大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問26 (<旧課程>現代社会(第5問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問26(<旧課程>現代社会(第5問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

モリさんとタニさんのクラスでは、現代社会の授業のなかで、持続可能な社会の形成について課題探究を進めている。次の場面を読み、後の問いに答えよ。

場面
先生:皆さん、どのような問題意識から、どのような資料を収集しましたか。
モリ:私がイメージしたのは、限界集落です。高齢者の割合が高いと、その地域の共同生活を維持できなくなると思いました。そこで、インターネットを活用し、都道府県ごとの高齢化率に関する資料1を見つけました。
タニ:私も、モリさんと同じように、過疎地域を思い浮かべました。子どもの数が増えれば、将来、その地域を存続できる可能性が高まるのではないかと考え、都道府県ごとの合計特殊出生率に関する資料2を見つけました。
モリ:資料1と資料2を見比べたところ、島根県のように、( X )都道府県がある一方、東京都のように、( Y )都道府県があることに気付きました。ある都道府県の高齢化率の高低は、その都道府県の子どもの数の増減と関連があると思っていましたが、なぜ、こうなるのでしょうか。
先生:面白いことに気付きましたね。この点について考えるため、私から、資料3を提示しましょう。これは、三大都市圏を構成する東京圏・名古屋圏・大阪圏と、三大都市圏以外の地方圏の、1975年から2017年までの、年間の転入・転出の推移を示したグラフです。ある圏への転入者数が、その圏からの転出者数を上回っている状況を転入超過、ある圏からの転出者数が、その圏への転入者数を上回っている状況を転出超過と呼びます。グラフでは、転入超過を正の数、転出超過を負の数で表しています。
モリ:なるほど。私が疑問に思った現象は、地方圏から大都市圏に、人々が移動するから起こるのではないでしょうか。それは、資料3にある2000年代、2010年代の折れ線が、( Z )ことに示されています。私たちの先輩のなかにも、進学や就職に合わせて生まれた地域を離れる人がいましたね。
タニ:モリさん、人口の不均等分布がもたらす影響があるなか、どうすれば、地方圏の持続可能性を高めることができるかを、テーマにしませんか。

上の会話文中の( X )・( Y )には次のア~エの記述のいずれかが、( Z )には次のカ~クの記述のいずれかが入る。( X )・( Y )・( Z )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

( X )・( Y )に入る記述
ア  高齢化率の順位が高く、合計特殊出生率の順位も高い
イ  高齢化率の順位が高く、合計特殊出生率の順位は低い
ウ  高齢化率の順位が低く、合計特殊出生率の順位は高い
エ  高齢化率の順位が低く、合計特殊出生率の順位も低い

( Z )に入る記述
カ  東京圏が転出超過している一方で、地方圏は転入超過になっている
キ  大阪圏より名古屋圏の方が、転入超過になっている時期が多い
ク  地方圏が転出超過している一方で、東京圏は転入超過になっている
問題文の画像
  • X ― ア  Y ― ウ  Z ― カ
  • X ― ア  Y ― ウ  Z ― キ
  • X ― ア  Y ― エ  Z ― ク
  • X ― ア  Y ― エ  Z ― カ
  • X ― イ  Y ― ウ  Z ― キ
  • X ― イ  Y ― ウ  Z ― ク
  • X ― イ  Y ― エ  Z ― カ
  • X ― イ  Y ― エ  Z ― キ
  • X ― イ  Y ― エ  Z ― ク

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この過去問の解説 (2件)

01

都道府県の高齢化率と合計特殊出生率と、都市部と地方の転入・転出の推移について、資料を読み込んで、データから結論を導き出す力が求められています。

選択肢3. X ― ア  Y ― エ  Z ― ク

正しいです。

まず、(X)・(Y)に当てはまる解答を導き出していきましょう。

 

【(X)の答え】

高齢化率👴👵と合計特殊出生率👶について各都道府県の状況を<資料1・2>より判断します。

 

<資料1>より、島根県はいずれの年代においても、高齢化率上位8位⬆️に入っていることが読み取れます。

<資料2>を見ると、合計特殊出生率も、島根県はいずれの年代においても、上位8位⬆️に入っています。

 

よって、正解は(X)=「ア:高齢化率の順位が高く、合計特殊出生率の順位も高い」です。

 

【(Y)の答え】

島根県と対照的な自治体が、東京都です。

東京都は、いずれの年代においても、高齢化率は下位8位に入っています。

また、合計特殊出生率も、下位8位に入っています。

 

よって、正解は(Y)=「エ:高齢化率の順位が低く、合計特殊出生率の順位も低い」です。

 

次は、(Z)について見ていきましょう。

 

【(Z)の答え】

<資料3>にある2000年代、2010年代の折れ線グラフを見ていきます。

=地方圏は、「転入者ー転出者」が常にマイナス(=転出超過)なっており、逆に東京圏は常にプラス(=転入超過)となっています。

そのため、「ク:地方圏が転出超過している一方で、東京圏は転入超過になっている」が正しいです。

 

また、「キ:大阪圏より名古屋圏の方が、転入超過になっている時期が多い」も正しい記述ですが、

この組み合わせ(「X ― ア  Y ― エ  Z ― キ」)は存在しません。

 

したがって、本問題の正解は、(X ― ア  Y ― エ  Z ― ク)となります。

まとめ

島根県のように、高齢化率が高い地域が必ずしも出生率が低いわけでもなく、また東京都のように高齢化率が低い地域の出生率が高いわけでもありません。

本問題ではモリさんが、その理由に地方から大都市圏に人々が移動するからではないかと気がつきました。

人口の不均等分布は、少子高齢化が進む日本において大きな課題となっています。

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02

会話文から、高齢化率と合計特殊出生率について考える問題です。

 

(X)島根県は、資料1から高齢化率が高いことが、資料2から合計特殊出生率も高いことが読み取れます。よって、アが正しいです。

(Y)東京都は、資料1から高齢化率が低いことが、資料2から合計特殊出生率が低いことが読み取れます。よって、エが正しいです。

(Z)資料3から、東京圏の折れ線と地方圏の折れ線が対象な形で推移していることがわかります。2000年代、2010年代は地方圏は転出超過、東京圏は転入超過となっていることが読み取れます。よって、クが正しいです。

選択肢1. X ― ア  Y ― ウ  Z ― カ

誤りです。

選択肢2. X ― ア  Y ― ウ  Z ― キ

誤りです。

選択肢3. X ― ア  Y ― エ  Z ― ク

正しいです。

選択肢4. X ― ア  Y ― エ  Z ― カ

誤りです。

選択肢5. X ― イ  Y ― ウ  Z ― キ

誤りです。

選択肢6. X ― イ  Y ― ウ  Z ― ク

誤りです。

選択肢7. X ― イ  Y ― エ  Z ― カ

誤りです。

選択肢8. X ― イ  Y ― エ  Z ― キ

誤りです。

選択肢9. X ― イ  Y ― エ  Z ― ク

誤りです。

まとめ

会話文の内容と資料の情報をしっかりと突き合わせて考えれば、難しくない問題でした。

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