大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問6 (<旧課程>現代社会(第1問) 問6)
問題文
記録カード
【第3日目】 水道局を訪問・パンフレットを整理
開発途上国に本市水道局職員を派遣し、水道網の整備を支援していると説明を受けた。本市での工夫が、国境を越えて用いられているとのことである。
■メモ・考察
・水道局による開発協力に加えて、開発途上国の子どもの教育支援というかたちで市内にある企業や団体が開発協力を行っていることや、開発途上国の法整備支援というかたちで本市の大学の教員が開発協力を行っていることを思い出した。「開発協力大綱について」(2015年2月10日閣議決定)においては、c 国際連合平和維持活動(PKO)などのd 政府開発援助(ODA)以外の資金・活動や、地方自治体の資金・活動および開発に関係する民間の資金・活動(企業やNGOをはじめとする多様な主体による資金・活動)と、ODAの連携強化の重要性が強調されている。本市の例からも、e 企業、NGO、ボランティア団体、専門家など、多様な主体が開発協力に関与していることが分かった。
・第1日目に「Think Globally, Act Locally」という言葉を思い出したが、逆に「Think Locally, Act Globally」というかたちで、地域での試行錯誤や地方のノウハウが開発協力に応用されることもあると知った。他国での開発協力にも、関心をもった。
下線部dに関して、南北問題や、ODAをはじめとする開発協力に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問6(<旧課程>現代社会(第1問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
記録カード
【第3日目】 水道局を訪問・パンフレットを整理
開発途上国に本市水道局職員を派遣し、水道網の整備を支援していると説明を受けた。本市での工夫が、国境を越えて用いられているとのことである。
■メモ・考察
・水道局による開発協力に加えて、開発途上国の子どもの教育支援というかたちで市内にある企業や団体が開発協力を行っていることや、開発途上国の法整備支援というかたちで本市の大学の教員が開発協力を行っていることを思い出した。「開発協力大綱について」(2015年2月10日閣議決定)においては、c 国際連合平和維持活動(PKO)などのd 政府開発援助(ODA)以外の資金・活動や、地方自治体の資金・活動および開発に関係する民間の資金・活動(企業やNGOをはじめとする多様な主体による資金・活動)と、ODAの連携強化の重要性が強調されている。本市の例からも、e 企業、NGO、ボランティア団体、専門家など、多様な主体が開発協力に関与していることが分かった。
・第1日目に「Think Globally, Act Locally」という言葉を思い出したが、逆に「Think Locally, Act Globally」というかたちで、地域での試行錯誤や地方のノウハウが開発協力に応用されることもあると知った。他国での開発協力にも、関心をもった。
下線部dに関して、南北問題や、ODAをはじめとする開発協力に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- 1974年に新国際経済秩序樹立宣言(NIEO)が採択されたのは、国連環境開発会議(地球サミット)の場である。
- 1970年代以降に重視され始めたのは、人間が生きていく上で最低限必要な人間の基本的ニーズ(BHN)の充足である。
- 各国のODA供与額が全世界で何位かを順位づけし、毎年の順位を見たとき、1990年代の日本のODA供与額の最高順位は2位であった。
- 先進国は、国際通貨基金(IMF)の下部機関として開発援助委員会(DAC)を設置し、DACを中心に開発途上国への協力を行ってきた。
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この過去問の解説 (2件)
01
南北問題や、ODA(政府開発援助)をはじめとする開発協力の歴史的な変化に関する知識が問われています。
誤りです。
新国際経済秩序宣言(NIEO)が採択されたのは、国連の資源特別総会です。
開発途上国が自国にとって不利な国際秩序自国を変えようと、自国の資源について強く主張するようになった流れで可決されたものです。
地球サミットは、1992年に開催されたので、時代が違います。
正解です。
BHNとは、ベーシック・ヒューマン・ニーズのことです。
衣食住に加え、教育や保険といった社会サービスを含む人間の基本的な欲求のことを指します。
1970年代以降、経済成長の重点的な援助から、BHNを満たすような支援が重視されるようになりました。
誤りです。
日本のODA供与額は1989年に1位となったあと、90年代にも1位を維持し続けました。
したがって、最高順位が2位というのは誤りです。(現在、日本のODA供与額は減ってきています。)
誤りです。
開発援助委員会(DAC)は、経済協力開発機構(OECD)の下部組織です。
・新国際経済秩序宣言(NIEO)・・・1970年代に採択/地球サミット・・・1992年に開催
・開発途上国の援助・・・1970年以降BHN重視へ
・日本のODA供与額・・・最高で世界1位
・開発援助委員会(DAC)・・・経済協力開発機構(OECD)の下部組織
特に、開発途上国の援助をする場合に、1970年代以降、BHN(ベーシック・ヒューマン・ニーズ)を重視するような流れになっているという点は押さえておきましょう。
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02
南北問題や開発協力に関する問題です。
誤りです。
国連環境開発会議(地球サミット)は1992年に開催されています。
NIEOが採択されたのは国連資源特別総会においてです。
地球サミットが開かれた年は押さえておきましょう。
正しいです。
BHN(Basic Human Needs)とは、衣食住、教育、生計手段など、人間として最低限必要なもののことです。
1970年代以降というのも押さえておけると良いでしょう。
誤りです。
日本のODAの拠出額は世界的に多く、1990年代は世界1位となっています。
ODAは日本の開発協力における強みと言えます。
誤りです。
DACはIMFの下部機関ではなく、OECD(先進国クラブ)の下部機関です。
少し細かい知識も多かった問題です。
重要事項から順に押さえていくようにしましょう。
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