大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問26 (<旧課程>現代社会(第4問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問26(<旧課程>現代社会(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

マキタさんは、現代社会の授業を受けるなかで自由貿易体制と豊かさの問題について関心をもち、先生と放課後に話をすることにした。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

会話文
マキタ:格差是正のために、身近でできることがありますね。しかし、自由貿易体制で世界が豊かになる一方で、深刻な格差が生じるのは、不思議です。GDPは世界全体で成長し続けてきたというのに…。
先生:良い着眼点ですね。確かに、経済的豊かさを測る際に、GDPがよく使われますが、これは豊かさのごく一面しか見ていません。d GDPの計算のルールだと、貨幣を介した取引しか、原則的にGDPに含まれないのです。
マキタ:それだと、GDPは、豊かさを測る指標として適切ではないのですか?
先生:少なくとも、完全ではありません。このことは、国・地域の内部での経済格差の把握においても重要です。格差は、付加価値の総額だけでは捉えられず、他の指標も見る必要があります。例えばe ジニ係数を見ると、所得の格差の現状が把握できます。そこから、その是正について多様な方策があることが分かるのです。
マキタ:複数の視点から豊かさを考えることが大事なのですね。
先生:どんな問題にも、こうした複眼的思考が必要です。そのために、ただ与えられた知識を受け取るだけではなく、主体的に学び、考え、行動することが必要です。こうした学びの実践は、f 日本でも過去の思想家によって提唱されてきたことでもあります。私たちの直面する問題の解決に向けてどのような姿勢が必要なのか、そのヒントを与えてくれるはずです。

下線部eに関して、次の表2は三つの国の当初所得および再分配後の所得のジニ係数を示している。これら三つの国を比較した後の説明文中のア〜ウにはA~Cのいずれかの国が入り、Ⅰ・Ⅱには後の記述P・Qのいずれかが入る。このうち、イ・ウ・Ⅰに入るものの組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

説明文
当初所得の格差は( ア )国が最も小さく、再分配後の所得の格差は( イ )国が最も大きい。そして、各国の二つのジニ係数の差を見ると、所得の再分配の格差是正効果を測ることができるが、その数値から判断すると、格差是正効果は( ウ )国が最も大きい。
( イ )国が格差を是正しようとするならば、( ア )国のように当初所得の格差を小さくする目的で( Ⅰ )、あるいは( ウ )国のように再分配後の所得の格差を小さくする目的で( Ⅱ )といった政策が考えられる。

Ⅰ・Ⅱに入る記述
P  資産課税を強化する
Q  最低賃金を引き上げる
問題文の画像
  • イ ― A  ウ ― B  Ⅰ ― P
  • イ ― A  ウ ― B  Ⅰ ― Q
  • イ ― A  ウ ― C  Ⅰ ― P
  • イ ― A  ウ ― C  Ⅰ ― Q
  • イ ― C  ウ ― A  Ⅰ ― P
  • イ ― C  ウ ― A  Ⅰ ― Q
  • イ ― C  ウ ― B  Ⅰ ― P
  • イ ― C  ウ ― B  Ⅰ ― Q

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この過去問の解説 (1件)

01

ジニ係数と再分配に関する問題です。

ジニ係数は0から1の間で表され、

0に近いほど格差が小さく、

1に近いほど格差が大きいことを示します。

 

〇空欄ア:「B」

当初所得のジニ係数が最も小さいのはB国(0.34)です。

 

〇空欄イ:「A」

再分配後のジニ係数が最も大きいのはA国(0.39)です。

 

〇空欄ウ:「C」

当初所得のジニ係数で最も大きいのはC国(0.51)、

再分配後のジニ係数で最も小さいのもC国(0.26)です。

よって、格差是正効果が最も大きいのはC国です。


〇空欄Ⅰ:Q「最低賃金を引き上げる」

当初所得の格差を小さくするためには、最低賃金を引き上げることが有効です。

 

〇空欄Ⅱ:P「資産課税を強化する」

再分配後の所得の格差を小さくするためには、資産課税の強化により再分配を促進することが有効です。

 

したがって、正しい組み合わせはイ:A、ウ:C、Ⅰ:Qとなります。

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