機会において不利になっている人がいます。
- ネット上では、考えを共有する人同士が結び付き、意見が違う人を無視したり排除したりして、極端で攻撃的な方向に走る危険があります。
- 企業、報道機関、政府などが情報を隠したり不正確な情報を流したりして、情報の受け手が適切に行動するのが難しくなることがあります。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、デジタル・デバイドに関する理解が問われています。
誤りです。
プライバシー侵害や、情報漏洩の問題の具体例ですが、デジタル・デバイドの例としては不適切です。
正解です。
デジタル・デバイドとは、インターネットを利用できる人とできない人の情報格差のことです。
この選択肢の記述は、地域間におけるデジタルデバイトに当てはまります。
他にも、高齢者や若者の間や、先進国と後進国の間でもデジタルデバイドの問題が起こりえます。
誤りです。
エコーチェンバー現象の説明ですが、デジタル・デバイドの例としては不適切です。
誤りです。
フェイクニュースや情報操作の問題の説明です。
デジタル・デバイドの例としては不適切です。
現代社会においてデジタル・デバイドは解決すべき問題であり、具体例を交えて覚えておくことが大切です。
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02
デジタル・デバイドに関する問題です。
デジタル・デバイドとは、環境や能力の差から生じる、情報の活用の格差による不利益のことです。
誤りです。
個人情報の漏洩は問題の一つですが、デジタル・デバイドの例ではありません。
正しいです。
環境による情報へのアクセスの格差が、不利益を生じさせている例になります。
誤りです。
選択肢の内容は正しいですが、デジタル・デバイドの例ではありません。
誤りです。
選択肢の内容は正しいですが、デジタル・デバイドの例ではありません。
デジタル・デバイドがどのようなものか、説明できるようにしておきましょう。
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