大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問1 (<旧課程>現代社会(第1問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問1(<旧課程>現代社会(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

現代社会の授業で、先生は上のユネスコ憲章の前文を見せて、言いました。
「歴史的に、戦争は国家間で行われてきました。しかし、ユネスコ憲章では、戦争と平和の問題は、私たち個人の問題であるとされています。個人と国家とはどのような関係にあるでしょうか。また、戦争を防止または終結させるために、私たち個人や国家、さらには国際機関は、何をすべきでしょうか。」
翌週、3人の生徒がそれぞれ、発表プリントを用いて発表を行いました。

発表プリント
個人とa 国家とは、国籍によって結び付いている。出生による国籍付与には、大別して、血統主義と出生地主義の二つの原則がある。血統主義をとるA国、出生地主義をとるB国は、それぞれ、次のように定めている。
・A国:出生時に父または母がA国民である者は、A国籍を取得する。
・B国:B国で出生した者は、B国籍を取得する。
国籍付与の条件は国家が各々に定めるため、一人が一つの国籍をもつとは限らない。上の原則に基づくと、B国民と( ア )民との間の子Xが( イ )において生まれた場合、子XはA国とB国の重国籍となる。また、B国民と( ウ )民との間の子Yが( エ )において生まれた場合、子Yはいずれの国籍も取得できないこととなる。このような事態を避けるために、多くの国家は、いずれかの原則をとりつつ、もう一つの原則も補充的に取り入れている。

上の発表プリント中のア~エにはそれぞれ「A国」か「B国」のいずれかの国が入る。「A国」が入るものをすべて選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • アとイとウ
  • アとウとエ
  • イとウとエ
  • アとウ
  • アとエ
  • イとウ
  • イとエ
  • 「A国」が入るものはない

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この過去問の解説 (2件)

01

国籍の血統主義と出生地主義に関する問題です。

 

〇空欄ア、空欄イ

 

A国とB国の重国籍となる場合を考えます。

 

A国は血統主義を採用しているため、

子XがA国籍を取得するには、

両親の一方がA国民である必要があります。

よって、空欄アには「A国」が入ります。

 

一方、B国は出生地主義を採用しているため、

子XがB国籍を取得するにはB国で出生する必要があります。

よって、空欄イには「B国」が入ります。

 

〇空欄ウ、空欄エ

 

いずれの国籍も取得できない場合を考えます。

 

A国は血統主義を採用しているため、

子YがA国籍とならないためには、

両親ともにA国民であってはなりません。

よって、空欄ウには「B国」が入ります。

 

一方、B国は出生地主義を採用しているため、

子YがB国籍とならないためには、

B国で出生してはなりません。

よって、空欄エには「A国」が入ります。

 

よって、A国が入るのはアとエです。

選択肢1. アとイとウ

誤りです。

正答「エ」が含まれておらず、誤答「イ」と「ウ」が含まれています。

選択肢2. アとウとエ

誤りです。

正答「イ」が含まれておらず、誤答「ウ」が含まれています。

選択肢3. イとウとエ

誤りです。

正答「ア」が含まれておらず、誤答「イ」と「ウ」が含まれています。

選択肢4. アとウ

誤りです。

正答「エ」が含まれておらず、誤答「ウ」が含まれています。

選択肢5. アとエ

正しいです。

選択肢6. イとウ

誤りです。

正答「ア」と「エ」が含まれておらず、誤答「イ」と「ウ」が含まれています。

選択肢7. イとエ

誤りです。

正答「ア」が含まれておらず、誤答「イ」が含まれています。

選択肢8. 「A国」が入るものはない

誤りです。

空欄アと空欄エに「A国」が入ります。

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02

血統主義と出生地主義についての条件を把握し、しっかりと判断して選択肢を選びましょう。

問題文の重要箇所をこちらに貼り付けておきます。

 

・A国:出生時に父または母がA国民である者は、A国籍を取得する。←血統主義
・B国:B国で出生した者は、B国籍を取得する。←出生地主義

 

B国民と( ア )民との間の子Xが( イ )において生まれた場合、子XはA国とB国の重国籍となる。

また、B国民と( ウ )民との間の子Yが( エ )において生まれた場合、子Yはいずれの国籍も取得できないこととなる。

 

ここから、重国籍となる場合と、いずれの国籍も取得できない場合を考えましょう。

【重国籍となる場合】

B国民とA国民との間の子がB国において生まれた場合

【いずれの国籍も取得できない場合】

B国民とB国民との間の子がA国において生まれた場合

→よってA国が入る空欄は( ア )と( エ )になります。

まとめ

ある程度の知識も必要ですが、文章をきちんと読み、要点にアンダーラインを引くなどして読むことを心掛けて下さい。

今回の問題は、条件を理解して正しく読むことができていれば、きちんと正解できると思います。

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